○議 長(深沢達也君)  次に、オバマ大統領広島訪問、公共課題の解決に向けた図書館の活用等について、12番内山さとこ君。

○12番(内山さとこ君) 今回は大きく2つのテーマで質問いたします。

 去る5月27日、オバマ大統領の歴史的と言われる被爆地、広島訪問が実現しました。7年前、チェコのプラハ演説で核なき世界を目指すと宣言し、ノーベル平和賞を受賞したオバマ大統領に、広島を、長崎を訪れてほしいと要請してきた被爆者の願いがようやくかなった形です。歴史を語り継ぎ、平和な社会を構築する上で、場所性、この持つ意味について認識を新たにして、今回、1つ目のテーマといたしました。

 訪問に際してさまざまな意見があることは承知しています。ほかならぬ原子爆弾が投下された爆心地をアメリカ合衆国大統領がみずからの足で踏み、目で見て、声なき声に耳を傾けたこと、まさにそのことに大きな意味があると考えます。約17分間に及んだオバマ大統領の演説には日本中が注目しました。けれども、100万言の言葉を尽くすよりも、もっと心に残ったのは、演説を終えて歩み寄った被爆者代表との笑顔、握手、抱擁だったのではないでしょうか。

 御年91歳の日本原水爆被害者団体協議会の代表委員である坪井直さんは、右手で大統領の手を握り、しっかりと目と目を合わせて、終始にこやかに会話されていました。報道によれば、大統領の任期を終えても、核なき世界の実現に一緒に取り組みましょう、そう呼びかけたそうです。続いて言葉を交わしたのは、捕虜の身で被爆し亡くなったアメリカ兵12人の身元調査に尽力された森重昭さんでした。感きわまった森さんを抱き寄せ、互いに身を寄せ合う2人の姿は、国と国を越え、同じ人間として、二度と愚かな戦禍を繰り返すまい、そう誓うメッセージとして人々の記憶にとどめられることでしょう。その広島平和記念公園での式典には、被爆自治体の長である松井一實広島市長と田上富久長崎市長も参列されました。

 そこでまず、世界に向けて、自治体から、武蔵野から平和を発信しようと平和施策に重きを置いている邑上市長に、今回のオバマ大統領の広島訪問に関する所感をお聞かせいただきたいと思います。被爆者の方々の平均年齢は80歳を超えたということです。武蔵野市在住、近隣の被爆者の方々について、現状を市は把握しているでしょうか。また、非核平和事業などを含め、核なき世界を目指す取り組みについて伺います。

 次に、歴史を語り継ぐ上での都立武蔵野中央公園に関して3点伺います。

 同公園の拡張に関しては、今年度、造成工事が開始されることとなりました。武蔵野の地が空襲を受けた目標とされた中島飛行機武蔵製作所の跡地に開園したという経緯から、かねてより平和を願うさまざまな活動に欠かせないシンボリックな場所であることは御承知のとおりです。さらに今回、同製作所の変電室跡と言われた建物が取り壊され、公園が拡張されることから、市民、行政ともに平和を祈念する場所としてのしつらえを望んできたところです。都の整備方針にこうした市民と市の意見反映がされているのか、大きな関心事です。この間、要請している内容に対する都の対応、そして市民意見を踏まえた整備予定などについてお示しください。

 1944年の11月から空襲を受けた後も、およそ70年にわたって緑町都営住宅の住宅内道路の真ん中で生き続けてきたシラカシの木が、倒木の危険があることから伐採されました。しかし、その種から育ったシラカシの二世が、現在、都営住宅の旧自治会事務所わきで成長しています。空襲の記録を伝え、平和を祈るシンボルツリーとして、公園内の仮称・平和広場に移植するべきと考えますが、御所見を伺います。

 3つ目は、子どもたちとともに平和を育む公園づくりの提案です。墨田区の東京都立横網町公園内の東京空襲犠牲者を慰霊し平和を祈念する碑の花壇がことしも5月の連休前に植えかえられました。今回は墨田区立曳舟小学校の児童の作品です。同碑は、都内の児童生徒から春夏秋冬の花壇のデザインを募集し、四季折々の花で彩られています。単なる構築物を立てて終わるのではなく、歴史を語り継ぎ、子どもたちに平和な社会を手渡そうという持続可能な意義ある事業であると考え、以前も御紹介しました。

 そこで、ここ武蔵野中央公園は、多摩地域で初めて空襲を受けた場所であり、その場所性から同趣旨の事業を行う価値があると考えます。児童生徒が地域や歴史について学び、市民性を養う教材にもなることから、市内の小・中学生からデザイン案を募り、公園の仮称・平和広場、または市有地である公園南側入口などの植栽管理に生かすよう検討、提案してはいかがでしょうか。積極的な取り組みを期待するものです。

 後半は、もう1つのテーマ、公共課題の解決に取り組む図書館、新たな自分と社会との関係づくりについて質問いたします。

 ことし3月、これからの図書館のあり方を考える上で大変示唆に富む学習会が相次いで開かれました。東洋大学客員教授である南学さんが講師のセミナーでは、日本でイメージする図書館とは施設管理方法が大きく異なる海外事例が数多く紹介されました。台湾では空港内や駅構内に智慧図書館というセルフサービスの無人図書館が置かれたり、世界初の24時間開館の新北市立図書館に半年で100万人が来館したりと話題になっているほか、韓国では紙の本がない国立デジタル図書館までできているそうです。

