◯議 長(深沢達也君)  休憩前に引き続き会議を開きます。
次に、「マイナンバー制度」の課題、インクルーシブ「排除しない」教育等について、12番内山さとこ君。
(12番 内山さとこ君 登壇)(拍手)

◯12番(内山さとこ君)  きょうは3月1日の火曜日ということで、決戦の火曜日、スーパーチューズデーの行方が大変気になっております。第1回定例会ですので、いろいろ提案させていただきたいことがあったのですが、どうしてもこの件は今回伺っておかなければということを2点選びまして、一般質問させていただきます。

まず初めに、大きなテーマのマイナンバー制度の課題についてです。マイナンバー制度につきましては、これまでもさまざまな問題点が指摘されており、昨年の市条例の審議の際にも申し上げましたとおり、制度そのものに重大な瑕疵があると考えています。昨年10月の通知カードの発送開始という時期に、既に制度設計の2011年の時点で厚生労働省の職員とシステム設計会社との贈収賄事件が明らかになり、制度そのものに対する国民の信頼は大きく揺らぎました。

その後、通知カードの誤配達や不達が相次ぎ、東京新聞1月27日の報道によれば、都内で住民の11%が外国籍である新宿区が、発送数の2割にあたる約4万3,000通、多摩地域で人口最多の八王子市では、同じく1割の2万7,000通が返送されています。総務省の調査では、2月9日時点、全国の市区町村に保管されている通知カードの数は約267万通、全体の約4.6%ということがわかりました。

制度設計の段階から、約5,400万通もの書き留め郵便で、全ての国民に通知カードを届けるということ自体が不可能であると指摘されていたとおりの状況です。

さらに、今年1月、個人番号カードの交付が開始されて以降、さまざまな問題が発生しています。申請した本人とは別人の写真でカードが作成された。個人番号カードのICチップ内の個人を認証するデータに不具合が見つかり、2万6,000枚を再発行した。7回にわたるシステムの故障により、個人番号カードの交付ができなくなったなど問題が後を絶たず、先週、生年月日が同じ長野市と香川県坂出市の別人に、同じ個人番号が付番されていたという事実まで明らかになりました。

税と社会保障のための国民総背番号制度は、いまだその制度基盤自体が確立していません。今後、本来の目的を達する以前に、制度を悪用するマイナンバー詐欺や個人情報の流出など、事件が多発することがますます懸念されます。

そこで質問します。まず、通知カードの送付状況に関する確認をいたします。通知カードの返戻数と返戻後の問い合わせ及び再送付の現状はどうなっていますでしょうか。住民票住所以外の送付先を希望する市民、つまりは東日本大震災で被災して避難されている方、またドメスティックバイオレンスやストーカー等、また児童虐待の被害者、そして医療機関や施設などに長期入院・入所されている方など、住民登録地に居住していない市民への対応は徹底されたでしょうか。また、自主的な通知カードの返納状況と、可能な範囲でその理由もあわせてお示しください。

次に、昨年10月以降現在までに、全ての住民に通知カードの送付を完了した自治体は、全国でどの程度あるのでしょうか。東京都武蔵野市の現状と送付完了の見通しについて伺います。

次に、通知カードの送付開始のときから、視覚障害者の方への通知カードに個人番号が点字記載されていないという問題が指摘されていました。この点について国の対応はどうなっているのでしょうか。また、市としては、視覚障害者の方へどのような説明と対応をされているのか伺います。そして、仮に視覚障害者の方が希望して個人番号カードを申請した場合、個人番号カードには点字記載されているのでしょうか。されていないとすれば、何らかの対応を国及び地方公共団体情報システム機構に求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。また、この件について市としての対策を伺います。

そして、今後、マイナンバー制度に関してなりすましや詐欺など、さまざまな犯罪が発生する心配があります。とりわけ病気や加齢などにより判断力が弱くなった方や、情報弱者などが被害に遭わないように福祉の関係者、特にケアマネジャーやヘルパーなど訪問系の福祉関係者の協力を含めて、注意喚起や取り扱いに関する広報活動が必要と考えます。お考えをお聞かせください。

法定受託事務として自治体は個人番号の付番、交付事務を行わなければならないとはいえ、住民自治、団体自治という地方自治の本旨に基づいて、国に対して制度の問題点を訴えて、個人番号の利用を拡大しないよう求めるべきではないでしょうか。

そもそも現在、260万通の通知カードが本人の手元に届いていない。言いかえれば、制度開始の基盤となる前提条件が整備されていない今、個人番号カードの交付について、私は直ちに中止するべきであると考えています。また、市民に対しては個人番号カードの利便性だけではなく、危険性を十分説明するべきであると考えますが、御所見を伺います。

2つ目の大きなテーマでありますインクルーシブ(排除しない)教育について伺います。昨年12月の本会議で私は、平成29年度より第三小学校に特別支援学級を新規開設し、同時に市内全小学校に特別支援教室を設置することから、地域の学校は全ての子どもが学ぶ、みんなの学校であるためにどうあるべきか、教職員のみならず地域全体で取り組んでいくべきであると考えて質問いたしました。また、他の議員からは、今年4月からの障害者差別解消法の施行に伴い、今後の取り組みや合理的配慮に関する質問があったところです。

