2017.09.06 : 平成29年第3回定例会(第2号)

◯12番(内山さとこ君)  きょうのテーマは大きく2つに分けて、現在策定中の高齢者福祉計画・第7期介護保険事業計画についてと、それから市立小学校の学区域の変更について、2つのテーマで質問をいたします。
 2000年の地方分権一括法とともにスタートした介護保険制度は、分権自治の試金石と言われたものの、保険者が地域のニーズに応じてサービスの質と量を充足させようとすれば保険料に影響し、結果として被保険者の負担が重くなるという負のスパイラルが生じてしまいます。
 3年ごとの見直しのたびに保険料は上がり続け、制度開始当初、全国平均で2,911円だったものが、第6期には5,514円と2倍近くになっています。さらに第6期の見直しでは、応益負担の原則で制度設計された一律1割負担の利用料について、所得に応じて1割から2割、ついに第7期には、3割負担にまで拡大されることになりました。
 これまでの私たち議会や自治体、福祉関係者の意見や要望にもかかわらず、一体この先どこまで制度が改変されるのか、もはや2025年問題にとどまらない、その先も見据え、自治体は地域マネジメント力を磨き、福祉や医療関係者と連携、協力をして、この先どんな荒波が押し寄せようと、住民の福祉のために防波堤となる強い覚悟が必要です。

 まず、ひとり暮らしの高齢者について伺います。現在武蔵野市では、来年度からの高齢者福祉計画・第7期介護保険事業計画の策定が行われており、これに先立ちさまざまな実態調査が行われました。このうち独居高齢者実態調査では、調査対象者1万228人──これは住民基本台帳上ですが──に対して、ひとり暮らしであり訪問調査に協力すると答えた本調査の人数は1,352人、割合にして13.2%で、3年前の前回調査2,671人、28.3%に比べておよそ半分に激減しました。
 さかのぼって6年前の平成22年度調査でも、調査協力は2,326人、27.3%でしたから、今回は急激な落ち込みです。当然ながら調査辞退は前回の16.1%から26.7%へと10ポイント以上増加しています。この調査協力者数の激減と調査辞退の急増の原因についての見解をいただきたいと思います。

 2つ目に、在宅で暮らし続けるために独自の事業を行ってきた点について伺います。武蔵野市の地域包括ケア、まちぐるみの支え合いの仕組みづくりに向けて、在宅生活を支える介護人材を創出する認定ヘルパー制度、地域の共助により健康維持を促すいきいきサロン、在宅生活に重要な医療と介護の連携推進室などに取り組んできましたが、こうした市の独自事業についての現状と課題、今後の方向性を伺いたいと思います。

 次に、医療と介護の連携について2つ伺います。
 平成29年度版の「武蔵野の福祉」によれば、平成27年度に開始した訪問看護と介護の連携強化事業は、件数にして平成27年度が230件から、昨年度、平成28年度は297件、延べ交付件数では6,208件から8,196件へ増加しています。今後もますますニーズが高まると思われるこの事業についての実績、課題と今後のあり方を伺います。
 また、市内で在宅でのみとりまで行っている診療所は3軒と聞いています。在宅でのみとりをも含む訪問診療の現状と課題について伺います。

 次に5点目で、介護予防・日常生活支援総合事業について伺います。8月19日付の東京新聞によれば、総合事業に関する共同通信が行った調査で、回答のあった1,575自治体の実に45%が、総合事業の運営に苦慮しているという結果でした。理由として挙げられていたのは、最も多いのが、新たな担い手の確保が難しいという理由で49.5%です。
 介護保険制度の根幹を揺るがす大改変であった2014年の見直しにとどまらず、国は今後ますます制度維持のために、負担と給付のバランスの観点から見直しをしてくると予測されます。将来軽度の要介護者が給付対象から外れることも視野に入れ、自治体は総合事業を充実させていくために、人材の育成、マネジメント力がさらに必要となるでしょう。
 本市では、平成27年10月より他の自治体に先駆けて、要支援者の予防事業を市の介護予防・日常生活支援総合事業に移行しましたが、これについてのサービス評価、利用者の状況調査は行われているでしょうか、お尋ねいたします。

 次に、地域ケア会議に関して質問します。現在、市内6つの在宅介護・地域包括支援センターの日常生活圏域ごとに、地域ケア会議が行われています。同じく平成28年度「武蔵野の福祉」を見ますと、吉祥寺ナーシングホームのエリアでは、ケアマネジャーの参加が二、三名で、他のエリアに比べて極端に少ないように見受けられます。
 また、もともとエリアの人口が多い高齢者総合センター、ゆとりえ、桜堤ケアハウスの3つの日常生活圏域では、高齢者人口も多いわけですが、職員1人当たりの高齢者数が1,000人を超えています。今後各エリアの特性を生かし、地域ニーズを的確に把握して、多職種の連携を図っていくことが必要と考えます。各地域特性と課題、今後の展望を伺います。

