2018.6.12 : 自治と共生の視点から、競争原理・規制緩和がもたらすもの

○12番(内山さとこ君)  質問に入ります前に、本日起きましたクリーンセンターの火災に関する先ほどの一般質問に関して、一言申し上げます。

 一昨日、私が住んでおりますパークタウン団地というところでは、年に一度の防災訓練がありまして、その場で急遽、この4回にわたるクリーンセンターの発火・火災の事態を受けて、リチウムイオン電池の分別や有害ごみとして処理する、そういう呼びかけを、1つブースをつくって住民の皆さんに呼びかけました。自治会役員が、この方はクリーンセンターの運営協議会のメンバーでありますが、その方が手づくりのパネルをつくりまして、クリーンセンターから実際にごみの中にまざっていた携帯電話やリチウムイオン電池を使用した小型家電、そういったものをお借りして展示して、呼びかけました。クリーンセンター近隣住民は、常にクリーンセンターの運営について責任を持っているという自覚を持ちながら暮らしています。本日5回目の火災が起きた、約半年間で5回目の火災が起きた、これは異常事態としか言えません。先ほどの市長の答弁、余りに人ごとではないか。(「そうだ」と呼ぶ者あり)そうだというなら、さっきもうちょっと突っ込んでもらいたかったけど。

 周辺整備協議会等には副市長も参加すると。市内で唯一のごみの中間処理施設であるクリーンセンターの運営に、全市的な市民の問題として受けとめていただかなければいけません。市長には、近隣住民がどれほど運営に関して責任を持ちながら常に見守っているか、改めて住民にお話を聞いていただくようにお願いしておきます。速やかにクリーンセンターの火災の原因が解明されることを、第三者機関の検証も含めて行っていただいて、議会に報告を求めたいと思います。よろしくお願いいたします。


 それでは、今回は、自治と共生の視点から、競争原理や規制緩和がもたらすもの等について質問させていただきます。2つのテーマで質問いたします。

 まず初めに、小中一貫教育と学校施設整備について質問します。ことし2月末、小中一貫教育に関する検討委員会の答申が示されました。小中一貫教育の是非については、現時点の市民や関係者の意見を踏まえると、全ての小学校区で小中一貫教育を実施することについて期待がある反面、不安も大きく、実施の是非を決定する段階に至っていない。全市的な議論をさらに進めるよう努めてほしいというものでした。この答申の取り扱いについては、来月の教育委員会定例会で決定する予定と聞いております。

 昨年、この検討を依頼するに当たり、教育委員会は、これからの武蔵野市における学校教育について、学校教育の実践と学校施設の整備に当たって2つの目標を挙げています。1つは、人間力を高め、自分らしい生き方を実現する教育を目指す。いま一つは、子どもをめぐるさまざまな支援を要する課題の解決に、多様な人材が協働して子どもの最善の利益に寄り添うことができる、総合的な成長支援のプラットフォームとなる学校づくりを目指すということです。これは学校施設整備計画を検討する上でも掲げられた同じ目標であり、つまり小中一貫教育の実践と学校施設の整備とを一体として進めようとしていたわけです。小中一貫教育の是非にかかわらず、一人一人の子どもたちの成長を見守りつつ社会の一員としての学びを大切にするためには、地域社会に開かれた学校づくりや、子どものみならず家庭への福祉的なアプローチが必要であるということは言うまでもありません。恐らく今後、第六期長期計画を策定する中で、学校施設基本計画の策定との関係を踏まえながら、教育分野にとどまらない多角的な検討が行われ、総合的に判断されていくことになると思います。

 そこで、まず武蔵野市の目指す学校教育について、当初示されたこれからの学校教育について、目標は再検討するお考えがあるのかないのか、市長、教育長、それぞれに伺いたいと思います。

 2つ目に、これからの学校教育の目標の中で用いられた自己有用感という言葉について、この言葉の意味及び武蔵野市の教育における使用について、市長、教育長、それぞれの見解を伺います。


 2つ目の大きなテーマ、民泊事業と、許可申請のあった緑町の簡易宿所について質問します。

 昨年12月6日、国の規制改革推進会議において旅館業規制の見直しに関する意見が決定され、旅館業法の設備基準について、最適かつ最小の規制とする見直しが提言されました。これを受け、同月15日付で旅館業法改正が公布され、ことし1月31日付で同法の施行令及び施行規則が改正されました。あわせて構造設備基準などの目安となる技術的助言、旅館業法における衛生等管理要領についても改正され、旅館業の種別の変更や客室等の構造設備基準の大幅な見直しが行われることになりました。こうしたことから東京都では、本日から都議会第2回定例会が開かれておりますが、旅館業法施行条例に係る規制全般にわたり見直しが予定されております。