ところが、こうした中、今年に入り、市内の小学校第3学年の校外学習に際しまして、特別な支援を必要とする児童数名が正当な理由が説明されないまま、参加できなかったという事例が報告されました。当該児童の保護者や関係者、学校長に事実確認をしましたところ、残念ながら学校側の判断に合理的配慮を欠いたと判断せざるを得ない状況でした。

御承知のとおり、国連においては障害者権利条約が採択されたことを踏まえまして、我が国でも2011年、障害者基本法の改正など国内の障害者施策の見直しが行われ、ようやく2014年1月に日本も条約の締結に至りました。障害者基本法の基本原則では、障害を理由として差別すること、その他の権利・利益を侵害する行為をしてはならないということ、そして社会的障壁の除去については必要かつ合理的配慮がされなければならないことなどが明記されました。こうした原則を具体化するために、この4月から障害者差別解消法が施行される運びとなり、特に行政機関につきましては合理的配慮が義務とされます。

私は、教育に限らず、現場のことは現場で解決することが基本であると考えるところですが、全ての子どもが排除されない教育のために改めて市としての方針を示し、今後の対応の改善を図るよう求めまして、現状の確認も含め、以下質問をいたします。

まず、今回の事例について、当該児童の保護者から教育支援センターに相談があったと聞いていますが、それを受けて市はどのように対応されたのでしょうか。また、学校側はどのように対応されたでしょうか。事実関係の報告を求めます。

次に、特別支援教育を含め、学校教育におけるさまざまな施策の根本となる考え方を伺います。

次に、一般的に社会科見学や校外学習、また宿泊を伴う学習や行事、例えば移動教室や修学旅行、セカンドスクールなどですが、これらの計画や実施において、特別な支援を必要とする児童・生徒の参加について、どのような方針に基づき行われているでしょうか。また、参加を認められない正当な理由としてはどのような例があるのかをお示しください。

現在、小学校3、4年生の学習課程で、それぞれ自分たちの暮らすまちについて学んでいます。こうした児童や生徒の地域学習の受け入れ先として、市内の公共施設の対応はどのように行われているでしょうか。これまでも適切に行われていると思いますが、現クリーンセンターから来年4月にバトンタッチする新クリーンセンター、ライフラインである上下水道施設やふるさと歴史館など、公共施設の対応について改めて伺います。また、移動時間も学習の一環でありますが、児童や生徒の安全を確保するために移動手段等の配慮をされているのか、あわせて伺います。

次に、特別支援学級、特別支援教室について、東京都の教員配置基準がどのようになっているのかを伺いたいと思います。通常の教員の体制では困難が予想される学習や行事について、必要に応じて市として介助員の増員等を行うべきではないでしょうか。今回の事例でも、保護者の付き添いやボランティアがいれば参加できたかもしれないということも考えられます。ボランティアスタッフや保護者の付き添いなど、家庭や地域の協力を仰ぐことについての見解を伺います。

この4月からの障害者差別解消法の施行に伴いまして、庁内では「障害者差別解消法通信」を発行し、法律の目的やポイントなどをわかりやすく情報提供していると聞いていますが、教育機関での周知方法や対応策等は検討されているのかお尋ねいたします。

次に、教育支援センターに関連して伺います。市の派遣相談員と東京都のスクールカウンセラーの役割、情報の共有や連携は、現在どのように行われているでしょうか。また、スクールソーシャルワーカーとの連携はどのように行われているのか伺いたいと思います。来年度の予算案では、主に中学校への対応を目的にソーシャルワーカー1名を増員する予定になっていますが、評価と課題について伺いたいと思います。

現在の教育支援センター派遣の相談員は、市内12の小学校に各1名の体制です。今年度の学校要覧によれば、各小学校の児童数は関前南小の280名から桜野小の827名とおよそ3倍の開きがあります。単純に数の上で比較しても、学校規模によっては相談員1人当たりの負担は増大するため、児童数に応じた人員が必要と考えます。教育支援センターの機能の拡充を図るべきではないでしょうか。御見解をお聞かせください。

最後に、平成29年度からの特別支援教室の開設に伴い、新規に配置される予定のスタッフについてお伺いいたします。お知らせには特別支援教室専門員という非常勤と、臨床発達心理士という巡回の専門員の役割、位置づけが記載されておりますが、私はこれらの役割と位置づけに疑問をいささか感じているところです。といいますのも、何よりも大切なのは児童本人と家庭、そして担任の先生、特別支援教室の先生である巡回指導教員、この情報共有と連携が最優先、最重要であると考えているからです。また、特別支援学級のある学校では、現在でもさまざまな連絡調整に追われている特別支援教育コーディネーターのさらなる過重な負担が予想されます。

2月3日の文教委員会でも報告されていましたとおり、さきに行われました学校職員意識調査結果によりますと、「いつも疲れている」「どちらかといえば疲れている」という答えがあわせて85%、また退勤時間から出勤時間を引いた学校にいる時間は、およそ11.79時間、半日という結果になっています。