 次に、認知症についてお尋ねします。先ほども認知症に関する一般質問があったところです。去る7月4日、「認知症になっても安心して過ごすために」と題した講座が、緑町パークタウン団地集会所で開かれました。最近物忘れがひどく、50歳代でも認知症は発症すると言われていますので、私自身も不安がよぎり、参加をしました。
 この企画は高齢者総合センターと団地自治会との共催で、当日のお話は東京慈恵会医科大学教授の繁田雅弘先生でした。大変わかりやすく、細かい質問にも丁寧に答えていただきました。いざというときに頼れる人を見つけておく、おかしいなと思ったらまずかかりつけ医に相談するなど、元気なうちに心がけておくべきことが何点かわかりました。
 当日は30名以上の参加者がありましたが、ひとり暮らしの女性の切実な相談もあり、中には、外出時にはいつ倒れてもいいように、バッグの中にエンディングノートや緊急連絡先、手づくりのSOSカードなど一式を用意しているという気丈な女性もいらっしゃいました。
 一方認知症の方を抱える家族にとっては大きな心配が、いわゆる徘回や火の不始末などです。先ほども紹介されていましたけれども、市の行った要介護高齢者・家族等介護者実態調査でも、在宅生活の継続が難しいと考えた理由の中で最も多いのが、徘回や火の不始末、介護への抵抗などの認知症状への対応への負担が大きくなったということで、40.3%を占めています。
 現在、市では専用端末機を貸与する事業を行っていますが、利用は毎年度十数件にとどまっており、果たしてニーズにマッチしているのか、検討が必要ではないでしょうか。認知症等高齢者の探索、発見について、新たな事業の導入可能性についてお尋ねいたします。

 8点目に、共助の居場所づくりについて伺います。市民社会福祉協議会の居場所事業は、身近な地域の居場所づくりを行う団体に、運営費と立ち上げ経費をあわせて、年間10万円を上限として補助するというものです。吉祥寺北町住宅街や緑町商店街などから始まったものと認識していますが、こうした自宅などを地域に開く、住み開きは、近所のおつき合いが希薄になった地域で、新たなつながりを結び直そうという試みとして、全国に広がっています。居場所事業といきいきサロンとのすみ分け、連携についてお尋ねいたします。

 次に、看護小規模多機能についての質問です。医療ニーズの高い高齢者や認知症の方が在宅で暮らし続けるために、アウトリーチ機能を備えた訪問看護ステーションがあれば、大きな安心感につながります。看護小規模多機能型居宅介護について、既存物件の活用、また新規設置など、それぞれのメリット、デメリット、今後の武蔵野市の見通しを伺います。

 大きな質問の最後、10点目ですが、介護サービスの水準と負担のあり方についてお尋ねします。第7期介護保険事業計画における介護サービスの水準と負担のあり方について、現在どのような検討がされているでしょうか。お答えいただける範囲で、ぜひ具体的な御答弁をお願いいたします。

 次に、もう一つの大きなテーマであります市立小学校の学区域変更についてのお尋ねです。
 8月2日の教育委員会定例会を傍聴させていただきました。この日は小学校の道徳の教科書の採択が行われたほか、市立小・中学校の児童生徒数増加への対応についての協議もありました。その中で大野田小学校と特別支援学級について学区変更案が示され、先日の文教委員会にも行政報告があったところです。当該学区の保護者、地域住民、関連団体等との意見交換の現状と課題について報告をいただきたいと思います。
 
2つ目に、過去に学区域が変更になった事例があれば、ぜひ理由、地域、その影響など、具体的事例を伺いたいと思います。

 3つ目に、学区域変更に関する今後のスケジュール、進め方をお示しください。
 最後に、大野田小学校の児童数増加に伴う対応策として、学区域の変更以外にも、必要な改修について外部委託により詳細な検討を進める、教育支援センターの校外への移転を検討するということが挙げられていますが、教育支援センターの移転と学校施設整備計画との関連について伺います。
 以上、壇上での一般質問といたします。