 そこで、まず住宅宿泊事業法に基づく民泊について質問します。3日後に迫りました住宅宿泊事業法、いわゆる民泊新法による宿泊施設事業については、東京都のガイドラインによる一定の制約はあるものの、市独自の規制や法的手続が生じないことから、不安も寄せられています。現在東京都に事前相談がされている申請状況、そのうち市が把握している市内での住宅宿泊事業法による事業を予定しているものの件数、町名、物件の形態等、直近の状況をお示しください。

 2点目に、個別の事案になりますが、旅館業法に基づく簡易宿所の許可申請のあった緑町の事業についてお尋ねします。旅館業法の簡易宿所という形態で東京都に許可申請された緑町1丁目グリーンパーク商店会内の事業に関し、市が把握しているこれまでの事実経過と申請事業者と物件の所有者、その他現状について詳細な説明を求めます。また、防災安全対策、公衆衛生対策等、関係各機関との連携、今後の対応方針を伺います。

 3つ目に、これら民泊新法や旅館業法の規制緩和による課題と、今後の対応についてお尋ねします。本市では、これまで法令に違反する風俗店等について独自の条例を策定するなど、厳しい指導監督を行ってきた歴史があります。民泊新法のみならず、改正旅館業法も大幅な規制緩和となる中、今後新たな形態の宿泊事業の市内での展開についてどのように認識されているでしょうか。予測される課題と今後の対策について伺います。

 最後に、旅館・レンタルルーム規制条例についてお尋ねです。ことし3月、予算特別委員会で私は、この簡易宿所の問題を取り上げて、市の旅館・レンタルルーム規制条例の改正を強く求めました。副市長の答弁では、今の条例は、レンタルルームという概念も薄れている社会状況の中で、このまま維持していくというのでは違う。何らかの形で対応するというのは今後検討していきたい旨の答弁がありました。武蔵野市はコンパクトシティとして利便性が高く、商業地域と住宅街とが隣り合う本市の現状、これを鑑み、市民生活の静謐な住環境を脅かす事態を招かぬよう、また子育てや教育などへの悪影響を生ずることのないよう、時機を逸することなく、同条例の改正など緊急な対策が必要と考えています。その後の検討状況等を含め、答弁を求めます。

 以上、壇上での一般質問といたします。よろしく御答弁のほど、お願いいたします。


○市 長(松下玲子君)  内山さとこ議員の一般質問にお答えをいたします。

 まず初めに、教育に関しての御質問です。これからの学校教育についての目標に関するお尋ねでございますが、これは教育委員会で設定をした学校教育の目標でございますので、後ほど教育長よりお答えをいたします。

 続きまして、自己有用感という言葉の意味及び武蔵野市の教育における使用についての御質問です。自己有用感という言葉の意味については、他者との関係の中で肯定的に受け入れられることで生まれる自己に対する肯定的な感情であると理解しております。教育における使用については、後ほど教育長よりお答えをいたします。

 続きまして、民泊事業と許可申請のあった緑町の簡易宿泊所に関して何点か御質問がございました。

 まず1点目の御質問です。東京都における民泊事業の届け出の状況については、6月1日の段階で届け出が都内全体で24件あり、そのうち本市はゼロ件でございます。また届け出前の事前相談につきましては、東京都からは件数のみ情報提供を受けておりますが、この数字の公表は控えてほしいとのことでございますので、お伝えできない状況であります。

 続きまして、2問目についてでございます。事実の把握といたしましては、市がグリーンパーク商店会内に簡易宿所ができることを把握したのは、旅館業法の許可条件であるおおむね100メートル以内に位置する幼稚園に対する意見を求める照会が、多摩府中保健所長から子ども育成課に送付されたことによります。この照会に対する回答として、申請地周辺は住宅地及び商店の密集地で、不特定多数の人が利用した場合、幼稚園の通園経路の安全確保や、災害・火災時の影響あるいは風紀の乱れ、治安の悪化などが懸念されるため、これらの懸念を払拭され、安全が確実に確保されることを要請いたしました。加えて、武蔵野市旅館・レンタルルーム規制条例を制定していることから、市の関係部署と早急に調整を図ることも要望いたしました。