さらに、この中で負担を感じていることの第1は事務処理が24.9%、次いで調査報告が16.8%。そして、労働安全衛生の取り組みとして期待するものの第1は学校業務の精選が29.6%、次いで市教育委員会依頼の業務の精選が21%。これ以上現場の先生方が都や市の連絡調整の会議を重ね、報告文書の作成などに追われて子どもと向き合う時間が奪われ、結果的に長時間勤務を余儀なくされるということは避けなければならないと考えます。

さらに、学校長には、常勤や非常勤、東京都、武蔵野市とさまざまな名前のコーディネーター役と巡回型の専門職に、多種多様な職員、スタッフが存在する学校現場を束ねていくという超人的な総合的管理能力が求められます。教育支援センターを初め、これまでの体制を拡充しながら、新規の巡回指導や非常勤コーディネーターをふやさない体制のほうが望ましいのではないでしょうか。今後の体制についてのお考えを伺いたいと思います。

何よりも学校は子どもたちが主体の学びの場です。先生が子どもたちと向き合う時間を大切に、そして学校を地域に開いて、地域の方々たちの協力を仰ぎながら、子どもを中心とした体制にシンプルに考えていただけないかと思い、以上の質問をいたします。御答弁のほど、よろしくお願いいたします。

◯市 長(邑上守正君)  それでは、内山さとこ議員の一般質問にお答えしてまいります。

マイナンバー制度の課題、インクルーシブ教育等について、後半のインクルーシブ教育については後ほど教育長から答弁があります。

最初のマイナンバー制度についてということで、1点目の通知カードの送付状況等についてでございますが、まず通知カードの送付状況、平成28年2月12日現在で、武蔵野市に返戻された通知カード件数は1万1,342件となっております。カード返戻後は多いときで1日100件以上、現在も1日平均で30件程度、受け取りに関する問い合わせがあるという状況でございます。問い合わせ後、市役所窓口での受け渡し、もしくは再送した件数としては5,059件となっております。住民票住所以外の送付先を希望する個人への対応ということで、これは居所情報登録制度というのですか、平成27年8月24日から9月25日の期間で、居所情報登録の申請受け付けを実施しております。武蔵野市の申請受け付け件数としては209件でございます。申請受け付け後は申請情報システム機構に送付し、居どころに通知カードを送付するように対応済みでございます。その後の申請者からの問い合わせは特にございません。

通知カードの自主的な返納ということでございますが、2月12日現在、武蔵野市における自主的返納の件数は3件であります。これは簡易書留での送付における受け取り拒否以外の数でございますが、自主的返納の件数としては3件でございます。自主的返納の主な理由としては、簡易書留を受け取り拒否するつもりだったが、家族が受け取ってしまったため、後日返納したことによるなどでございます。

次に2点目で、昨年10月1日以降現在までに、全ての住民に通知カードの送付を完了した自治体はどの程度あるかということでございますが、東京都に確認をしたところ、完了した自治体があることは聞いていないとのことであります。国の発表では、1月15日時点で、通知カードの未交付件数は全国で約331万件とのことであります。

今後の見通しでございますが、東京都に確認したところ、都の数字については公表してないということであります。武蔵野市における未交付件数は、2月12日現在6,283件でございます。武蔵野市分については、引き続き通知カードの受け取りについての広報を進めるほか、各部署の窓口でカードを受け取っていない方がいた場合は受け取りを案内するなど、さらなる周知を図っていく予定としております。

次に3点目、視覚障害者の方への説明と対応、そしてあわせて4点目、視覚障害者の方が希望して個人番号カードを申請した場合、個人番号カードには点字記載されるのかというお尋ねでございます。あわせて答弁申し上げます。

御指摘のとおり、封筒には点字でマイナンバー通知と記載されているため、封筒の中に通知カードが入っていることはわかりますが、通知カード自体には番号の点字記載はされておりません。また、マイナンバーカード、個人番号カードについても希望すれば名前の仮名は点字記載されますが、番号については記載されないということであります。

国の対応としまして、平成28年1月15日付で、各自治体へ「通知カードや個人番号カードに係る視覚障害者への対応について」が、総務省と厚生労働省連名で通知が出されております。市区町村の独自サービスとして、希望者に通知カードや個人番号カードのケースに点字シールを貼付することが可能とされ、積極的に対応することが奨励されています。また、希望に応じて番号の代読を行ったり、申請書の代筆を行ったりする対応をすることとされています。

市の対応としましては、まず点字シールについては、希望者に対して障害者福祉課で点字シールの作成を行います。周知については2月25日発行の広報誌「つながり」、これは点字版もございますが、そちらに掲載するとともに、マイナンバー窓口でも御案内を行っているところでございます。点字シール、代筆、代読の対応については、全庁に事務連絡を出すとともに、マイナンバーに関する連絡会議でも説明を行うことで、市職員に周知徹底を図っているところであります。

次に5点目で、マイナンバー制度に関するなりすましや詐欺などについて、附置関係者の協力を含め、注意喚起や取り扱いに関する広報活動が必要と考えるが、いかがかということでございますが、現在、世の中で実際に発生している詐欺事件は、マイナンバー制度に関連づけて、例えばあなたのマイナンバーが流出したので、登録抹消のために現金を振り込んでくださいなどの便乗型の事件が大半というふうに伝えられています。こうした詐欺に関しての注意喚起は、例えば市が発行しております「武蔵野安心・安全ニュース」に掲載をして、注意喚起をしているところでございます。今後も継続的に実施を予定しております。また、市役所の窓口において、マイナンバー詐欺に特化した注意喚起チラシを配布しているところでございます。