◯市 長(邑上守正君)  それでは、内山さとこ議員の一般質問にお答えしてまいります。前半の高齢者福祉計画、まだまだ変わる介護保険制度に関する御質問は私から、後半の学区域変更については教育長から答弁があります。
 まず、(1)高齢者福祉計画・介護保険事業計画についての1)点目で、独居高齢者実態調査に関するお尋ねでございます。
 御指摘のとおり、民生委員による訪問調査につきまして、過去の調査に比べて調査協力をされる方の辞退が大変ふえてきたということであります。25年度の調査では調査協力が2,671人、28.3%で、辞退が1,517人、16.1%でございましたが、今回は協力が1,352人、13.2%、辞退が2,735人、26.7%と、訪問調査への協力が減少する一方、辞退は増加している状況でございます。しかしながら辞退者のうち、緊急連絡先の情報提供をしていただいた方は1,943人、71%には上っているということでございます。
 市としましてもこの結果については分析する必要性を感じたことから、民生委員へのアンケート調査を実施したところ、辞退された理由として、既に民生委員と顔見知りの関係が築かれており、わざわざ訪問してもらうのは申しわけないとか、65歳を過ぎたばかりでは、まだまだ元気で仕事をされている方も多く、調査の必要性を感じていないなどが挙げられました。
 以上のことから市としても、民生委員のアンケート調査から浮き彫りとなった要因が調査結果にもあらわれたものと認識しておりますが、引き続き民生委員には、日ごろの活動の中でのフォローアップをお願いするとともに、民生委員からの聞き取りなどでさらなる原因の分析に努めていくべきと考えているところでございます。
 次に、2)として、独自事業について幾つかお尋ねいただきました。
 まず、いきいきサロンについてでございますが、昨年度、28年度の新規事業として7月から開始をしておりますが、地域住民団体などが運営主体となり、1年をたたずに、現在では17カ所で開設された状況でございます。近所、支え合い、健康づくりの場に対するニーズが高いこと、運営側となる地域福祉の人材が豊富であることが明らかになったと考えております。昨年度実施した高齢者の介護予防・日常生活アンケート調査から、いきいきサロンを利用したいなどのエビデンスが見えてきたことから、今後も市内全域で整備を推進していくべきと考えております。
 一方、住民による自主的な活動の場所の確保に課題があることから、これまでも市は、例えば都営住宅集会所を会場として使用できるよう、側面的な支援を行うとともに、市報やいきいきサロンのチラシなどで物件の提供を呼びかける取り組みも進めてきたところでございます。今後も市として対応可能な支援は行っていくべきと考えております。
 次に、医療・介護連携室についてのお尋ねでございます。平成27年度に介護保険法に位置づけられた在宅医療・介護連携推進事業に基づき、27年7月に、武蔵野市医師会館内に武蔵野市在宅医療介護連携支援室を設置し、医療と介護関係者の連携に関する相談に対応しているところでございます。
 現在策定中の高齢者福祉計画・第7期介護保険事業計画にかかわる調査として実施したケアマネジャーアンケート調査によりますと、25.8%のケアマネジャーが活用していると回答しており、相談実績も27年度121件、28年度180件と活用が進んでいると、このように認識してございます。
 課題としましては、さきの調査で支援室を知らないケアマネジャーが17.3%、活用していないと回答した者が51.6%ございますので、さらなるケアマネジャーへの周知が必要と考えております。また、医師、歯科医師、薬剤師など、医療従事者の利用を促す必要もあると、このように考えています。今後は市民からの相談対応も含めて、相談体制について検討していく必要があると考えております。
 次に、認定ヘルパー制度についてのお尋ねでございます。武蔵野市認定ヘルパーについては、これまで3回の養成研修を109名の方が受講され、107名が認定され、そのうち85名がホームヘルプセンター武蔵野(4名)、シルバー人材センター(81名)に登録されているところでございます。また、既に活動中の認定ヘルパーへのフォローアップ研修も、平成29年1月及び3月に実施し、59名が受講して、コンプライアンスや緊急時の対応などについて学んでいただいたところでございます。
 利用者については、平成29年6月実績で28名の高齢者が利用されておられます。現在の主な利用者は新規の総合事業対象者でございますが、今後利用がふえるものと見込んでいるところでございます。
 課題としては、養成研修を受講しても事業者への登録につながらないケースもあるため、今後は受け入れ機関の一つである福祉公社と連携しながら、研修修了者へ登録の勧奨を積極的に行っていく予定としてございます。
 一方で、認定ヘルパーとなった方がホームヘルプの仕事にやりがいを見出し、初任者研修を受けてプロのヘルパーになった例もあるため、キャリアアップのワンステップとしてもPRをしていきたいと、このように考えているところでございます。
 3)番目、訪問看護と介護の連携強化事業についてのお尋ねでございます。27年度より実施してございますが、医療と介護の連携を促進するための訪問看護事業者が、担当の居宅介護支援事業者、ケアマネジャーに対して医療情報を提供した場合に、連携費として利用者1人当たり月額1,500円を交付する事業でございます。29年4月利用分で、訪問看護全利用者786人のうち、739人が事業対象となっていることから、94%でございますが、事業の効果的な運用が図られていると考えております。
 今後、療養病床の廃止などで急増する医療ニーズの高い利用者の在宅生活を支える観点から、現行一律で交付しております連携費について、例えば利用者の急変時なども含めて、24時間対応可能な事業者へは手厚くするなどの、インセンティブを高めるような見直しの必要性を認識してございまして、高齢者福祉計画・第7期介護保険事業計画策定委員会での議論を注視していきたいと考えています。
 4番目、在宅でのみとりを含む訪問診療についてのお尋ねでございます。医療と介護の両方が必要な高齢者が住みなれた地域で生活するためには、みとりを含めた訪問診療を受けられることが重要であり、今後その需要は増加することが見込まれているところでございます。
 東京都地域医療構想では、北多摩南部保健医療圏の2025年の在宅医療等の推計値を示していますが、市町村別の数がないため、人口割合と介護保険の訪問看護利用者数等で推計すると、現在の約3倍の医療サービスが必要になると、このように推計をしているところでございます。
 みとりも含め在宅療養を続けるためには、訪問診療だけでなく、訪問看護や訪問介護など、状態に応じたさまざまなサービスの提供が必要となると考えています。現在、高齢者福祉計画・第7期介護保険事業計画策定委員会において、療養病床の廃止などに伴う医療と介護の複合的な課題のある高齢者を支える新しいサービスの整備に関しても、議論をいただいているところです。
 市としては、今後増加する医療と介護需要に対応できるよう、訪問診療医、訪問看護師などの確保について、医師会などを初めとする関係機関と協議をしていく必要があると、このように認識をしてございます。
 次に5)として、介護予防・日常生活支援事業の評価、利用者の状況調査についてでございます。総合事業につきましては平成27年10月より開始をし、介護予防訪問介護及び介護予防通所介護──デイサービスのことでございます──の利用者の要支援認定の更新時期にあわせて順調に移行し、平成28年9月で移行を完了しております。
 総合事業の利用状況としましては、29年5月実績で、訪問型サービスは128名、通所型サービスは245名でございますが、訪問型サービスのうち28名が、市独自の認定ヘルパーによるいきいき支え合いヘルパーを利用されているところでございます。現在の主な利用者は新規の総合事業対象者でございますが、今後利用はふえる見込みとしているところでございます。
 武蔵野市認定ヘルパー制度の創設によって、既存の介護保険事業者の専門職だけでなく、地域住民もサービス提供に参画できるようにすることで、武蔵野市における介護人材の裾野が広がり、より幅の広い地域包括ケアの体制づくりが進みつつあると、このように考えています。
 利用者については、総合事業利用の場合は、市独自に改変した支援計画様式を用いてセルフマネジメントを推進する観点から、現状や目標などについて本人記入欄を設け、6カ月後に評価をしてございます。これにより、利用者が主体的に介護予防に取り組める効果があると考えています。
 また、市及び各在宅介護・地域包括支援センターに配置した生活支援コーディネーターを中心として、いきいきサロンなどの地域住民の自主運営による集いの場などを支援することで、地域の共助による取り組みが広がっていると、このように考えています。
 6点目、6圏域の地域ケア会議の各地域特性と課題、展望についてでございます。武蔵野市では平成13年度より、毎月在宅介護支援センター──当時のものでございますが──のエリアごとにケアマネジャーが集まり、個別の事例検討などを行う、地区別ケース検討会を行ってまいりました。
 平成26年度より、そのうち数回を地域の民生委員や地域社協、医師などにも参加を拡大し、エリア別地域ケア会議として、認知症への支援、通いの場づくりなどをテーマに、定期的に開催をしているところでございます。28年度からは、事例を通じた多職種協働による個別の利用者支援を目的とした個別地域ケア会議を行い、具体的な事例の解決と地域課題の積み上げに注力しているところでございます。
 さらに全市的なレベルでは、在宅医療・介護連携推進協議会を全市地域ケア会議と位置づけて、多職種連携により全市的な課題の把握と対応の検討を行っているところでございます。平成28年度は6つの在宅介護・地域包括支援センターで合計8回の地域ケア会議を行い、延べ347人が参加しているところでございます。
 地域特性については、各エリアの中でも各まちによって課題や地域資源が異なるため、現在はまち別に順次開催し、地域の関係者の顔の見える関係づくりが進んできた状況にございますが、各地域共通の課題としては、認知症高齢者への対応、支援と認識をしてございます。地域ケア会議の課題としては、個別ケア会議の充実のための事務作業の効率化や体制強化と考えております。
 今後の方向性としましては、これまで築き上げた地域のネットワークを活用しながら、多職種の専門性と地域住民の力を集結し、介護保険のサービス担当者会議では解決が難しいケースなどについて課題解決を図っていきたいと、このように考えているところでございます。
 7番目、認知症等高齢者の探索、発見、新たな事業の導入可能性についてのお尋ねでございます。現在、認知症等の高齢者の探索、発見については、認知症高齢者にGPSを貸し出し、徘回時に探索と、必要に応じて本人の保護を行うサービスを提供しているところでございます。平成29年3月末現在で17件利用いただいているところでございます。
 また、行方不明時の捜査、探索につきましては、東京都の行方不明認知症高齢者等情報共有サイトを活用しており、市内で高齢者が徘回などにより行方不明になった場合、御家族からの同意があれば、都内及び近隣の自治体が利用可能なクローズドされたシステムに情報を入力すると、各自治体に情報掲載された旨がメールで通知されることになります。御家族には、あわせて警察への届け出もお願いしているところでございます。
 昨年度、要介護1から5の在宅の方及び介護者に対して実施した要介護高齢者・家族等介護者実態調査では、主な介護者が不安に感じる介護として、認知症状への対応の回答が多かった状況でございます。現在の徘回探索サービスについては、機器の大きさなどの課題もあるため、より認知症高齢者や家族にとって効果が高く、安心して利用できる支援方法についても研究すべきと考えております。
 次、8番目、社協の居場所事業といきいきサロンとのすみ分けについてのお尋ねでございます。いきいきサロンは単なる居場所ではなくて、目的を持った通いの場として位置づけをしてございます。週1回以上2時間程度開催する、介護予防や認知症予防のプログラムを実施する、無断欠席者には電話による安否確認を行うなど、そこが市民社協の実施する居場所事業と決定的に異なるところでございまして、役割の違いと認識をしてございます。
 両事業とも、現状では連携するまでに至ってございませんが、市民社協の居場所事業を運営する団体が自信をつけ、いきいきサロンにステップアップすることを希望した場合は、市として支援をしていきたいと考えているところでございます。
 次に9番目、看護小規模多機能型居宅介護についてのお尋ねでございます。24年度の制度改正で新たに創設されたサービスでございまして、従来の通い、泊まり、訪問のサービスを提供する小規模多機能型居宅介護に訪問看護を加えて、医療と介護を柔軟に組み合わせて提供するものでございます。
 既存物件の活用については、設備基準を満たした物件が見つかればスムーズに事業を開始できますが、例えば宿泊室は基準上、個室で7.43平米以上必要でございまして、定員も最大9名でございます。さらにそこで通いのサービスも提供するとなりますと、既存物件を活用しての開設はかなり困難が伴うものと考えております。
 新規設置の場合は事業者の採算性などに合わせた施設の設計が可能であるものの、適切な土地が果たして見つかるのか、また事業者が支払い可能な価格帯なのかどうかも課題となると考えています。
 本市の第7期介護保険事業計画期間における施設整備の方向性については、現在策定委員会において議論途上でございますが、仮に看護小規模多機能型居宅介護を整備していくこととなれば、既存物件の活用と新規設置の両方の可能性を視野に入れながら、参入を希望する事業者と協議をしていくべきと考えているところでございます。
 10番目でございます。介護サービスの水準と負担のあり方ということでございますが、8月24日に開催いたしました第4回目の計画策定委員会において、これまでの議論を踏まえて、事務局案として3パターンをお示ししたところでございます。パターン1としては、現行の居宅サービス水準を維持、拡充し、介護老人保健施設を新たに1施設整備するパターン、パターン2は、今のパターン1に加えて、看護小規模多機能型居宅介護事業所を1~3事業所整備し、さらに小規模特別養護老人ホームを1施設整備するパターンでございます。パターン3は、パターン2にさらに加えて、認知症グループホームや有料老人ホームを整備するものでございます。
 3つのパターンを例としてお示ししましたけれども、今後、保険料とのバランスに配慮した施設整備の詳細を検討した上で、策定委員会でのさらなる議論を注視してまいりたい、このように考えているところでございます。
 私からは以上でございます。