 住民との話し合いに関して、4月11日に住民との話し合いが持たれましたが、説明者は申請事業者の代理人であり、住民の質問にも十分に回答できていないと、参加した職員から報告を受けております。第2回目の話し合いが5月31日に開催されましたが、申請者の親会社である説明者は非常に高圧的であり、全く誠意のある回答が得られなかったとの報告を受けております。この第2回目の話し合いは、多摩府中保健所が市などの要望を受け、事業者に対し、申請者が直接住民に説明するよう公文書にて指導し、5月31日に第2回目の話し合いが設定されたと理解をしております。市では4月20日、簡易宿所の旅館業営業許可取り扱いについてお願いを、多摩府中保健所長に直接手渡しをいたしました。また、市では5月31日に設定された第2回目の住民との話し合いの状況を確認し、地域住民の理解が得られるまでは旅館業営業許可について慎重に対応していただくよう、簡易宿所の旅館業営業許可についてお願いの書面を多摩府中保健所長に6月7日に提出いたしました。今後の対応といたしましては、防災安全対策については警察署や消防署、公衆衛生対策等は許可権者である保健所などとの連携体制を整えていく必要があると認識をしております。

 続きまして、3点目でございます。民泊新法への対応について、保健所を持つ自治体は条例によって、地域の実情に応じて民泊事業の規制をかけられることとなっており、23区など都市部の多くの自治体が規制を強める対応を行っております。本市でも、これまで築いてきた良好な住環境を守っていくため、一定の規制を設けることが望ましいと考えていますが、保健所を持たない本市では民泊を規制する条例を制定できないため、規制については東京都の対応に委ねざるを得ません。東京都に対しては、今まで規制条例の制定を重ねて求めてきましたが、結果として条例は制定されず、かわりに東京都独自のガイドラインが定められました。東京都は、このガイドラインに基づき適正に指導監督を行っていくとしております。現在のところ、まだ本市における届け出はなく、相談の数も多くはないため、具体的な影響は読み切れない状況ではありますが、引き続き情報の共有など東京都と連携し、状況を注視していくとともに、例えば分譲マンションでの規約改正の支援や周知など、市として可能な取り組みを続けていきたいと考えます。

 改正旅館業法への対応についての御質問です。旅館業法の改正に伴う新たな形態の宿泊事業としては、シェアハウス、ゲストハウス、または極めて短期間に使用者の入れかわる宿所など、共同生活用に新築あるいは改築された専用の賃貸住宅で、その家屋や入居者の管理運営を事業者が営む形態の事業の進出が予測されます。予測される問題としては、宿泊者の夜中の騒音や、ごみ出しをめぐって住民とのトラブルになるおそれがあることなどが考えられます。市では、シェアハウス、ゲストハウスなどの短期宿所を開業しようとする事業者に対し、近隣住民への事前説明や説明内容の市への報告、必要に応じて立ち入り検査などができるよう検討をしています。事業が開業された後の対応としては、近隣住民や商店会などから集客や運営状況などの情報を収集し、許可基準の法令違反などがある場合には保健所、事業に応じて警察署や消防署など関連機関と情報を共有し、連携して、適切な運営管理の状況を見守ってまいります。

 続きまして、旅館・レンタルルーム規制条例の改正等についての御質問です。今回の緑町の物件は、その用途に供する部分の床面積の合計が100平方メートルを超えるものではないため、旅館・レンタルルーム規制条例には該当しません。簡易宿所の開設については旅館業法が適用され、許可権者は東京都知事であります。旅館業法の改正が、平成29年12月15日公布、本年6月15日施行されることに伴い、ホテル営業及び旅館営業の営業種別を旅館・ホテルに統合するなど、規制が大幅に緩和されることから、東京都においても旅館業法施行条例を改正し、緩くなった部分を補完した条例改正を6月議会に上程したと聞いております。市では、今後改正される東京都旅館業法施行条例の内容を精査し、本市がとり得る取り組みを精査した上で、レンタルルーム規制条例の改正の準備を進めていきたいと考えます。

 他の質問については教育長からお答えいたします。


○教育長(竹内道則君)  私からは、これからの学校教育の目標についてのお尋ねについて、お答えいたします。

 内山議員御紹介のとおり、小中一貫教育検討委員会においては、これからの武蔵野市における学校教育に求められる目的や目標を踏まえた小中一貫教育と小中別教育との多角的な比較、並びにその比較を踏まえた武蔵野市における小中一貫教育の実施の是非についてという検討依頼文をお示しするに当たって、教育委員会では、これからの武蔵野市における学校教育に求められる目的と、それを実現するための目標を設定しました。具体的には、目的の第1は、これまで取り組んできた知徳体のバランスのとれた教育を一層推進すること、目的の第2は、長年にわたり培われてきた学校と地域社会とのきずなをさらに強め、教職員、保護者と地域の方々が一体となって、子どもたちの望ましい成長を支援する場としていくことでございます。そして、これらの目的を実現するため具体的な目標を設定しております。これらは小中一貫教育の実施にかかわらず、これからの武蔵野市の学校教育に求められるものとして、教育委員会での議論等を踏まえ設定したものでございますので、現段階ではこの目的、目標の変更については考えておりません。