 また一方、沖縄国際大学の山口真也さんが講師となった学習会では、ドヤ街と呼ばれた東京山谷地区と大阪釜ヶ崎地区の図書館についてのフィールドワーク、利用者とのかかわりなどの調査結果が報告されました。図書館の自由に関する宣言は、知る自由の保障や検閲に対する毅然とした内容で有名ですが、中でも、全ての国民は図書館利用に公平な権利を持っており、人種、身上、性別、年齢や、その置かれている状況によっていかなる差別もあってはならないとうたわれています。こうした図書館の自由に照らして、生活困窮者などに寄り添う図書館の力が提起されました。

 この学習会では、国内外の興味深い事例が幾つも紹介されています。世界最大の図書館であるアメリカ議会図書館を有するアメリカでは、小学校から大学まで図書館が中心的役割を果たし、アメリカ図書館協会の図書館に関する権利宣言があることで知られています。ダラス市立図書館では、Homeless Engagement and Leadership Programの頭文字を取ったHELPデスクというコーナーがあり、利用者の生活にかかわる相談を受けています。またサンフランシスコ市立図書館では、精神保健のソーシャルワーカーが常駐しており、利用者への情報提供、医療や住宅支援へつなぐ役割を果たしているほか、元ホームレスの利用者が協力員スタッフとして館内活動をしているということです。

 国内でも、鳥取県は、かつて片山善博知事が図書館事業に力を入れていたことで知られていますが、図書館は利用者のためにあることから発して、人生におけるさまざまな困りごと、例えば介護や失職に求職、多重債務や交通事故など、こうしたことをインデックスとして、関連する書籍や資料、新聞記事や法令などの情報、相談機関の一覧が掲載されたパンフレットをつくり、利用者の課題解決に向けた支援をしています。このように、日本の図書館においても、武蔵野市の図書館基本計画の将来像にある、より市民や利用者にとって役に立つ機関として、市民の課題解決をするために図書館の力を発揮するよう期待するものです。

 そこで5点の質問をいたします。まず、本市の武蔵野プレイスは、図書館を中心とした複合機能をあわせ持つ公共施設の成功例として、今や全国から注目されています。来館者の増加、とりわけ市外利用者がふえていますが、利用目的、利用内容と、図書館以外の機能との関連、相乗効果について把握、分析されているでしょうか。開館5年を前に、これまでに歩みを振り返り、図書館の役割と可能性に向けて、評価と課題を伺います。

 2点目に、子どもと読書について。2001年、子どもの読書活動の推進に関する法律が公布・施行され、翌年、市のブックスタート事業を開始され、15年目を迎えます。市立小学校での本の読み聞かせ、朝読書や読書循環など、読書の動機づけから自主的習慣へと、子どもの読書活動の推進に力を入れてきたことを高く評価しています。他方、電子書籍の普及など、近年、出版界のみならず、本を取り巻く環境は大きく変化してきています。最近目にしました光景で、親同士が会話に興じている間、まだ発する言葉もわずかな幼い子がスマートフォンを手にしておとなしく画面に見入っていました。この子が親となったとき、一体どんな子育て環境になっているのかとても気がかりになりました。

 人生の中で、絵本を読むべき機会は3回ある。1回目は子どものとき、2回目は子どもを育てるとき、3回目は人生の後半に入ったとき、というのは、作家の柳田邦男さんの言葉です。子どもの読書活動の推進に関する現状と課題、また母子保健事業や子育て支援事業との連携を含め、今後の事業の拡充に向けたお考えを伺います。

 さて、昨年7月、吉祥寺図書館のあり方についてという方針が示されました。「小さなオアシス、気軽に楽しく知的な出会いを

という基本理念をどのように具体化していくのか、大変関心を持っています。吉祥寺図書館のリニューアルに関する進捗状況、また吉祥寺という地域特性から求められる新たな役割と機能についてのお考えをお聞かせください。

 次に、若者サポート事業に関して。当初、若者が足を運びやすい吉祥寺というまちの特性に着目して、吉祥寺図書館を拠点にパイロット事業としてスタートしたと認識していますが、その後の事業の実績と課題について伺います。また、リニューアル後の吉祥寺図書館での事業実施、若者サポート事業で対象としている若年層に限らない、支援を必要とする全ての人への事業の拡充など、さまざまな困難を抱える人たちに向けた事業の継続と充実を求めますが、お考えを伺います。

 冒頭お話ししましたダラス市立図書館で行われているホームレスの参加プログラムで、図書館が好きなわけについて書いた1人の参加者の方のメッセージに引きつけられました。人生は厳しい戦いの連続だ。その戦いと戦いの合間、ラウンドに訪れるところ、それが図書館です。現代の厳しい戦いの連続の中で、個人の努力だけではどうにもならない生きづらさを抱えている人がたくさんいます。例えば、包括的支援を必要としているのに、相談先がわからない人へのアウトリーチ活動、人や地域とのつながり方がわからず孤立している人や、学校や家庭に自分の居場所が見つけられずにいる子どもや若者などの支援をするサテライト機能、まちなかにある図書館は、さまざまな生きづらさを抱える人たちにとって、訪れやすく、必要な情報を提供できる場所です。そこから新たな自分を発見する人もいるでしょう。これまで知らなかった社会と出会う人もいるかもしれません。公の責任においてエンパワーメントする社会教育という図書館の本質的役割からも、常に全ての人に開かれ、潜在的な困難を抱える人、支援を必要とする人への情報提供を通じて、自由と人権を守り、公共課題を解決する役割を果たしていくよう、今後の展開を望みますが、御所見を伺います。