高齢者・障害者に向けた制度全般の周知については、一般的な周知に加え、民生委員への説明、障害者福祉の広報誌「つながり」への周知掲載、在宅介護支援センター向けの周知の案内、実施、福祉の会や老人クラブへの説明会の実施、障害者団体に向けた説明会の実施などの周知を実施しているところでございます。今後も可能な限り周知をしていきたいと考えております。

6点目、国に対して制度の問題点を訴え、個人番号の利用を拡大しないように求めるべきではないか等に関する御質問でございます。マイナンバー制度に対するさまざまな懸念があることは認識をしているところでございますが、それぞれに対する安全対策の徹底や注意喚起を繰り返していくことにより、市民の皆様方の不安を取り除いていかなければならないと考えております。本制度における住民の利便性向上、行政の効率化、公平・公正な社会の実現といった趣旨については、市としても理解をするところであり、基本的には国の法律に基づいた形で適正に制度を運用していく方針でございます。今後、国が当初の目的を逸脱した利用拡大を行ったり、あるいは市民の安心・安全を損なうようなことがあるのであれば、自治体の立場として意見具申などをしていきたいと考えております。
私からは以上でございます。

◯教育長(宮崎活志君)  それでは、私のほうからは大きな御質問の2、インクルーシブ(排除しない)教育についてに係る8つの御質問にお答えしていきたいと思います。

初めに、市内小学校の校外学習に際して、特別の支援を必要とする児童数名が正当な理由が説明されないまま、参加できなかったという事例についての御質問でございますが、この経緯につきましては、1月の下旬にある市立小学校の特別支援学級に在籍する児童の保護者から、通常の学級で実施が予定されている校外学習に子どもを連れていかないと担任及び校長から言われたが、保護者としては参加させたいとの相談があったものでございます。

相談を受け、教育委員会は学校に対して保護者、児童に丁寧に対応し、理解を得られるように指示いたしました。時間が迫っておりましたので、学校は急遽、一部の保護者との話し合いを行いましたが、結果的には十分な理解が得られないまま、保護者の判断もございまして、特別支援学級に在籍する5名の児童のうち2名が参加、3名の方が不参加となりました。教育委員会では校長に対し、今回、保護者への丁寧な説明が不足していたということを指摘し、今後の改善について指示いたしました。

次に、特別支援教育を含め、学校教育におけるさまざまな施策の根本となる考え方についてという御質問でございますが、学校教育は、もう御存じかと思いますが、学習指導要領を初めとする各種法令に基づいて、文部科学省及び東京都、そして本市の教育施策を踏まえながら進められております。また、平成28年4月以降、障害者差別解消法が施行され、学校教育において、合理的配慮を念頭に置いて学習を進めていくことが求められることになります。

内山議員からの御質問にございます、さまざまな学校教育の施策の根本となる考え方についてでございますけれども、これは教育委員会の目標としても掲げております人間尊重の精神に基づいて、子どもたちのことを第一に考え、保護者にも丁寧な説明をし、信頼関係をもとに教育活動を展開することが重要であると考えているところでございます。

次、3点目に、一般的に社会科見学や校外学習、また宿泊を伴う学習や行事の計画実施において、特別な支援を必要とする児童・生徒の参加については、どのような方針に基づき行われるのかについての御質問でございます。

まず、特別支援学級に在籍する児童・生徒が通常の学級の授業に参加する場合は、子どもの障害の状況を踏まえ学校と保護者が相談をしながら、最初的には校長の責任で参加の可否を判断いたします。その際、どのような支援を行えば参加が可能であるかを十分に検討し、安全面に十分配慮しながら判断をしていく必要があると考えます。

また、参加を認められない理由としてどのような例があるかという御質問もございましたが、一般的に学校保健安全法で定められている感染症を発症した場合がまず考えられますが、そういう場合を除きましては、児童・生徒本人の気持ちを大切にし、保護者と相談をしながら教育活動への参加を前提に、どのような支援をすればよいかを検討していくことが大切であると考えております。

次に4点目でございますが、児童・生徒の地域学習の受け入れ先として、市内各公共施設の対応はどのように行っているのかについての御質問でございますが、学校から市内公共施設の見学を希望した場合、見学先での学習の進め方や説明してほしい内容、当日までに用意しておく資料等について、各施設担当者と教員が事前に打ち合わせを行い、見学当日に子どもたちが安全に見学できるよう準備を進めているものでございます。

また、児童・生徒の安全を確保する移動手段の配慮はされているかについての御質問ですが、市内各公共施設までの距離や移動経路の状況を踏まえ、学校の判断により借り上げの路線バスを利用するなど、子どもたちの安全に十分配慮しながら移動手段を決定しております。