◯教育長(宮崎活志君)  それでは私からは、内山議員の質問の2番目、市立小学校の学区域変更についてお答えをしたいと思います。
 まず、大野田小学校の学区域変更と特別支援学級の学区域変更について、保護者や地域住民、関連団体等との意見交換の現状と課題についてでございます。大野田小学校は、今後9年から10年で200人以上の児童数の増加が見込まれておりまして、それは大変うれしいことではございますが、その対応に努めているところでございます。
 大野田小学校と特別支援学級の学区域変更につきましては、内山議員も傍聴していただいたとのことでしたが、8月2日の教育委員会定例会におきまして変更案について協議を行い、8月21日に文教委員会に行政報告をいたしました。この翌日の8月22日以降、PTA、青少協、福祉の会、自主防災組織、商店会、幼稚園など関連団体に順次説明し、意見を伺っているところです。
 大野田小学校につきましては、通学距離による指定校変更の見直し、校舎の増築などの対策を行ってきましたが、平成29年3月に行った児童生徒数の推計や学童クラブの入会率の上昇なども考慮すると、なお教室スペースの不足が見込まれること、教育委員会としては、学区の全ての児童を受け入れる教室数を確保する責務があることを丁寧にお伝えしております。
 学区変更の必要性については一定の理解をいただいていますが、課題としては、PTAの地区班編制の見直しの必要があることや、特別支援学級については通学距離が長くなる区域が生じることが挙げられます。
 なお、青少協や福祉の会、自主防災組織など、学区を基本に地域活動を行っている団体については、今後とも十分に御理解いただけるよう努めてまいります。
 次に2番目で、過去の学区域変更に関する具体的事例についてということでございます。お答えいたします。
 従来新たに学校や特別支援学級を設置する際に学区変更を行ってまいりました。そのほかの事例といたしましては、昭和41年に大野田小学校の一部を千川小学校へという変更を行いました。この41年の変更では、在校生にも協力していただいたと聞いておりますけれども、今回はそういうことがないよう十分に計画しているところでございます。また、平成8年に桜堤小学校と境北小学校を統合した桜野小学校を設置した際に、学区変更を行いました。
 3点目でございますが、学区域変更に関する今後のスケジュール、進め方についてお答えをいたします。9月8日の教育委員会定例会におきまして、学区域変更について議案として審議を行います。議決された場合は、引き続きPTAや関係団体に説明を行うとともに、9月下旬に市立小・中学校児童生徒の保護者、幼稚園、保育園の園児の保護者、そして緑町の変更区域にお住まいの未就学児童の保護者を対象に、学区変更方針についてのお知らせをいたします。
 10月には市報やホームページによりさらに周知し、10月中旬以降、大野田小学校と千川小学校におきまして、学区変更方針についての説明会を行うことを予定しております。また、特別支援学級児童の保護者を対象とした説明会や、就学相談の中での説明も行ってまいります。
 次に、最後、4点目でございますが、教育支援センターの移転など、学校施設整備基本計画との関連についてお答えをいたします。学校施設の整備に当たりましては、現在の学区を基本に考えますが、教育活動を十分に行うための校地を確保できない場合や、適正な学校規模を維持できない場合は、学区の見直しを行うことを検討いたします。
 大野田小学校につきましては、児童の増加に伴い、普通教室に加えて特別教室や学童クラブのスペースの不足も見込まれております。その対応策として、教育支援センターにつきましても、教育相談やチャレンジルームの今後の望ましい展開も見据えて、平成32年度末までの外部への移転を想定しております。
 なお、児童の大幅な増加が見込まれる井之頭小学校につきましては、平成30年度に学区変更や校舎改築を含めて必要な検討をしてまいります。
 以上でございます。