 以上、壇上での一般質問です。(拍手)

○市 長(邑上守正君)  それでは、内山さとこ議員の一般質問にお答えしてまいります。

 オバマ大統領広島訪問、公共課題の解決に向けた図書館の活用等についてと大きく2点でございますが、まず最初に、1点目で、今回のオバマ大統領の広島訪問に関する所感ということでございます。オバマ大統領は、サミット終了後に、あの被爆地、広島を訪問されて、私もニュース等で見ておりましたけれども、平和祈念館にまず入られたということもあったし、原爆慰霊碑への献花、そしてスピーチ、そしてその後に被爆者代表者への声をかけたというようなことも、画面で見る限り、オバマ大統領の平和に対する姿勢、意思を明確に示されたのではないかなというふうに思っておりますし、世界に向けた大きなメッセージになったというふうに感じております。

 スピーチの中でも、多くの罪のない人々が戦争の犠牲になったということ、人類が過去の過ちから学び、戦争が起きない世界をつくっていくこと、そして、核保有国は勇気を持って核に頼らない世界を追求していかなければならないといったような、世界に向けた意義深いメッセージだったのではないかなというふうに思っています。このメッセージ等に終わらず、訪問だけに終わらず、これを機に、やはり軍縮だとか、核廃絶に向けた取り組みが少しでも進むことを期待しているところでございます。

 さて2点目で、武蔵野市在住の被爆者の方々についての現状、そして平和事業における核なき世界を目指す取り組み等についてのお尋ねでございます。厚労省によりますと、平成27年3月時点での東京都の被爆者数は6,010名、全国では18万3,519名だということでございますが、このような人数がいらっしゃいます。市ごとの状況としましては、これは直接公表されていないということではございますが、東京都の担当者にお聞きしたところ、ことし4月1日時点で、武蔵野市の被爆者は男性35名、女性64名、計99名ということで、昨年に比べて7名減少したということでございます。99名の平均年齢は81歳ということでございます。

 国・東京都が行う被爆者への援助としましては、健康診断、医療費の給付、各種手当て等の支給を行っているほか、被爆者のお子さんに対する援護として、健康診断や医療費の助成などを行っているところでございます。市として取り組みでございますが、これまで戦争も核もない世界の実現に向けて、非核都市宣言平和事業実行委員会の皆様方とともに、夏期の平和事業、平和の日イベント、戦争体験記録書の作成、平和啓発DVDの作成、あるいは青少年の長崎市への派遣など、さまざまな平和啓発事業を実施してまいりました。また青少年に対しては海外派遣を実施しているところでございますが、国際理解を図り、その経験をもとに、将来にわたりさまざまな国との友好が図れるよう努めていきたいというふうに考えているところでございます。現在加盟をしております非核宣言自治体協議会平和首長会議においても、参加自治体として、さらに他の自治体と連携して、核兵器の廃絶、平和の大切さを発信していきたいというふうに考えております。

 次に、都立武蔵野中央公園の拡張部に関して、市が要請している内容に対する都の対応等についてということでございますが、東京都が平成25年12月に中間まとめを公表し、パブリックコメントによる意見募集を行い、意見を踏まえた整備計画が公園審議会より答申をされています。平成26年2月24日付で公園審議会より答申をされているところでございます。

 市としましては、これまでの間、東京都に対してさまざまな要望を行っておりますが、現在示されている計画案に、その要望が反映されているというふうに認識してございます。具体的には、例えば半径10メートルの広場の整備、戦争記録の解説板設置などが予定されているというところでございます。詳細な整備内容については、現在、東京都と協議中でありまして、ことしの3月時点から特段大きな変更はございませんが、5月下旬には武蔵野の空襲と戦争遺跡を記録する会から直接東京都へ要望書を提出するというふうに聞いておりますので、今後は地元の意見も確認をしながら、東京都と協議を進めていきたいというふうに考えております。

 4点目で、空襲を受けたシラカシの木から、その種から育ったシラカシの二世が現存しているが、これを広場に移植するべきと考えるが所見をということでございます。公園内の整備につきましては、今後、詳細な点につきましては東京都と協議を進めていくことと考えております。シラカシ二世については、現在、東京都住宅局の敷地内にあり、所有権も都ということを聞いておりますが、シンボルツリーとして移植することにつきましては、東京都と協議が必要というふうに考えておりますので、協議をしてみたいというふうに考えております。シンボルツリーを含めた公園内の広場のしつらえ等につきましては、今後も地元や東京都と協議を重ねていく予定としているところでございます。