そして、それぞれの受け入れの対応ということでございますが、まず例えば新クリーンセンターでございますけれども、クリーンセンターは小学校4年生の社会科見学を受け入れております。平成29年4月に新クリーンセンターになったときですけれども、これは例えば2階の見学者コースを1周することで、クリーンセンターのごみ処理の仕組みやごみ発電の仕組み、ごみ減量などが学べる場を提供されると伺っておりまして、こうした社会科見学の内容が一層充実するものと考えているところでございます。

次に、上下水道施設などの見学でございますけれども、第一浄水場と第二浄水場で4年生の社会科の「くらしをささえる水」の学習として実施されておりまして、その際の対応といたしましては、特別な支援を要する児童がいる場合には事前に担当者から連絡をしていただく。それから、特別な支援を要する児童がいる場合の施設見学は、浄水場内で付き添う水道部職員を増員するなど、そこの場所のことをよくわかった方のお手伝いをいただいて、安全面に万全を期していると伺っています。これまでは特段の問題はなかったと伺っております。浄水場につきましては、これからも児童・生徒の地域学習の受け入れを積極的に行っていきたいという言葉をいただいております。

それから、武蔵野ふるさと歴史館の対応でございますが、歴史館では学校連携事業を館の重要な機能の一つと捉えておりまして、特に小学校3年生を主たる対象にした学校教育連携展示「武蔵野のくらし今昔」を昨年度から開催しているところでございます。今年度は、平成27年10月14日から12月8日の期間で市内全小学校を訪問し、昨年歴史館へ社会科見学にいらした先生と、そして今年度の担任の先生にお目にかかって、昨年度の振り返りと今年度の見学に対する要望等のヒアリングを行います。歴史館では担任の先生からいただいた御意見を踏まえて、展示内容や体験プログラムを企画しております。また、来館前には、実際の引率時においでいただく先生の人数を確認するとともに、特に配慮が必要な児童についても御相談させていただいております。

移動手段に関しては、バスの場合は歴史館がバスの手配をしておりまして、配車から学校に戻るまでのタイムスケジュールを学校と協議し、安全の確保に努めているほか、当日は歴史館最寄りのバス停車場所から歴史館までの誘導を担当職員が行っております。

今後とも各公共施設と学校教育の連携を密にして、安全な教育活動の実施に努めたいと考えております。

次に5点目でございますが、特別支援学級、特別支援教室について、東京都の教員配置基準についてお答えしたいと思います。特別支援学級につきましては、各学校に設置される知的障害、肢体不自由、病弱などの固定学級には、児童8名につき1名の教員が配置され、さらに1名が加配されます。加配というのは加えて配置されるという言葉でございます。特別支援教室は、情緒障害等通級指導学級の制度変更により、これから導入されるわけでございますが、特別支援教室導入に伴う新配置基準では、市全体における対象児童10名つき1名の教員が配置されることになります。各学校ではございませんで、市全体での人数を10で割っていく形になります。通常の教員の体制では困難が予想される遠足や宿泊行事、運動会などについては、必要に応じて介助員の追加配置や臨時補助員の配置などを行っております。今のところ、ボランティアスタッフや保護者等の付き添いについて、学校からのそうした要請はほとんどないと認識しているところでございます。介助員については、御要望があれば配置しているという形になっております。

6点目でございますが、障害者差別解消法の施行に伴う周知や対応についてでございます。現在、国のモデル事業を受託している自治体や、先行的にインクルーシブ教育システム構築事業を実施している自治体の事例などの情報収集を行っております。教育機関への周知につきましては、今後、校長会や特別支援学級担当教諭や療育機関、就学前機関などの委員で構成する就学支援委員会などの機会に、この法律の施行の背景や提供が義務づけられる合理的配慮について、具体例を挙げながら周知してまいります。さらに、特別支援教育コーディネーター連絡会におきまして、各学校の授業における指導内容、方法や個別指導計画、保護者・学校・関係機関が協力して作成する学校生活支援シートの活用など、児童・生徒一人一人の教育的ニーズに合わせた合理的配慮の提供について周知していく予定でございます。

7点目でございますが、市の派遣相談員と東京都のスクールカウンセラーの役割分担や、情報共有などについての御質問でございます。市の派遣相談員と東京都のスクールカウンセラーは、学校での配置日が異なるため、それぞれの状況に応じて対応可能な相談に当たっております。

また、内山議員からは児童数に差があるのではないかという御指摘もございましたが、市派遣相談員は教育支援センターの相談員が各学校を担当する形で務めておりますので、教育支援センターと学校との連携が見込まれるケースを担当するなどの分担が行われております。

また、派遣相談員と都スクールカウンセラーは、必要に応じて連絡ノートや電話連絡等での情報共有のほか、年2回スクールカウンセラー連絡会を実施し、相互の連携を図っております。

スクールソーシャルワーカーは、平成22年度から社会福祉士の方を配置しております。課題を抱える子どもの置かれた環境を改善するための各関係機関との連携・調整を行っておりまして、家庭訪問も含めた福祉的支援に携わっておりますが、必要に応じて派遣相談員等と連携しながら、それぞれの専門分野に応じた支援に当たっております。

派遣相談員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーともに、連携を大切にして子どもたちの相談に当たっていると考えております。しかし、一層の充実を図るため相談員の増員を行うとともに、教育支援センターのあり方の検討を今後も進めてまいりたいと思います。