◯12番(内山さとこ君)  御答弁ありがとうございました。先に教育長からお答えのあった学区域の変更について、特に大野田小学校のことでお尋ねをしたいと思います。
 御答弁の中で、地域のPTA、福祉の会、青少協や防災の関係者等に説明をしていただいているということですが、2つ伺います。全ての関係団体に説明が終わっているのかと、一定の理解を得られているとありましたが、一定の理解というのは、どこのどなたがどういう理解をされたのかということをお聞かせいただきたいと思います。
 余りこの件で怒りたくないのですけれども、やはり地域の方々から私が聞いている声は、大変厳しいものがあります。8月の教育委員会定例会で協議事項となったものが、1カ月後の9月の教育委員会で決定されては困ります。困る理由を今から幾つか申し上げます。地域の方のお声ですので、ぜひ受けとめていただきたいと思います。
 今年度、4教室分の校舎を増築中だが、なぜもっと教室数を確保できる増築をしなかったのか。建てかえ時に仮設校舎を建てた学校敷地の北西側に6教室から8教室分を確保すれば、児童数増加に対応できたではないか。学区域変更を前提とした4教室のみの増築工事だったのなら許せない。地域に話をして意見を聞くつもりがあるのか。今回の校舎増築の際にも、10年で児童数がまた減少するならプレハブ校舎で済むのではないかと意見が出ていた。15年前の改築計画のときにもPTAの意見も地域住民の意見も一切聞き入れなかった。その結果今回のようなコミュニティを分断するような案が出てきている。地域は何度も煮え湯を飲まされてきた。校舎は増築する、普通教室への改修はする、教育支援センターは外部移転する、それでも不足で学区域を変更するとは、どれだけ先を読み間違えていたのか。説明をしたから済むと思ったら大間違い。教育委員会は拙速な決定をしないでもらいたい。大野田地域福祉の会のエリアはほぼ大野田小学校学区域と同一である。地域福祉の会のエリア変更もするというのかというようなお声が寄せられておりますので、この点についてお答えをいただきたいと思います。