 次に5点目で、公園の計画あるいは維持管理に当たって、小・中学生からも案を募って、それを反映したらどうかというような御提案でございます。東京都とさまざまな点で協議もしておりますが、今後、周知を含めた植栽管理についても協議をしていく場面が出てくるというふうに思っています。計画や公園の維持管理における、子どもたちを含む市民参加のあり方についても、その場で東京都とも協議をしていきたいというふうに考えております。

 次に、大きなお尋ねの図書館に関するお尋ねの御質問の中で、私からは、関連して②の子どもの読書活動の推進に関する現状と課題、また母子保健、子育て支援事業との連携を深めて今後の事業の拡充に向けた考えをということと、最後の④の若者サポート事業に関する御質問にお答えしてまいります。

 現在は3・4カ月児健康診査と3歳児健康診査の際に、図書館の職員によるブックスタート事業を行い、本とのかかわりを通じた親子の触れ合いや楽しい時間の共有についてお伝えをいただいているところでございます。そのほか健康課が行う親子が集まる事業等では、読み聞かせや手遊びの重要性については実演しながらお伝えしているところでございます。また、現在でも保健センター入口にも絵本を置いて、親子が読み聞かせを行えるような環境は整えているところでございます。

 課題としましては、今申し上げました健診以外の6・7カ月、9・10カ月児健診等は、医師会に委託をし、市内の指定医療機関で個別実施をしているために、場所や健診時間などの関係もあり、ブックスタート事業はここでは行うことは難しいというふうに考えています。また、子ども政策課の担当でございますが、子育て支援施設における読書活動としては、0123施設や児童館、保育園、また旧泉幼稚園から引き継がれた泉文庫を活用している「すくすく泉」など、各施設で各年代に合わせた図書を整備し、親子を通した読書活動の推進に当たっているところでございます。図書館との連携につきましては、リサイクル図書を、民間を含めた保育施設等へ提供いただき、各施設で活用する取り組みを行っているところでございます。

 4点目で、若者サポート事業の実績と課題というお尋ねでございます。吉祥寺図書館での活用はどうだったのかというようなお尋ねをいただいているところでございます。事業開始当初は、場所の確保などの大変苦労の問題がございましたが、教育委員会の協力もいただきながら、吉祥寺図書館の集会室を活動場所として、専門性を有するNPO団体との協働のもと、当初はおおむね週1回、後に週2回、午後5時から8時まで事業を実施してまいりました。

 吉祥寺図書館については、利便性はあったものの、例えば部屋のしつらえから、窓がない、あるいは飲食のできないなどの制限のある部屋での実施につきまして、他の議員からも御意見をいただいていたことから、昨年度から吉祥寺北町一丁目にあります福祉公社が管理するふれあいまつもとを拠点として移して、そこに場所を移して事業を実施しているところでございます。ふれあいまつもとは、旧物件を生かした高齢者の日中の憩いの場でございますが、閉館後の施設を活用し、週2回、午後5時半から午後8時半まで、若者への支援を実施しているところでございます。

 事業開始後2年目となりますが、利用登録者は現在4名ということでございます。その中で、不登校から通信制高校に切りかえる、無業の状況から就業支援プログラムに参加をする、不登校から大学進学に向けて塾へ通い始めるなど、参加者の自主生活において、変化または一歩踏み出すなどの姿が見られている状況でございます。

 課題としましては、参加者数が少ないということもあるということ、また事業の認知度も低いということが挙げられるというところでございます。今後につきましては、保護者向けあるいは参加者向けのセミナーやイベントの開催、認知度向上のための広報の強化、対象を少し年齢を下げてみようというようなことを考えております。中学生から広げるようなことも検討し、引き続き参加者自身の声も反映しながら、日常の生活の支援、学習支援などを継続していきたいというふうに思っています。また、施設内にとどまるのではなくて、図書館や総合体育館などほかの公共施設も活用しながら、本事業が効果的なものとなるよう工夫をし、実施をしてまいりたいというふうに考えております。

 私は以上でございます。

○教育長(宮崎活志君)  それでは、私のほうからは、後半の、公共課題に取り組む図書館、新たな自分と社会との関係づくりについての御質問にお答えしていきたいと思います。

 まず、最初の第1の御質問ですが、武蔵野プレイスの市外利用者の増加に関するお尋ねにお答えいたします。武蔵野プレイスは、平成23年7月9日に開館し、開館した平成23年度の来館者は約100万人でございましたが、その後も来館者数は増加し、平成27年度の来館者数は175万人を超えております。平成27年度に行った利用者アンケートの調査の結果では、市内利用者の割合が45.9%に対して市外利用者の割合が54.1%でございました。この数字については、開館当初から大きく変わらず、ほぼ横ばいで推移しております。そういった意味では、とりわけ、割合からいって市外利用者の増加があるというふうには考えておりませんけれども、この市外から利用されている方の利用の目的や、その内容は、アンケートでは分析されておりませんけれども、実態としては、地下2階の青少年フロアや生涯学習支援機能なども利用されていると認識しております。

 次に、今後のプレイスの役割と可能性に向けた評価と課題についてという御質問にお答えいたします。まず平成27年度の利用者アンケートの調査結果では、プレイス全体の満足度につきまして、満足とおおむね満足という回等をされた利用者、これは、あわせて92.6%の皆様から、施設や事業について満足との回答をいただいております。図書館の利用につきましては、駅に大変近いという好立地であること、それから館内の図書を持ち込み可能としたカフェを1階に設置したこと、利用時間を午後10時までとしたことに加え、建築学会賞を受賞いたしました居心地のよさに配慮されたデザイン等が、これまで図書館利用から遠ざかっていた層に対しても大きな魅力となって利用者の増加につながっており、毎年来館者が前年を上回っている状況でございます。