 次に、自己有用感という言葉のお尋ねでお答えをいたします。本市では、平成30年度武蔵野市教育委員会の基本方針1で、自己有用感の考え方につながるものとして、豊かな心や感性を育む教育の推進を掲げ、道徳教育の充実のために、子どもたち一人一人が自信を持ち、自分自身を肯定的に受けとめることができるようにすると示しております。自己有用感は自尊感情の一つであり、一人一人が自分を大切にする気持ちであると理解しております。自己有用感という言葉自体は、例えば文部科学省の国立教育政策研究所が出している生徒指導に関する資料で、社会性の基礎となる自己有用感というような使われ方であったり、28年に東京都が、不登校対策の委員会の報告書の中でも、自己有用感を育み自分に自信を持つというような、子どもの育ちを支援する一つのアプローチとして引用したりしておりますが、教育活動としての取り組みとして挙げるものなので、単なる優越感や他者との比較から生まれる自尊感情という言葉とは区別をして考えております。社会性を育む観点では、自己肯定感と言ってもよいと考えますが、学校では他者とのかかわりの中で生活をしていきますので、自分の行動や存在が集団の向上に役立っているという自覚を持てることが重要と考え、使用しているところでございます。


○12番(内山さとこ君)  まず、教育について再質問させていただきます。

 市長から御答弁がなかったのは大変残念です。私がなぜ市長と教育長に伺ったかというと、先ほど壇上で申し上げましたように、教育の中身、ソフトの部分、小中一貫教育という実践と、学校施設の整備、この両方を同じ目標で検討されてきているわけですよ。学校施設の設置責任者というのは、どなたですか。それはちょっとお尋ねしたいと思います。私は市長だと思って、そういう目標のもとに設置責任者として責任を果たしていくのかなと思ったものですから、改めて伺っているわけです。7月に小中一貫教育検討委員会の答申の取り扱いについては、独立行政機関である教育委員会から一定の御判断があるものと思っていますので、私はそれを見守っておりますが、市長はこの掲げられた目標についてどのような認識を持っていらっしゃるのかということを伺いたいのです。それをお聞きします。

 自己有用感の件なのですけど、これはちょうど1年前、宮崎前教育長と、この本会議場でお話をさせていただきました。実はその前に、昨年3月7日の文教委員会で、当時の指導課長からの御答弁があって、私は大変問題に思ったものですから、6月の定例会でも取り上げたわけです。なぜ問題に思ったかといいますと、当時の指導課長は、人の役に立った、あるいは人に喜んでもらえたということによって、その人とのかかわりを大事にするということも大事ではないかということで自己有用感という言葉を使ったと。これは知徳体の徳という中で用いられているわけです。もちろん、それはとりもなおさず、評価の対象となった道徳、この徳につながるわけです。つまり自分の評価をよくするために人の役に立った、そういうふうに勘違いをされては困るのですよ、子どもや教育現場の方々に。それで私は問題だと思って、言っているのです。

 その後、指導課長は、自分の中で高まる言葉、それも非常に大事だと思うのですけれども、これは自己肯定感という意味です。自己肯定感というのも大事だけど、あえて、武蔵野市民科を来年度、研究協力校で行うということも含めて自己有用感の形で書かせていただきましたが、今後またいろいろ議論をしていくところがあるかと思っていますと言っています。教育委員会ではこの自己有用感と自己肯定感について、どういう議論をされてきたのかということを教育長に伺いたいと思います。武蔵野市民科は道徳も含む、武蔵野市独自の市民科というのを今、研究協力校等で検討されているというふうに私は認識しています。武蔵野市独自であるならば、国の教育研究所等のリーフレットを持ち出すまでもなく、武蔵野市としての考えを持って進めていっていただきたい。その点はいかがでしょうか、お尋ねします。