◯教育長(宮崎活志君)  今、内山議員のほうから、この説明がどの程度進んで、全て終わったのかということでございますが、まだ途中でございます。日程的にそんなにまだ時間がたっておりませんので、順次進めてはおりますけれども、まだ全部終わっているという状態ではございません。一定の理解とはどういうことかということは、つまり学区域変更ということについて、児童数がこれだけ増えるという見通しと、そして、それに対応して学校が適正な教室構成等を維持しなければいけないということから、この学区域の変更といったものも一つの方策として示さなければならないということについて、それはそういうこともあるだろうということは、御理解はいただいたというふうに聞いているところでございます。
 そして、その他、今たくさん御紹介いただきましたけれども、例えば、その4教室分の増築、その見通しがどうだったのだということでございますけれども、現在、これは大野田小学校以外の、先ほど答弁の中で、最後に、例えば井之頭小学校は、それより超えてさらに大きな児童数増なども見込まれておりまして、こうしたことも含めて、今後、非常に急展開している児童生徒の、中学校のほうはもともとキャパが大きいので余り問題は顕在化しておりませんけれども、小学校につきましては児童数の増をどのように受けとめるかということを、さまざま検討しているところでございます。それが結果的に、例えばプレハブでいいのかとか、いや、プレハブはなるべく避けて、例えば校地の運動できる範囲を維持しながらとか、実はいろいろな観点が入ってまいりますので、そうした観点をそれぞれから見て検討を進めていく、多角的に検討するということが大切だというふうに考えているところでございます。
 そして、例えば、福祉の会などのエリアも変更しなければいけないのかということでございましたけれども、私どもとしては、基本的には学校教育の水準の維持といったものを一番最初に考えて進めているところでございますが、ただ、地域社会がこれまで学校をそうして支えていただいて、内と外から学校というものを維持してきたというところがございますので、そうした方々の御意見を伺ったり、何かそれに対応できることを考えていこうとか、そういったことは進めていきたいというふうに考えているところでございます。ただ、ある程度急増してくる子どもたちへの対策といったものには時間的なリミットもあったりしますので、そういったものも含めて、その中で対応できる方策というものを、かなりいろいろと知恵を絞って考えているところでございます。それが実情でございます。