 このような点から、開館5年目を迎えた現在も注目を集め、全国の自治体や図書館関係者の視察が続いておりまして、平成27年度の視察の受け入れ件数は83件に上りました。テレビ・新聞・雑誌などのマスコミにも多く取り上げていただき、全国的に注目を浴びており、武蔵野市のシティプロモーション及び武蔵境地域の知名度アップと活性化に貢献しているものと考えております。

 実施事業につきましては、図書館、生涯学習支援、市民活動支援、青少年活動支援の各機能について、可能な限り複合して生かすことの事業を行っております。例といたしましては、図書館映画会への参加者に対する市民活動の取り組みの紹介や、展示事業実施に合わせて関連図書を展示するなど、プレイスの機能をさまざまに活用していただける工夫を凝らしております。加えて、プレイスのほかに総合体育館等を管理運営する武蔵野生涯学習振興事業団の持つノウハウを生かして、アウトドアに関する施設間連携事業を実施するなど、4機能の複合のみならず、さまざまな形での事業展開をさらに模索しているところでございます。以上のような事業につきましても参加者アンケートを行っておりまして、平成26年度の全事業を通じました満足度は、満足とおおむね満足をあわせて88%となっております。

 全国的に、図書館を初めとする公共施設の建てかえに関する問題や運営の委託方法等の議論が行われている中で、プレイスの運営手法は一定の注目を集めております。図書館関係者の有識者からこれを評価する声が多く寄せられております。

 次に課題でございますが、以上のように利用者は継続して増加しておりまして、プレイスの多機能連携についても一定の評価を得ているところでございますが、休日の利用者数については、館内の収容能力をややもすると超えるような状況が発生しておりまして、閲覧席が不足する等の状況が見られます。運営の方法等について、今後、工夫が必要であると考えております。多機能連携につきましては、利用者の利用目的の広がりや活動の広がりという点において、いまだ道半ばの状況だと考えます。皆さんが単なる利用者から企画者や主催者にステップアップしていただく仕組みや展開について、また各事業の連携効果について、今後、研究・検証を深めたいと考えております。

 次に、2点目として、子どもの読書活動の推進に関する現状と課題についてのお尋ねでございますが、平成14年度から本格実施されましたむさしのブックスタートは、保健センターで行われるゼロ歳児健診に参加した全ての赤ちゃんと保護者にブックスタートパックを手渡す事業でございます。この事業は、子育て支援事業の一環として、保健センター、健康課でございますが、と連携して行っているものです。

 ブックスタートのフォロー事業といたしましては、乳幼児の読書や絵本の専門家を招いての講演会、これは託児も行っておりますが、それから人形劇なども行っております。昭和42年から続く読書の動機づけ指導では、市立小学校3年生を対象に、講師と図書館員が学校を訪問して、図書館の紹介の後に、ブックトークや読み聞かせなどを織り交ぜて本の紹介をいたします。使った本はその場でクラスに贈呈し、終了後、参観の保護者の方々と質疑応答や読書相談も行っております。

 あわせて、図書館に来館することが困難な子どもたちに向けた事業も行っておりまして、今後はそれぞれの事業を継続するとともに、特に配慮が必要な子どもたちの読書環境の向上のために、誰にでもわかりやすい電子書籍、マルチメディアデイジーと読んでおりますが、そのマルチメディアDAISYの貸し出しを始めるところでございます。

 また学校教育におきましては、現在、全ての小・中学校において、学校経営方針に読書活動の推進を位置づけておりまして、朝読書や読書週間などの取り組みを計画的に実施しております。課題といたしましては、学校図書館の図書貸し出し冊数が小学校に比べ中学校が少なくなる状況がございますので、中学校の図書貸し出し利用の活性化を図っていく必要があると考えております。

 そして、3点目で吉祥寺図書館につきましてでございますが、まず吉祥寺図書館リニューアルに関しての進捗状況についてお答えをいたします。吉祥寺図書館のあり方につきまして、昨年7月の教育委員会で方針を策定し、8月の文教委員会において行政報告を行いました。この方針の内容を実現するため、本年3月に、この報告書についてのアンケート調査を実施し、これにあわせて関係団体から御意見を伺いました。このアンケート調査の結果につきましては文教委員会で報告させていただきます。また6月には、リニューアル計画の委託事業者を決定する予定でございます。今後は、リニューアル計画を策定し、順次、設計、工事へと進んでまいります。

 また、吉祥寺という地域特性から求められる新たな役割と機能についてどう考えるかとのお尋ねでございますが、これは、御紹介もいただきましたが、あり方報告、検討報告で、「小さなオアシス吉祥寺図書館~気軽に楽しく知的な出会いを~」とのキャッチフレーズを掲げております。吉祥寺は、子どもから高齢者までさまざまな人が住み、訪れるまちでございます。来街者や、日ごろ利用しづらい子育て世代、利用の少ない中高生世代等の潜在的利用者を含めた全ての利用者が気軽に立ち寄りたくなる魅力的な施設を目指してまいります。