 私は、もしかすると教育長や教育委員会の方々と余り考えが変わらないのかもしれませんが、自己有用感という言葉がひとり歩きをすることは、私は大変危険だと思っていますので、再度、新教育長になられたこの定例会で取り上げさせていただいています。よく自己有用感や自己肯定感の違いを表現するときに言われるのが、アイ・メッセージとユー・メッセージというふうなものを用いる場合があります。それで私は思ったのです、アイ・メッセージというのは、私はあなたが何々をしているのを見てとてもうれしい、そういうメッセージを送ると、言われた人は、私がこういう行動をすることによって喜んでもらえるのだということを認識すると。ただ、ユー・メッセージだと、あなたは何々してうれしいのねというふうにしかならない、それでは自己肯定感の高まりが余り得られないというふうな説明がよくされるのです。私、質問回数が限られているので全部言ってしまいますけど、あえて言うならば、ここで自己有用感という言葉で、教育現場で子どもたちに身につけてほしいことは、あなたを認めていますというメッセージを発せられる人間になっていきましょう、これが本質だと思っています。つまり何かといえば、互いを尊び合う共生です。そこまできちんと今回の小中一貫教育や学校施設整備、この検討、第六期長期計画に当たって、誤解のないように書き込んでいただかなければ困ります。御答弁お願いします。


○市 長(松下玲子君)  内山議員の再質問にお答えをいたします。まず、学校施設の設置責任者は市長でございます。その上で、学校教育についての目標に関するお尋ねでございましたので、教育委員会で設定をした学校教育の目標であるとお伝えいたしました。学校施設管理計画、これからの策定や、第六期長期計画の策定についても、この教育委員会で設定をした学校教育の目的や目標に資する形で施設を設置していかなければならないと考えております。


○教育長(竹内道則君)  自己有用感については、私も勘違いされないようにすることは大事だなと思っていますので、誤解をされないような言葉である必要があると思っています。その上で、先ほど御説明したように他者との関係でもって捉えると、自尊感情の中には自己有用感、自己肯定感があると、部分集合的にあると思っておりますが、自尊感情ではその意図が伝えられないという意味では自己肯定感、自己有用感を、教育的アプローチとして考えた場合には使うべきかなと考えております。その上で、社会性を高めることであるとか、あるいは他者とのかかわりで自分の存在意義を認める、自分が他者との関係で意義を認められる、そういうことにつながるような意味合いで自己有用感を使いたいと考えておりますが、市民科の中であるとか、あるいは道徳の中であるとか、それだけに限定した言葉ではないと思います。先ほどちょっと御紹介したように、不登校になった子どもたちも、自分を認められたい、あるいは自分が社会とのかかわりの中で自信を持っていくことは必要だと思っていますので、そういった意味で言うと、余り限定した、道徳であるとか市民科の中だけでの使われ方に限定するべきではないと思っています。

日本の子どもたちの自己肯定感と言われていたと思いますが、自己肯定感が低いというのが他国との比較では、調査の中では出ていますので、その部分については武蔵野市の子どもたちにとっても何らかの意義ある取り組みを行っていきたいと思いますが、今の段階では私はそのように考えております。


○12番(内山さとこ君)  そうすると、市長は、教育委員会で一定の、7月の結論が出たら、それをもとに学校施設整備計画についての検討を進めるということでよろしいのでしょうか。教育長におかれては、教育委員会の中でどういう議論があったかという質問にはお答えいただけませんでしたけれども、今の教育委員の中にはエッセイストの方ですとか落語家さんですとか、はっきり言えば言葉をなりわいとされている、言葉を大切にする方がたくさんいらっしゃいます。私は武蔵野市の教育委員の皆様は、例えば今行われている教科書選定とかそういったことについても、お一人一人全部の教科書に目を通して、非常に熱心に教育のお仕事に向き合っていらっしゃる方たちだと思いますので、改めて自己有用感という言葉でこれからの武蔵野市の目指す教育はいいのかということを議論していただくよう、心からお願いしておきたいと思います。

 それから、2点目のテーマの民泊と旅館業法の簡易宿所の件について、質問させていただきます。

先ほどの経過説明の中で、緑町の簡易宿所の件です。個別の件で言いますと、市長からお話のあった事実経過以外に補足をさせていただきますと、緑町には11団体の緩やかな連絡会、緑懇話会というのがありまして、これは緑町一番街、緑町商栄会、グリーンパーク商店会という3つの商店会と、緑町都営アパート自治会、都営第二アパート自治会、そしてUR緑町パークタウン自治会、武蔵野ガレリア管理組合という集合住宅の自治組織、そして緑町1丁目と3丁目の町会、そして緑町コミュニティ協議会、高齢者総合センター・在宅介護支援センターも最近は含まれております。こうした、いわば緑町を網羅したような団体による緩やかな連絡会が30年間活動しておりまして、この団体は隔月で定例会を開催しておりまして、ことしは1月の後、3月23日に定例会を行いました。