最後、8点目でございますが、まだこれからの制度でございますけれども、特別支援教室専門員と臨床発達心理士の位置づけ等についての御質問でございます。特別支援教室専門員につきましては、東京都教育委員会が新規に公募し、都内の公立全小学校に週4日配置する人材でございます。臨床発達心理士、こちらは巡回で相談が行われますが、臨床発達心理士については東京都教育委員会が年10回、全小学校に派遣する人材でございます。いずれも東京都の制度として、特別支援教室導入に伴い配置・派遣されるものでございます。特別支援教室専門員、臨床発達心理士はともに専門性を有する職員でございまして、子どもの発達上の課題や指導のあり方について助言できる人材でございます。特別支援教育コーディネーターや教員の負担を軽減する方向で生かせるよう、議員からの御指摘にありましたような、また業務量がふえるということではなくて、むしろ負担を軽減する方向で生かせるよう校長の学校経営の充実を図ってまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

◯12番(内山さとこ君)  ありがとうございました。後段のインクルーシブ教育のほうで何点か再質問させていただきます。

最後に御説明のあった特別支援教室の開設に伴う東京都からのスタッフの件ですが、これは新規に募集されていて、既に採用が決まってきているかと思うのですが、果たしてニーズに合ったスタッフが確保できているという現状なのでしょうか。そこを伺いたいと思います。臨床発達心理士も特別支援教室専門員も東京都の採用ということで、はっきり言えば地域に根差した人材ではないので、非常に不安を持っています。

私はそれよりも、これまで武蔵野市の教育委員会が教育支援センターで積み重ねてきた保護者や子どもたちとの信頼関係や蓄積をさらに拡充するような方向でいったほうがいいのではないかと思っています。年に10回臨床発達心理士の方が巡回されても、申しわけないけれども、この学校で何ていうお子さんが何先生のもとで学んでいたのかさえも、恐らく記憶できないのではないかと思うのです。もう少し地域に密着した専門員の方をふやすほうが、子どもたちのため、先生方の負担軽減につながると思っています。それがまず1点です。

それと、先ほど校外学習等で参加を見合わせなければならない正当な理由としては、感染症等という理由が主であって、原則、本人の希望に沿って参加できる方向で、そのために必要な支援を用意するという御回答だったと思いますので、安心しています。間違っても、特別支援学級にはそもそもない教科の事前学習がないことが理由だったり、それから男子の児童にはよく最近ありますが、男子用トイレで用を足せないとか、そういった理由によって参加を見合せることはないと考えますので、ぜひとも現場の対応をこれからも丁寧に行っていただきたいと思っています。その点について、もし地域の方々のボランティアですとか、保護者が付き添わなければならない状況にあるお子さんですとか、そういった場合には学校側と地域・家庭が協力して、子どもの最善の利益のために力を尽くしていただける方向にしていただきたいと思いますが、それはいかがでしょうか。市の教育委員会として、全ての学校長に方針としてぜひ示していただきたい事柄です。まず、その2点を伺います。

◯教育長(宮崎活志君)  再質問でございますが、第1点目は特別支援教室のスタッフで、東京都から派遣される専門員の方と臨床心理士の方について、こちらの方は地域の実情に適した方が配置されて、指導・相談に当たられるということではないのではないか、むしろ教育支援センターのこれまでの実績を発展させたらどうかという御質問だったと思います。

特別支援教室の専門員の方というのは、これまでは子どもたちのほうが通っていましたので、そこに行くと先生が常にいるという状態だったわけですが、今度は先生のほうが回ってくるとなると、学校には教室はあっても、誰もいないでがらんとしているような状態だったり、ただ、しかしいろいろ緊急のこととか、必要性があるときがございますよね。その教室を一つの場所として、何らかの教育的活動を行わなければならない場合がございます。

そういうことなども含めて、週全部をカバーすることはないけれども、新たに、非常勤の方になりますけれども、専門員の方にそこをしっかり守っていただくような形になるということで、地域の実情については、実は一般の教員も必ずしも武蔵野市で育った方が配置されておりませんので、皆さん配置されてから武蔵野市の実情をしっかり校長からも学び、そしていろいろな研修を通じて理解していただいて、いち早く武蔵野市の地域の教育といった特色にお力を尽くしていただく。こういう形になっておりますので、専門員の方についてはそのような形でぜひ武蔵野市のために役立っていただくように、校長からも、また教育委員会からもいろいろ支援していきたいと考えます。

また、臨床心理士の方でございますけれども、こちらは地域というより、非常に専門性の高い見識から見ていただく方ですから、通常、確かに教育相談等は行われているわけですけれども、その相談が果たして適正かどうかといったことなども見ていただく。スーパービジョンと申しますが、カウンセリングが行われたときには、必ずそれをさらに上のメタな次元から見る方がいらっしゃいます。スーパーバイザーと申します。そういう形になるものと思われますので、これは地域の実情ということもございますし、多くの方は専門家でございますので、すぐにお名前を覚えて、その子のこれまでの発達の特性などを理解して進めていただく。本当に専門家でございますので、そういう方の専門性のほうをむしろ生かして、相談員や学校の教員の方たちにアドバイスができるようにしていくということになるかと思います。したがって、協力していただく角度が、今までとは違うところからお仕事をしていただくことになると思います。