 また、さまざまな人が本を通じて集まり、人とまちと図書館のネットワークを形成していく、そのことが地域づくりに貢献し、図書館基本計画において掲げた、人々が交流し、文化を創造する地域拠点としての図書館を実現していくことを目指してまいります。そのための機能として、吉祥寺のまち情報を提供すること、ビジネスパーソンには予約受け取りの利便性を、子どもと保護者にはより使いやすい施設やサービスを、青少年には運営参加や居場所の提供を、そして高齢者の方には地域の人たちとかかわる機会の提供を想定しているところでございます。

 次に、リニューアル後の吉祥寺図書館での事業実施、支援を必要とする全ての人への事業の拡充など、さまざまな困難を抱える人たちに向けた事業の継続と充実を求めることについてどう考えるかということでございますが、若者のサポート事業につきましては市長からお答えしたとおりでございます。リニューアル後の吉祥寺図書館におきましては、青少年により多く来館、利用してもらいたいと考えております。吉祥寺図書館のスペースは限られていますが、支援を必要とする人や困難を抱える人にも利用していただきたいと考えております。安心していつでもそこに来られるように、スタッフも温かく見守る、そんな新しい吉祥寺図書館をイメージしているところでございます。

 最後、5点目でございますが、全ての人に開かれ、潜在的な困難を抱える人、支援を必要とする人への情報提供を通じて、自由と人権を守り、公共課題を解決する役割を果たしていくよう、今後の展開を臨むということへの所見をということでございます。内山議員からは、アメリカにおける公共図書館のさまざまな取り組みを御紹介いただいましたが、図書館は、本を読むという目的さえあれば、誰でも、いつでも、いつまでいてもいい施設でございます。図書館のそうした特性は、これは今後とも堅持していくつもりでございます。現在、図書館では、生活福祉課の生活困窮者自立支援事業に係る相談カード、そしてホームレスの方を支援するNPOのリーフレットなどを、通常のパンフレットスタンドとは別に、周囲に気兼ねなく手に取れるように、トイレの周辺に設置しております。これらはコンスタントに枚数が減っておりまして、必要な方がお持ち帰りになっているものと考えております。

 欧米では、図書館がさまざまな困難を抱える方、支援を必要とする方の支援を積極的に行っているということを伺いましたが、私どももそうした認識を持っております。本市の図書館におきましては、例えば自殺対策強化月間に合わせて、所管課と連携して本の展示を行うこと、そして関係のチラシやパンフレットを置くこと、必要とされた場合に関係課や機関へつなぐことなどが、現在、行っている内容でございます。今後、ニーズや社会状況の推移を見きわめ、検討していきたいと考えております。

 以上でございます。

○12番(内山さとこ君)  ありがとうございました。再質問をさせていただきます。

 前半の、平和を次世代に語り継いでいくということで、これまでも邑上市長におかれてはさまざまな事業に力を入れてくださっているというふうに認識していますが、今回の都立中央公園に関しましても、具体的に今回は提案させていただきましたけれども、シラカシの木をメモリアルツリーとしてぜひ育てていけるように、東京都と協議をしていただきたいというふうに重ねてお願いをします。

 それから、ことし、都立中央公園の指定管理者が変更になって、また東京都の公園協会のほうに戻ったというふうに聞いていますけれども、植栽管理はかなり柔軟に工夫ができる分野だと思うのですね。それで拡張されるところが樹林ゾーンという位置づけですので、そこにふさわしい、あまり、日時計だとか、そういう構築物ではなくて、ぜひ子どもたちをメインに、市民が参加できるような形で植栽管理をすることで、平和の広場というふうに位置づけていただけたらなというふうに私は思っています。つまり、それが持続可能な活動だというふうに思うのですね。ぜひ御検討を担当の方にお願いしたいと思います。

 それと、前段の被爆者の方々の現状についてですが、武蔵野市内、99名という御報告をいただきましてありがとうございます。東京都は、市長もおっしゃったように6,010人の方が今現在いらっしゃるということなのですが、これは、広島・長崎、当該市に次いでは福岡に次ぐ4番目に多い人数なのですね。東京都は、この6月の29日でしたか、被爆者の方々、東友会が主体になって進められているノーモア被爆者訴訟の第2次訴訟の判決を控えているということで大変注目を浴びております。健康管理手当というのが終身支給になったものの、一部の疾病については更新も必要ということですので、市の健康課のほうでも、引き続き、御高齢になられた被爆者の方々、またもしかすると新規に認定される被爆者の方々へのこうした健康管理等、十分、漏れのないように対応していただくようにお願いをしておきます。もし御答弁があればいただきたいと思います。

 それと、後半の図書館に関することでございますが、丁寧な御答弁をいただいて感謝しています。初めのほうからいきますと、武蔵野プレイス、本当に、珍しいと言っては変ですが、自治体の事業としてのかなりの成功例として注目されていますね。満足度も高くて、おおむねこの5年間、本当によく事業を行っていただけたというふうに思っています。