 この中で、無論この緑町の簡易宿所の件が情報として共有されておりまして、大変な心配をされていました。まだこの当時は事実関係が全て確認できていない段階でしたけれども、さまざまな御意見が寄せられました。そして、先ほど4月11日に事業者の代理人の方の説明会があったという御報告がありましたけれども、それを受けて、1商店会と1自治会の幹事さんが多摩府中保健所に要請行動に行かれました。営業開始前に近隣住民に対し十分な説明と話し合いを行うよう指導を求めました。それから、5月1日、これは私ども議員の話でございますが、私と大野議員、橋本議員、与座議員で多摩府中保健所に要望書の提出に参りました。このとき木﨑議員は日本にいらっしゃいませんでしたので、一緒ではありませんでしたが、緑町、八幡町、西久保地域の地元の議員で要望書を提出してまいりました。そして6月4日、多摩府中保健所ほか関係機関に対して、地元小・中学校PTA会長、それから青少協会長、合わせて5名の連名による要望書が提出されていることは御承知のとおりと思います。

 このように、この2月から6月にかけて、緑町、八幡町地域、西久保も含めて、多くの方々がこの個別案件について不安を感じ、行動されています。武蔵野市は書面で多摩府中保健所にお願いを出したということですけれども、実際に市長は、田原なるみ多摩府中保健所長と、この件お話しになりましたか。それと、現地をごらんになったでしょうか。ごらんになったとしたら、どのような感想を持たれたでしょうか、お尋ねしたいと思います。

 そして、先ほどの条例の関係なのですけれども、旅館・レンタルルーム規制条例の見直しをしていただけるものと私は思っているのですけれども、この6月の定例会にも全く姿形が見えていない。今どのような状況なのか、タイムスケジュール、見通しを含めて伺いたいと思っています。先ほど都議会では、大幅な規制緩和をされた施行条例がこの定例会で審査されるという話をしましたし、市長からもありましたけれども、東京都の条例を待つことなく、私も大幅な構造設備の緩和がされるという資料を入手しておりますけれども、市として準備できることは準備できていると思うのです。どのようなことを準備されているのか、伺いたいと思います。


○市 長(松下玲子君)  再質問にお答えいたします。教育に関しては、御指摘いただいたとおり、教育委員会の決定を待っての判断でございます。

 民泊事業と許可申請のあった緑町の簡易宿所についてでございますが、実際に東京都多摩府中保健所の田原所長とやりとりをしております。その中で、改めて書面で、2度にわたってお願いをいたしております。緑町の現地については訪ねてはおりません。具体的な本市がとり得る取り組みについて、旅館・レンタルルーム規制条例の改正については先ほどお答えしたとおりでございますが、具体的なスケジュールについても、東京都の旅館業法施行条例の内容をしっかりと精査した上で、さらに市の取り組みを精査して進めたいと思っております。なお、市ではシェアハウス、ゲストハウスなどの短期宿所を開業しようとする事業者に対し、近隣住民への事業説明や説明内容の市への報告、必要に応じて立ち入り検査などができるよう検討をしているところでございます。

 以上です。


○教育長(竹内道則君)  自己肯定感、自己有用感のことにつきましては、内山議員御指摘のとおり、特に貧困の状態にあるお子さんであるとか、障害のあるお子さん、それから不登校の状態にあるお子さん、特に、自己肯定感と言っていいのでしょうか、自分の存在がかけがいのないものである、それをエンカレッジするような取り組みというのは必要だと思っていますので、議員が御指摘のように、各教育委員それぞれの識見がありますので、何らかの機会を捉えて、よくそこは議論したいと思っています。

 以上です。


○12番(内山さとこ君)  今、教育長からせっかく御答弁いただいたので、重ねてになりますけれども、お願いしておきます。自己有用感という5文字の熟語にこだわる必要はないと思うのです。それだったら相互存在感とか、相互尊重感とか、互いを尊重するという、それが必要だと思うのです、やはり自己だけでは。もちろん被虐待児やいじめを受けたお子さんの自尊感情を回復するということは非常に困難だということは私も理解しているつもりですが、ぜひそこを現場の方々ときちんと認識を一つにしていって、子どもたちの教育に当たっていただきたいというふうに思います。