次に2点目で、校外学習への参加ということでございますが、本人の希望をぜひ優先してほしいということでございます。これは先ほど申し上げたとおりで、基本的には今はやっております、例えばインフルエンザなどですと、これはむしろ出席停止ということになります。学校に出ることが停止になりますので、これはできないということになりますが、それ以外の場合は基本的には本人の希望をなるべく優先していく。どの程度それを全てかなえられるかという、そこのある種の枠組みが合理性の範囲ということになって、それで合理的配慮ということになると思いますが、その合理的配慮の範囲内でそれを優先していくという形になるかと思います。ただ、基本は、特に小学校教育の場合は、子どもたちが何か関心を示したり、何か学ぶことに意欲を示した場合は、そのことを尊重することが教育効果が非常に高まることになりますので、基本としてはそういう形で本人の希望を優先するということになります。

また、地域のボランティアや保護者の協力も得られるようにということでございますが、これは必要に応じてそういうことも可能であるかと。ただ、そうした方たちの負担を減らすために介助員の制度とか、市のほうでつけるということもやっているところでございますので、それをどんどんお願いしていくことがいいかどうかは別問題かもしれませんけれども、その子にとってはこういう方に介助していただくということは効果的であるということもございますので、そうした実質というか、成果優先で考えて、学校でも対応していただくようにしていきたいと思います。

◯12番(内山さとこ君)  ありがとうございます。まだ始まっていないので、あれこれ言っても仕方ないところもあるのですが、支援の必要なお子さんだけを見るために来る方ではなくて、関係性の中でしっかり子どもたちのかかわりを見ていただく方をふやしたほうがいいと思うのです。障害と言われる、今回支援教室に通われるようなお子さんというのは関係性の中で育っていく。それは相互の関係なのです。支援が必要な子どもたちだけのために何かをするということではない。それがインクルーシブ教育だと思うのです。そういう意味で東京都が考えているのは、非常に狭い机の上の話ではないかなと。ここにこういう支援専門員がいればいい、こういう発達心理の専門家がスーパーバイザーで入ればいい。それは一つ、考えてとしてはあるかもしれませんが、学校は地域の中にあるのです。子どもたちは地域の中で育っていくのです。

それで、教育長も前回、私の質問の際にもおっしゃっていたように、大阪の大空小学校がなぜこんなに注目されたかというと、教室や学級を特別につくるのではなくて、地域に開いていく、みんなの学校として成立していたことにみんなが共感を持ったわけです。子どもの名前もわからないような人が1年ごとにかわってくる、もしかしたら途中で半年でかわってしまうかもしれない。そういう方々が何人も何人も入れかわることは、かえって子どもたちにとっても安定しない教育環境になってしまう、先生たちもそのたびに説明をしなければいけない、全部を束ねる学校長にはさらに重責が求められる。私は今、そこに非常に不安を感じています。でぎればもっと学校を地域に開いていく、武蔵野市独自でやっていくという部分もあっていいのではないかと思っています。ぜひ御検討をお願いしたいと思います。

ここまでは恐らく物理的な特別支援教室を用意することに時間を割いていらして、今度の予算案の中には改修費用も計上されてきていると思いますけれども、ソフトな面での対応を考えていただきたいと思いますが、御答弁はいただけますでしょうか。

◯教育長(宮崎活志君)  内山議員が最初におっしゃった、子どもたちはかかわりの中で存在しているというのは非常に重要な視点でございまして、多分専門の方でしたら、その子を取り巻く人間関係とか、家庭での環境といったものも重要な子どもたちへの支援の要素として分析されるところではないかと思います。本当にそのとおりだと思います。

したがって、今、内山議員のほうでいろいろ懸念されているようなことは、予測されるリスクとして考えながら、それをなるべく低減できるように、例えば配置される特別支援教室専門員の方でしたら、なるべく早く学校や地域、子どもたちになれていただくことを講じていただくとか、そういったことをしっかり校長先生にお願いするとか、それから臨床心理士の方にも、そうしたこれまで武蔵野が大切にしてきたいろいろな実績をまず御理解いただいた上で、相談支援に当たっていただくことをなるべくしていきたいと考えます。

ただ、教育は全体として、東京都がこうした制度をしきますと、社会制度としても学校教育は進めておりますので、したがって教育委員会も独立したような委員会をつくって、市でも運営されていくわけですが、こうした広域な教育行政もある程度受け入れていかざるを得ないところがございます。ただ、問題は、それを受け入れたときに、武蔵野にとってよりよい制度として受けとめていくことが大事ですので、今、内山議員がおっしゃったようなことを念頭に置いて進めたいと思います。

◯12番(内山さとこ君)  どうぞよろしくお願いいたします。第四次子どもプランの重点的取り組みの中に特別支援教育の充実に向けた専門性向上の取り組みなど、子どもプランの中にも支援の必要な子どもたちの施策がしっかり書き込まれているということを、地域の方々は今回大変頼もしく感じていますので、ぜひ皆さんの御期待に添えるよう関係各位の御努力をお願いしたいと思っています。