 課題というふうにおっしゃった中で、本当に土日は混雑していて、自転車もとめられないという御指摘もあることながら、エレベーターが何でここしかないのだというお尋ねがあったりして、うれしい悲鳴なのですが、もう1点、今、教育長おっしゃらなかったんですが、施設的なもので言うと、地下の駐車場ががらがらなのですね。これは何とかならないかなと。施設的な問題ですのでなかなか難しいのですが、駐輪場は長蛇の列、駐車場はがらがらというところが、今後、検討いただけないかなというふうには思っています。きょうのメーンテーマではありませんので、御答弁はいただかなくて結構です。

 図書館のことで、武蔵野プレイスは、市外の方がたくさん、逆転現象というか、多く利用されているということで、それをどうこう、とやかく言うわけではないのですが、図書館は、教育長おっしゃったように全ての人に開かれた公共施設ですので、こういった観点から、この武蔵野プレイスの成功を市内の中央図書館や吉祥寺図書館にも生かしていただけるようにぜひ検討をお願いしたいと思っています。

 それで、子どもと読書についてお尋ねしました件、なかなか、この保健センターの母子保健事業の中にこれからさらにというのは難しいということも市長はおっしゃっていましたけれども、その回数をふやすとかということではなくて、方法を工夫するとか、そういうこともできるかなというふうに思うのです。今、図書館の職員の方、司書の方含めて、保健センターのほうに、中央図書館からはお隣ですので、行っていただいているということですが、今まで私たちが子育てした世代と、恐らくこれから大きく子育て環境は変わってくると思うのです。そういう意味で、ぜひ紙の本、これを小さいときにきちんと大人に読んでもらうという体験は非常に貴重だと思っています。

 ちょっと話が違いますけれども、シャンティ国際ボランティア会というのを御存じかと思いますが、こちらが、カンボジアの内戦で傷ついた子どもたちの心をいやすということで、子どもだけではありませんが、人々をいやすということで、移動図書館をされたことで非常に有名なNGOですが、東日本大震災の後、移動図書館を、その被災地で事業として展開しようとされたときに、職員の方が、被災地の体育館でしょうか、避難所で、子どもの隣には本があるのですとおっしゃったと。とても子どもにとって、今、本が大事ですと。被災直後だったのでしょう、テレビをつけても、マスコミからは、その悲惨な映像とか、苦しみを倍加させるような映像とか情報しか入ってこない中で、子どもが親に読んでもらっていた本がそばにある、その安心感というのははかり知れないのですということをおっしゃったということで、子どもの読書活動、私はこのエピソードを聞いてますます重要だなというふうに思いましたので、ぜひ15年という節目で充実していただけるようにお願いします。

 そして、吉祥寺図書館、今後工夫をいろいろされているということですので期待していますが、やはり若者サポート事業、こだわるようですけれども、今、北町のほうで、隠れ家的というふうに、私、言っていますけれども、住宅街の中にあるところで、落ち着いてそこで何か活動できるというよさはあるのかもしれないのですけれども、今、武蔵野や武蔵野周辺の地域でさまざまな社会的問題が起きています。武蔵野の中で、吉祥寺というのはやはり特殊だと思うのですね。たくさんの来街者がいらっしゃる、若者も、子育て世帯も、高齢者もみんな集える、そういう非常にカジュアルなまちで、そこの駅地下にある図書館が、さまざまな社会的問題を掘り起こす、潜在的な問題を掘り起こす公共施設の役割をこれから発揮できる可能性はまだまだあると思うのです。やはりポテンシャルがあると思うので、そこをぜひ発掘していただきたいというふうに思っています。

 それと、最後に教育長がおっしゃっていた、中央図書館に置いているNPOのガイドのことをおっしゃっていましたけれども、おそらくこの路上脱出ガイド、これは23区版なのですが、このことをおっしゃっていたと思うのですね。これを置いていただいたということで、本当に大変評価しています。この路上脱出ガイドはNPOのビッグイシューの方が作成したもので、去年、新聞報道もされたので御存じの方もいるかもしれませんが、千代田区立日比谷図書文化館では、このガイドを置いたところ、2週間で100部がはけたということなのですね、地域性もあるのかもしれませんけれども。また新宿の角筈の図書館でも、この角筈図書館の館長さんが、10年前は図書館は本の貸し出しと返却だけの場所だったけれども、今は問題解決の場所にもなっているとういふうにおっしゃっていて、生活支援情報コーナーを設けていらっしゃるということなのです。それで、教育長がおっしゃったように、これからも武蔵野の図書館、公共課題を解決する上でさまざまな可能性を秘めていますので、ぜひ取り組みをさらに広げていっていただきたいというふうに思っています。

 重ねてになりますけれども、社会教育の本質的役割というふうに、私、申し上げたとおり、教育の機会均等という日本国憲法、教育の憲法とも言われる教育基本法の中でもきちんとうたわれていて、それに基づく図書館ということですので、ぜひ今後、こうした福祉的な分野においても、縦割りの垣根を超えて、さまざまなアウトリーチ活動、それからサテライト機能も検討していっていただきたいというふうに御担当の方にはお願いしておきます。御答弁があればお願いしたいと思いますが。

○市 長(邑上守正君)  それでは、何点か私から御答弁を申し上げます。

 まず都立武蔵野中央公園の拡張部分に関して、今後、植栽計画あるいは管理に関して、市民参加、子どもも含めた市民参加だと思いますが、そのあり方、可能性については、今後、都とも相談をしていきたいなというふうに思っています。