◯12番(内山さとこ君)  本会議場ですので、余り細かいお話まではするつもりはありませんが、どうしても言っておかなければいけないことは1つです。コミュニティの核である小学校の学区域を変更するということは、在校生児童や保護者のみならず、地域の皆様の生活、コミュニティの大問題になります。決して拙速な決定をされないよう、教育委員の皆様にはしっかりと地域の意見を直接聞いていただいた上で、本当に必要であれば最低限度にとどめるように、しかも、時間的にもしっかりと余裕を持って進めていただかなければ──私が言っているのではありませんよ、地域の皆様は納得されません。ぜひ、9月の定例会で決定するということはないようにお願いいたします。
 それでもう一つ、前段の福祉関係についての再質問をさせていただきます。
 まず、ひとり暮らしの高齢者の調査の件ですが、問題に感じて訪問した民生委員の方にも、きちんと追跡調査をしていただいたということで、よかったと思います。ただ、その中で、確かに負担になるからいいよとおっしゃる気持ちもわかるのですけれども、訪問して対面で調査するという武蔵野市の独居高齢者調査は大変きめ細やかで評価できる調査です。
 主に3つの点で重要と考えています。第1は、計画策定のための実態を把握するという目的ですけれども、何よりも訪問した民生委員さんが地域の高齢者の暮らしやニーズをダイレクトにつかめるということです。そしてもう一つは、ともすれば一日中誰とも話さず、外にも出ないで毎日暮らしてしまうひとり暮らしの方にとって、訪問調査というのは外部の方とのコミュニケーションの機会であり、情報を得る貴重な機会になっています。ぜひ、辞退する意思のかたい方に強要することはできないけれども、今指摘したような重要な役割があるという点を踏まえていただいて、今後も訪問調査を丁寧に行っていただきたい。そこから見えてくる課題や新たなニーズが必ず出てくると思います。こうした訪問の調査というのは、福祉のアウトリーチの基本、基礎だと思っています。これをしっかりとやっていけば、やはり福祉の武蔵野だねと言われるような施策の展開が期待できると思っていますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 それから、在宅で暮らし続けるための独自の事業を武蔵野が編み出してきていることは大変高く評価されています。他の自治体にも学ばれていることと思います。壇上で申し上げたように、今後、地域福祉の裾野、介護人材を育てていくということがさらに必要になっていきます。ヘルパーですとかナースですとか、そういった潜在している専門職の方がいらっしゃると思うのです。ぜひそういった掘り起こしも今後していただいて、人材の育成を行っていっていただきたいというふうに思っています。
 それから、医療と介護の連携に関してなのですけれども、昨年の12月に、ちょっと私ごとになりますけれども、相次いで80代のお父様を亡くされた親しい友人がいまして、お二人とも大変悲しい思いをされたのですけれども、最期のときまで一緒にいられた、やれるべきことはやり切ったというような、ある種の充実感のようなものがにじみ出ていました。やはり御家族の負担をなるべく和らげてでも在宅でその人らしい暮らしを全うさせてあげられたら、本当に御本人にとっても、家族にとっても幸せなことだと思っていますので、今後、看護小規模多機能というふうな検討も、今、策定の中で行われているということですけれども、医療と介護の連携、これについては特に力を尽くしていただいて、医療関係者の皆様にもさらなる御協力をお願いしたいと思っていますが、この点についてはいかがでしょうか。
 それと、地域ケア会議のことでお尋ねしますが、以前、数年前に質問したときにも日常生活圏域ごとの特性について触れたかと思います。そのときは高齢者総合センターの職員の人材をもっとふやしてほしいというふうにお願いして、その後、専門職がふえたということで大変評価しております。今回申し上げたように、今言った高齢者総合センターだけではなくて、ゆとりえ、桜堤ケアハウス、こちらでも職員1人当たりの高齢者数、担当が1,000人を超えているのです。この点について、今後何らかの検討が必要なのではないかというふうに考えています。そして特に気になっていますのが、桜堤ケアハウスと高齢者総合センターの圏域では、高齢者の生活保護受給者数が大変多いということが示されています。人数では300人近い。高齢者で生活保護受給者が300人近いのです。率にして3.4から4.5%で、他の圏域に比べて約3倍です。生活福祉課に高齢者福祉や介護保険制度に精通した専門員を置くなど、地域の実態を把握した上での対応が、今後、重要となってくると思いますが、この点についても御答弁をお願いしたいと思います。
 それと、認知症の高齢者のことで伺いますが、最近、地方の都市などでは民間が開発したスマートフォンを利用した探索システムというのを導入する例がふえております。都内の江戸川区では、ただいまプロジェクトという地域住民の協力により、行方不明やトラブルを防ぐ見守り、保護システムを試験的に導入したということです。こうした地域住民や福祉の関係者による見守りを一歩進めた仕組みは、行政が直接行うにはなじまない事業であります。武蔵野市では、地域福祉のコーディネートを主な事業としている市民社会福祉協議会があるわけですから、ぜひ市民社協でこういった取り組みを進めていただきたいと思います。
 特に、こういう認知症の方が外出されることへの見守りですとか、探索ということを警察にすぐに頼むというのはなかなか気が引けると。疲れ果てるまで御家族で探し回るということがあるわけです。かといって、税金を投入したフォーマルなサービスで担い切れるかといえば、それはやはり限界があると思っています。インフォーマルなサポートを共助のシステムとして構築していくということが、今後求められていると思っていますので、ぜひこの点についても御対応いただければと思っています。
 それから、ちょっと市民社協のことで言えば、居場所の件といきいきサロンの件で、確かにそれは目的と効果が違ってくると思っているのですけれども、いきいきサロンについてはややハードルが高いということで、一歩踏み出せないという地域の方の声を聞いています。ぜひ、もう少しハードルを下げた形でできないか。特に安否確認の責任が重いということと、毎週欠かさずということが、なかなか共助の仕組みとしては厳しいものがあるというお声が出ていますので、その点についても、ぜひもう一歩の検討をお願いしたいと思っています。
 それと再質問のもう一点で、高齢者の介護予防・日常生活アンケートでは、生活費の支出項目で最も多いのが年金でした。85.3%。複数回答ですが、次いで、預金・貯金が35.4%です。つまり、年金に頼る生活だけれども、足りない分は預貯金を取り崩している方が多いのではないかと推察されるわけです。暮らしの状況を経済的に見て、苦しいとやや苦しい、両方合わせた数字は約4分の1になっていまして、半数以上は普通と答えていますが、今後、介護、医療にかかる支出が増えれば、年金に頼る生活が破綻しかねないという、私は非常に心配をしております。
 近くに住む90歳を超えるひとり暮らしの女性の方からも、最近さまざまな御相談を寄せられておりまして、お話を聞いていく中で思ったのですが、健康を維持するのにお金をかけながら、太極拳ですとか体操に取り組んでいると。その上、介護保険の保険料を払い、その上、福祉公社に月々5,000円を払っていくことはできないと。できれば保険料の負担をもう少し下げてもらえないだろうかというお声が出ています。当然ですよね。90歳を超えて、元気で、自分の自助努力で頑張ってきているのに、この先まだ介護保険の保険料を負担しなければいけないのか。できれば、保険システムですので、なかなか制度全体を動かすことは難しいですけれども、例えば、お誕生月にお祝いとして若干のプレゼント、キャッシュバックとなるかわかりませんけれども、そういったものを考える独自の取り組みがあってもいいのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。