 それで、緑町の簡易宿所の件ですが、今、隣の議員に教えていただいてわかったのですけど、市長、現地をごらんになっていないのですか。役所の、もう目と鼻の先ですよ、歩いて3分です。食事に出る職員もグリーンパーク商店会とかにいますし、そんな昼休みだって行けないものではないし、何より役所に通勤されるときに、当然立ち寄られることだってできると思うのですけど、どうして現地を見ていただけていないのでしょうか。こんなに緑町全体で大きな問題になっているのに全く危機感をお持ちではないということに、私は今、驚きを禁じ得ません。先ほどのクリーンセンターの火災の件でもそうですけれども、その危機感というものを持っていらっしゃらないのでしょうか。住民がこれだけ不安に思っていることをどうして理解していただけないのか、体感していただけないのか、とても残念です。きょうにでも現地を見にいっていただいて、どういう物件か、どういう状況の中にあるのかということを見ていただきたいというふうにお願いしておきます。

 それで、市条例の改正の件については、スケジュールが今示されませんでしたけれども、これはもう6月15日から改正旅館業法施行なのです、民泊新法が施行なのですよ。一体それはわかっていらっしゃるのですか。対応が遅過ぎるのではないでしょうか。台東区では、第2回定例会、6月4日開会の台東区議会では、国がホテル、旅館のフロント設置、フロントというのは玄関帳場というふうに法律ではいいますけど、設置義務を緩和したことを受けて、区独自に施設基準を設けて、質の確保につなげることを狙いとして施行条例の改正を上程しました。そして、6月4日の本会議の休憩時間にですよ、付託された保健福祉委員会を開会して議論して、これは原案どおり可決され、そして再開した本会議で、早期議決案件だということで、もう可決成立して、6月15日から施行されるのです、この改正条例が。そういう速やかな対応を行っている自治体もあるのです。一体、武蔵野市はどうしてしまったのですか。冒頭、副市長の御挨拶の中でもあったように、これまでの武蔵野市は行政も議会も一致して、住民参加で、住民福祉の向上のために力を合わせてきたから先進自治体としての今があるのだと思います。なぜ速やかに対応していただけないのでしょうか、御答弁を求めたいと思います。

 それと、先ほどちょっと言いそびれましたけれども、市が2月に多摩府中保健所に出された意見照会の中の、まさしく今の旅館・レンタルルーム規制条例の制定をしていることから、市の関係部署と早急に調整を図るよう要望されていますよね。この調整は終わっているのですか。事業者との調整が終わっているのなら、終わっている、どういうふうに終わったかということを言ってください。終わっていないのなら、いつやるのか、それをお聞かせいただきたいと思います。


○市 長(松下玲子君)  簡易宿所の旅館営業許可について危機意識がないのではないかとの御指摘でございますが、地域住民の方から非常に不安を感じられている、事業者の対応によってその不安がさらに増しているということを伺っておりますので、危機意識を持って、再度にわたって東京都多摩府中保健所長に対してお願い文をお送りした次第でございます。先ほど答弁の中で、現地には足を運んでいない旨はお伝えいたしました。実際には中を見ることはできないと聞いておりますので、外面についての確認をまだしてはおりませんでしたが、そのことをもって危機意識がないのではないかと思われるのは内山議員の思いであるかと思いますが、私自身は危機意識を持って、数度にわたりお願い文をお送りしております。

 条例の改正についてのスケジュール等、具体的な中身については副市長からお答えをいたします。


○副市長(恩田秀樹君)  お尋ねの条例の改正の件でございますけれども、現在、所管の防災安全部のほうで検討に入っているところでございます。内容的には、先ほど申しましたように、なかなか法令のほうが、基本的に保健所が許可権を持っている内容でございますので、それに関して、東京都が条例を今つくっている状況の中で、それに対しての、要するに許可権のない本市のほうがどれだけのことができるかというところの難しさがあるというふうに私は認識してございます。その中で、例えば行為として、法律に上乗せするような形ではないような形で、例えば住民説明ですとか、それからそういった内容を、近隣住民に対してどういう不安を与えないような事業者の、そういった責任を問うかというような内容について今精査しているところでございますので、これにつきましては今後よく詰めていきたいというふうに考えてございます。

 タイムスケジュール的には、6月議会、ここで上程は無理でございますので、近々の状況の中で対応したいと思っていますが、条例を改定するに当たりましては、市民の意見も聞いたりとか、そういったスケジュール感もありますので、できれば9月には上程したいというふうに思ってございますけれども、今後できるだけ速やかに対応したいと考えてございます。