 それから、被爆者に対する対応は基本的には国・都になりますが、必要な対応をつなげていきたいというふうに思っています。

 それから読書活動に関しまして、特に子どもへの読書活動は、現在でも行っておりますが、引き続き、教育委員会、図書館、司書の皆様方にも協力いただき、連携して進めていきたいというふうに考えております。

 私は以上でございます。

○教育長(宮崎活志君)  今、再質問で少しいただいたことでございますけれども、最初のプレイスの混雑についての問題ですね、これは大きな課題でございますので、これから取り組んでいきたいと思いますし、施設の活用といったものも、中で考えたいと思っています。

 次に、プレイスでのそうした成功したものを中央図書館や吉祥寺図書館でも生かしてほしいということでございますが、それぞれ置かれている条件とか、それからそこの館に期待されている機能が違ったりしておりますけれども、その中で、特に市民に対するサービスのあり方とか、そうしたもので、その条件や場所なりに工夫できる点をぜひ検討していきたいというふうに思います。

 それから、子どもの読書活動については、市長が、今、お答えいただいたとおりでございます。

 それから、若者サポート事業でございますけれども、これについては、現在は吉祥寺図書館を御利用いただいておりませんけれども、先ほど答弁の中で申し上げましたように、若者、それから中高生世代も含めて、こうした方たちにもぜひ利用していただきたい図書館を目指しておりますので、そうした中で、いろいろな点で悩みがあって困ったときには、そこからそのサポート事業にきちんとつながっていくような、何らかのそうした、ある意味でのプラットフォームのような形になっていけばいいかなという気持ちは持っております。また現在のリニューアル計画でも、そうした方たちの居場所といいますか、そうしたものを何とか設計したいと考えています。

 それから最後に、先ほど路上脱出ガイドなどもお示しいただいたわけでございますけれども、図書館というのは、公共施設の中で、そういういろいろな困難を抱えたりしている方がすっと入っていける場所でのまず第一かなというふうに思いますので、そうした中では、先ほど若者についても申し上げましたように、ある種のプラットフォームとしていろいろなものにつながっていくような場所になればいいなというふうに思いますけれども、私も、先ほど社会教育の本質的な役割ということをおっしゃっていましたが、答弁としてはあれですが、かつてアメリカのベストセラー作家であり評論家であるコリン・ウィルソンが、学習歴があまりなくて、図書館でずっと過ごして、後に作家として羽ばたく大変な知性を手に入れたということを聞いて非常に感動した記憶がございます。これも、学校教育とともに社会教育もそうした人々の再出発を助けたり、それから階層的流動性を保つような、そうした大切な場所だと考えておりますので、図書館にもこれからいろいろな期待があるかと思いますが、それらを可能な限り受けとめていきたいというふうに思っております。

○12番(内山さとこ君)  ありがとうございます。大変期待をしております。

 それで、若者サポート事業は、利用者が多ければいいという事業ではないというふうに思っていますので、それは誤解をしていただきたくないのですが、ただやはり、例えば教育支援センターでは、義務教育までのお子さんで学校に通うことが困難になっている方ですとか、学習に困難を覚えている方とか、そういう方について、マンツーマンで把握していらっしゃいますよね。でもそういう方たちが支援センターに来なくなってから、その後どうなっていくのかなと。やはりそこが途切れのない支援をしていただけるような意味も含めて、その関係各機関と連携をとっていただきたいというふうに思うのですね。

 市民の方の利用率が低いというふうに聞いていますので、もちろん市内・市外にかかわらず、生きづらさを抱えている若者たちに寄り添う事業であってほしいというふうに思いますので、ぜひその関係の機関の皆さんとの連携をこれから密に図っていただいて充実していただきたい。3年目を迎えるということで、これをサンセット事業に終わらせず、きちんとした事業に位置づけていただきたいと思って、この6月の議会で質問いたしました。

 公共施設は、これから見直していくということですけれども、先ほど最初の一般質問の方もおっしゃっていましたけれども、必要な事業をどう社会資源である公共施設を使って新たに行っていくか、それが武蔵野市として求められていると思っているのですね。ぜひそこをダイナミックに考えていただきたいというふうに思っています。まだまだきっとやれることがたくさんあると思っています。

 ちょっと余計なことかもしれませんけれども、きのう配られた市報にも、また生涯学習スポーツ課の事業で、子育て中の方のためのコンサートの御案内がありましたね。大変ユニークな事業で、これは武蔵野ならではの事業だと思っているのですが、やはり生涯学習、社会教育を所管する生涯学習スポーツ課の事業としてなじむのか、優先順位としてこれは高いのか、それはやはり意見が分かれるところだと思うのですね。子育て支援だとか、地域振興とか、生活経済とか、そういったことだったらまだわかるのですけれども、市が税を投入して富の再分配をして行うべき社会教育の事業は何かということをもう一度精査していただきたいというふうに私は思っております。ぜひこれから、概算要求を控えて、各課でさまざまな事業の見直し、検証をされて、新規事業も提案されていくことと思いますので、来年の予算、期待しております。よろしくお願いいたします。

○議 長(深沢達也君)  暫時休憩いたします。