そして、前段のマイナンバー制度の件ですけれども、これは予算特別委員会の中でもぜひ議論を深めていただきたいことでありますが、市長の施政方針の中に、先進事例のセキュリティ状況を確認した上で、個人番号カードを活用したコンビニエンスストアでの各種証明書発行の準備を進めますとありまして、これはさきの代表質問等でも御答弁をいただいているところですが、個人番号カードそのものを携帯して出歩くということをなるべくしないほうがリスクを回避できるわけです。だから、個人番号そのものを入力するとかしないとかということではなく、まずカードを使わなくてもいいのではないかと思います。

それで、先進事例のセキュリティ状況をどういうふうに確認するのかということをぜひ伺っておきたいと思います。現在、まだ全国で自分の12桁の番号がわからない、届いていない通数が267万通。市長の御答弁では1月下旬で331万通あるわけで、武蔵野市でも6,283件で、全国平均と同じ4.4%か5%ぐらいだと思うのですけれども、まだこの方たちは自分の番号を知らないのです。なのにそれを前提条件とした、また新たなサービスとか、新たな施策を開始するには時期尚早といいますか、条件が整っていないと思います。その点についてはどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。

それと、視覚障害者の方への対応、これは国が個人番号カードのケースに点字シールを張るということを奨励するというお話ですが、これをやるのは自治体の職員ですか。経費については国からきちんとおりてくるのでしょうか。これまでも自治体職員はさまざまな業務の負担がふえていると思っています。それは市民課や情報管理課だけではなくて、先ほどの福祉の担当の方々が御努力されているように、この法定受託事務のために業務がふえているわけです。これは市長としても武蔵野市の職員にこれ以上過重な負担はさせてはならない、けしからんと国に言っていただきたい。市長会を通じてぜひ言っていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

◯市 長(邑上守正君)  マイナンバーカードの取り扱いに関しましては、私も慎重にやるべきだという考えを持っております。したがいまして、カード利用で唯一今考えているのが、コンビニ交付時の利用ということであります。これは昨年の総務委員会のときにも担当のほうから御説明をしておりますが、現状ではコンビニで機器を導入して準備をされているということもある。それから、周辺自治体では、多くの自治体でコンビニ交付ということを実行されているということから、そのような取り組みの過程で、コンビニ利用というのは多くの方々の要望にもあることですから、これはカードを利用した唯一の利用法として取り組んでいこうということを、昨年来述べているところでございます。ただ、安全性については再度確保しなければいけないし、カードの扱いについては多くの皆様方に安全確保をお願いしなければいけないと思っております。

そして、点字のシールにつきましては、これは希望者にということで、今予定をしているところでございますが、点字版を希望されている方は現在10名程度ということでありますので、その限りであれば市の職員でも十分対応可能だと考えているところでございます。

◯12番(内山さとこ君)  人数が少ないから、いいとか悪いとかいうことも余り言いたくないのですけれども、この制度そのものの問題が全く解決されていない段階でこれ以上の、唯一という言い方をされていましたが、証明書の発行業務ということだけであっても、それは慎重に考えて、やっていただかないようにぜひお願いしたいと思います。

昨年9月に条例に関する付帯決議を議会として上げた3点のうちの1点目に、マイナンバーを使用する業務は必要最小限のものに限ることというのが入っていますが、これはマイナンバーだけではなくて、リスクを回避するために、マイナンバーに関連する施策・事業は最小限にしてもらわなければ困ると。そういう背景があってなされている付帯決議だというふうに御理解をいただきたいと思います。ほかの自治体でやっているから、武蔵野市もやらないと利便性の向上につながっていないという御批判を受けるのではないかと心配される向きもあると思いますが、利便性よりもこのリスクのほうが非常に大きい。

先ほど聞いた話なのですけれども、市内の大型家電量販店では独自サービスをされているということで、個人番号の発行のための写真を撮ったり、通知カードを持っていって、そこで読み取ると、自動的にその情報がどこかに行って、個人番号カードが発行されるようなシステムになっているものが置かれていると。この件については市の御担当の方も把握されているのでしょうか。御高齢の方ですとか、利便性だけを強調されて、買い物前にちょっとやっていこうみたいな乗りでこういうものを利用されて、万が一、悪用されたら、誰も責任をとれないと思っています。もちろん量販店の責任はあるかもしれませんけれども、マイナンバーにかかわる、先ほど市長もおっしゃっていましたけれども、便乗商法、便乗詐欺が心配されますので、ぜひここは踏みとどまっていただきたい。それが後になって、武蔵野はよくあそこで踏みとどまったねと言われることになると思います。この辺は、ぜひ予算特別委員会の中で担当する委員の皆様にも議論を深めていただきたいと思っています。市長、もう一度御見解をお願いいたします。

◯市 長(邑上守正君)  量販店でそのようなサービスをしているというのは、市内では私は確認してございませんが、報道を通じてそのようなサービスがあるというのは聞いておるところでございます。コンビニというのは全国で利用できるということから、市内のコンビニでほかの自治体の市民の方が使っていくという状況がこれから生まれてくることもございますので、その利便性も考えなければいけない一方、セキュリティの問題等も課題としてありますので、その辺は慎重に検討していきたいと思っています