○12番(内山さとこ君)  4回しか質問ができないので、ちょっと残念なのですけど、一番最初に東京都に意見照会をもらったときに言った、本市の条例に基づいて事業者との調整をし終わったのかどうかということを先ほど聞きました。それについてお答えがなかったので、お答えをお願いします。調整が終わっていないのであれば、それを求めるということがまず第一ではないのですか。住民への説明会が必要だという、それは当然ですけど、市、行政として、条例を持つ地方自治体の市長名で意見を出しているのだから、それが履行されないことについて何もやらないというのはおかしいのではないですか。事業者に対しても直接そういうコンタクトをとればいいではないですか。そういうことが、このまちでは良好な宿泊事業や旅館業法に基づく新たな宿泊事業が展開される、つまり、このまちは住民の皆さんも行政もきちんとそこの営業の状況を見守るところなのだなと、やりにくいなと、ここに進出するには決意が要るな、覚悟が要るな、そういうふうに思わせることが重要なのですよ。進出を排除してくれとか、事業者が不適格だと言ってくれとか、そういうことを私は言っているのではないのです。

 おととい、先ほど申し上げた、うちのパークタウン団地の防災訓練があったその夜、緊急でまた、先ほど言った緑懇話会、11団体の皆さんと集まりました。いろいろな御意見が出ました。心配な事業者だという御意見もありましたが、私、さすが武蔵野市民だなと思いました。反対だけしても仕方ないではないかと、もし許可されたら、その人たちがきちんと話し合いをして、きちんと利用者さんは利用してもらえるように事業者に、例えば商店会に加盟してもらうとか、武蔵野市の住民と一緒にイベントに参加してもらうとか、そういうことを求められるような何か方法はないのかと、そういう意見も出ました。私、すごいなと思って聞いていました。そういう住民たちの心配や不安、それと提案、こういったものをきちんと受けとめてもらいたい。

 もう1回質問できないので、続けて言ってしまいますけれども、その緑懇話会の中で、旅館・レンタルルーム規制条例の改正等、市がこれから何かやろうとしているのであったらば、ぜひ懇話会に来てお話をしてほしい、そういうことをしていただければ、行政としても頑張ってくれているのだなということがわかる。でも、今は何をやっているかわからない、そういうふうに言っていました。緑懇話会と、そういう、今回は個別案件ですけれども、武蔵野市内でこういった事案が発生した場合、きちんと対応していただけますか。その御答弁をお願いしたいと思います。できれば副市長には少なくとも来ていただきたいというふうな御要望がありました。

 それで、できれば9月議会に改正条例をというお話がありましたけど、できればではないのですよ、もう既に遅いのです。六日のアヤメ、十日の菊というではないですか。時期を過ぎてしまったら意味がないのですよ。速やかに対応していただきたい。台東区議会みたいに、私たちも、行政が言ってくれるのだったら、本会議休憩してでも委員会開く、そういう対応だってできるではないですか。御相談も何もないですよね、今まで。現地を見ていないから危機感がないと思われたくない、そのお気持ちはわかります。でも、やはりきょうの御答弁を聞いたら、住民は大変残念がると思います。速やかに対応していただきたいと思いますが、今度は答弁漏れのないように、全部答えてください。


○副市長(恩田秀樹君)  それでは、私のほうから、先ほど答弁漏れをしてしまいました2月27日に保健所宛てに出した要望書に関する関係部署との早急の調整ということと、それから、条例の速やかな対応ということに対しての答弁でございます。

 1点目につきましては、去る2月27日に出しました内容につきましては、本市においては現在のレンタルルーム規制条例があると、その中に、設置そのものについては、今回100平米未満なので基本的にはその条例の範疇外であるけれども、運営に関してはやはり若干のやりとりができるだろうというところもありましたので、そういう意味で市関係部署との早急に調整を図ることを要望しますという形での要請をここに書かせていただいております。その後の対応としましては、所管のほうから事業者に対して何度かやりとりをしていますので、その内容につきましては所管の部長からお答えさせていただきたいと思います。

 それから、条例につきましては、確かにまだ明らかにしていないところがありますので、早急にその辺については対応したいというふうに思ってございます。それから、先ほど来、内山議員から、地域のほうではこういう動きをしているという御紹介がありました。私のほうにはその辺の動きについてはいろいろと情報も入ってきていますので、よろしければ私も懇話会、そちらのほうに出向いて、今後の対応、それから皆さんとその辺についてやはりお話もさせていただきたいなというふうに思ってございます。


○防災安全部長(秋山真弘君)  こちらの申請業者の仲介している方に、こちらのほうからは住民と話し合いを持ってくれという話をいたしました。それから、こちらのほうでも保健所に、保健所からも業者に対して住民に十分説明するようにということで、4月の説明会が開かれたと理解しております。