◯市 長(邑上守正君)  それでは、たくさん再質問をいただきましたが、順次お答えをし、また、必要があれば部長のほうから答弁の補足をさせます。
 まず、民生委員が直接高齢者宅に行って聞くという意義が、単なるそのアンケートで統計をとる以上にさまざまな効果があるという御指摘はもっともだと思っています。例えば一方で、赤十字奉仕団の皆様方が友愛訪問で75歳以上の全宅を訪問いただいていることも、これは単に御案内を差し上げるだけではなくて、さまざまな福祉にもつなげられるのではないかというふうに思っておりますので、直接会うということは、さまざまな効果を生むのではないかというふうに思いますので、アンケート調査の統計データをとる以上に、そのようなコミュニケーションを育むような、そんな武蔵野独自のアンケートのやり方があるのではないかというふうに思っておりますので、今後もこのような形で継続をしていければというふうに思っています。
 それから、在宅支援を進めるためには、確かに専門家のヘルパー、ナースが足りていないということもあって、市内でも大いに潜在的なそういう方々がいらっしゃると、その方々の掘り起こしも必要ですし、新たな人材育成、武蔵野市的なヘルパーの育成もしておりますけれども、そういうこともあわせて必要だというふうに思いますし、ケアリンピックもそのような趣旨で、大いに福祉人材を発掘しようといったようなことも掲げての事業でございますので、このような啓発活動をしながら介護福祉人材の掘り起こし、確保に努めていくべきではないかなと思っています。
 医療と介護につきましても、このところ、さまざまな連携をしているところでございます。とりわけ医師会の皆様方におかれましては、福祉に対する関心を大変いただいていること、それから、在宅医療についての極めて取り組みをいただいていることもございますので、今後施設を増やすということだけではなくて、必要な在宅介護等に、必要な医療と介護、福祉の連携の仕組みということをますます充実していくことが必要であるというふうに考えております。
 それから、行方不明となられるような徘回される方を見守っていくという取り組みも、これはもちろんいろいろな機器が出ておりますけれども、地域のネットワークということも大切ではないかなというふうに思います。いざというときにその現場に駆けつけていけるような、あるいは日ごろから地域で目配りをいただけるような、そんなネットワークが必要かなというふうに思いますし、地域のそういうネットワーク化を進める上では、地域福祉の会の取り組みもやり方の一つではないかなというふうに思っております。
 いきいきサロンは、現時点ではスタートして1年余りたちましたけれども、大変関心を持って展開をいただいている途上だというふうに思っています。今の制度は制度として、ぜひ拡充をすべきだと思いますが、いきいきサロンまではなかなかハードルが高いよという方々に対しましては、さまざまな介護の予防の取り組みの方法の支援だとか、そういうパート、パートの支援の仕方もあるのではないかというふうに思っております。
 年金暮らしの方の生活が大変ということは承知してございますが、さまざまなこれからの支援がどのような形で可能なのかについては、今後の課題というふうに認識をしているところでございます。


◯12番(内山さとこ君)  先ほど、桜堤ケアハウスと高齢者総合センターのエリアで、高齢で生活保護の方が多いという話をしました。ぜひそれについての検討をしていただきたいのですがというふうにお願いしたのですけれども、生活福祉課の中に高齢者福祉や介護保険制度に精通した専門員を置くとか、そこら辺をきちんと連携して、チームで対応できるようにしていただきたいというふうに思っています。お答えをぜひいただきたいです。
 それから、ヘルパーさんですとかナースですとか、潜在的なと言いましたが、実は私も、随分昔にいただいた証明書があったのですが、名前の記載事項に変更があったので、先日、邑上守正市長の在任中に再発行していただきまして、私も市長と同じく、今後第2の人生を考える上で役立てるかなというふうに眺めております。ありがとうございました。いただきました。ぜひ、こういった技術や経験を埋もれさせている方、私は余り経験がありませんけれども、いるかもしれませんので、そういった人材も開拓していただきたいと思っていますので、お答えをお願いします。


◯健康福祉部長(笹井 肇君)  今、2点ほど御質問いただきましたので、お答えをいたします。
 まず1番目の、生活保護行政と高齢・介護行政に精通した人材の育成ということでございますが、現在の生活福祉課の相談を担当している係長、あるいはスーパーバイズを担当としている係長、それぞれ高齢者福祉課、介護保険課出身の係長クラスでございますので、高齢・介護分野に精通したスーパーバイザー、あるいは相談員がケースワーカーとチームを組んで連携をする。まず課内で連携をする。それ以上に、また、常に生活福祉を必要とされる高齢者の家族というのは、ややもすると複合的な課題が多いですので、そういう意味では高齢者支援課、あるいは地域包括支援センターと、生活福祉課のケースワーカーの連携というのは日常的に必要になってくるだろうということで、それぞれ随時連携をしているところでございます。
 2点目の潜在的なヘルパーさんと言いますか、内山議員のような第一線を退いて、しかし資格をお持ちの方につきましては、前回の策定委員会でも第7期介護保険事業計画の大きな重点的な課題の一つは、高齢者を支える人材の確保・育成というところで御議論をいただきまして、そういう潜在的な有資格者の人材バンク的なものをつくって、ぜひ内山議員にもバンクに登録していただいて、今後介護ニーズが拡大するときにはお声かけをしていただきながら、潜在的な人材を掘り起こして──当然、再研修が必要だと思うのです。何年間も第一線から離れた方をいきなりということはございませんので、そういう人材バンク的なことも議論されておりますので、もう少し策定委員会での議論で、そこら辺を重点的に議論をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。