○議 長(与座 武君)次に、子どもの人権と男女共同参画施策、財政援助出資団体の今後のあり方等について、12番内山さとこ君。

(12番 内山さとこ君 登壇)

○12番(内山さとこ君)それでは今回、子どもの人権と男女共同参画施策について、下水道総合計画と雨水利活用の推進について、財政援助出資団体の今後のあり方と第三者評価制度について質問いたします。

 初めに、子どもの人権と男女共同参画施策についてお尋ねします。さきに全国の児童相談所が対応した子どもの虐待に関する件数が、速報値で、2012年度は6万6,807件、2013年度は10%以上増加し、7万3,765件と急増している報告が出されました。武蔵野市の相談件数も年々増加しています。数の問題だけでなく、ことしに入り首都圏では、孤立した子育てに悩む親たちにとって、身近な地域に頼れる人や機関があれば、幼い命を救うことができたかもしれない、痛ましい事件が起きてしまいました。

 3月には、母親がインターネットで探した見ず知らずのベビーシッターに預けられ、虐待され亡くなった横浜市の事件、5月には、ひとり親男性がアパートに子どもを放置し、亡くなってから数年が経過して発見された厚木市の事件、また近隣市では、中・高生の事件が起きました。女子高生がストーカー被害に遭っている状況を、学校も警察もつかんでいながら防げなかった三鷹市の事件、継父からの虐待の事実を学校がつかんでいながら防げなかった西東京市の中学生の自殺。学校、児童相談所、警察など、子どもの命と人権を守るべき機関が連携し、適切な対応がされていればと、悔やんでも悔やみ切れない痛恨のきわみです。

 こうした事件の背景には、複雑な要因があります。厚木市の事件は、夫婦間の暴力の末にひとり親となった男性が、子育てを放棄した結果であり、また、三鷹市の事件で加害者とされる男性側からは、親からの虐待を受けるなど、その生育歴に酌量の余地があるという訴えがされています。こうした家庭内暴力や性別役割分業意識が、子どもの虐待と密接にかかわっていることから、男女共同参画施策を初め、人権についての社会全体の取り組みが欠かせません。

 ことしは、日本で子どもの権利条約が批准されて20年です。改めて、子どもの命と人権を尊重し、子ども自身を権利の主体として認める地域社会づくりが求められるという視点に立ち、今後の市の施策を考えていただきたいと思っています。核家族化や人間関係の希薄化によって孤立する子育て家庭を支える仕組みづくりだけでなく、その仕組みがしっかりと機能するように、ネットワークを強く太くつなげる日常的な連携が必要です。市の子育て支援、虐待防止ネットワークに関する現状の取り組みについて、改めて確認いたします。

 1、訪問や健診等を通じた、保健センターの産前産後の親、子育て家庭を支援する現状と課題について。

 2、子ども家庭支援センターを中心とした、子育て支援に関する各機関のネットワークの現状と課題について。

 3、相談事業やアウトリーチ機能を通じた、教育支援センターの子ども、家庭への支援の現状と課題。また、若者サポート事業との連携について。

 4、保育所、学校等教育機関での子どもの人権に関する取り組み、権利侵害と救済に関する取り組みについて。

 5、コミュニティセンターや図書館など、公共施設での子どもの人権に関する現状と課題について。

 6、男女共同参画の視点における人権侵害の現状と課題、子どもの虐待防止施策について。

 7、子どもプランにおける子どもの人権、男女共同参画の認識と、各施策への反映について。

 8、全市的に子どもの人権を位置づける体制づくりについて。

 次に、下水道総合計画と雨水利活用の推進についてお尋ねします。武蔵野市では2年前に雨水利活用条例を制定し、水循環の保全、水資源の有効活用に、市、市民、事業者が協働で取り組むことを理念としています。新たな下水道総合計画では、水収支のバランスについて、30年後の流出係数目標を、昭和20年代並みの0.4と定め、大規模な雨水貯留施設の建設工事を初め、道路の透水性舗装や戸別の雨水浸透ますの設置などに取り組んでいるところです。

 一方ことし、水循環基本法とともに成立した、雨水の利用の推進に関する法律では、雨水利用の促進に関して、国や自治体の責務を明確化しました。既に都内墨田区では20年前以上から、雨水利用を促進する市民の活動が盛んに行われており、区内20カ所に路地尊と呼ばれる雨水貯留タンクが設置され、この雨水利用の仕組みは、岩手県の仮設住宅や海外のバングラデシュでの活用など、広がりを見せています。現在墨田区内では、30の公共施設で消防やトイレ用に雨水貯留槽が設置されており、全体を合わせますと、集水面積にして3万8,255平方メートル、容量にして5,664立方メートルにも上るということです。

 そもそもの始まりは、蔵前から両国に国技館が移転した30年前にさかのぼります。大雨のたびに浸水被害が出た昭和50年代後半、当時区の職員だった村瀬誠さんは、区内の降雨量が年間2,000万トンで、区民の使用する年間水量とほぼ同じであったことから、雨水の利活用を発案しました。当初は交渉が難航したそうですが、新国技館での雨水の活用は大きな一歩となりました。

 さて、武蔵野市では去る7月24日、時間最大雨量70ミリメートルを超える短時間集中豪雨のため、吉祥寺北町初め、市内38カ所で床上浸水の被害が発生しました。移設、改築したばかりの吉祥寺北町保育園も床上浸水し、復旧作業は深夜まで及びました。先日の総務委員会での報告によれば、現在工事中の北町保育園園庭地下貯留槽が完成した場合のシミュレーションとして、4,500立方メートルの貯留槽が稼働しても、7月24日と同程度の雨が降った場合、2,382立方メートルの水はあふれ出て、北町保育園前は膝の高さぐらいまで冠水するということでした。

 近年、地球規模で気候が変動してきており、短時間集中豪雨は頻発する傾向にあります。「流せば洪水、ためれば資源」という雨水博士、村瀬誠さんの言葉は、そのまま武蔵野市の施策にも生かせるはずです。

 今年度、「水の学校」という水循環の視点で新規事業を立ち上げた武蔵野だからこそ、雨水の地下浸透のみならず、防災や生活用水としての雨水の利活用について、積極的に取り組むべきではないでしょうか。ちょうどきょう、私ども議員も、先日行われた「水の学校」のニュースレターを頂戴しました。こういったレターも市民に広く普及し、啓発活動を盛んに行っていただきたいと思っています。

 そこで4点質問します。

 下水道総合計画の水収支に関する進捗状況と目標達成に向けての見通しについて。

 2つ、まちづくり条例に基づく雨水浸透施設及び貯留施設の設置状況と今後について。

 3、公園、市民農園、学校等における雨水貯留タンクの設置状況と活用について。

 4、公共施設の活用と市民への啓発、まちづくり全体としての雨水利活用の推進について。

 3つ目に、財政援助出資団体の今後のあり方と第三者評価制度について質問します。ことし5月、財政援助出資団体のあり方に関して、庁内の検討委員会の報告がされたところです。6つの基本的考え方に基づき見直しを行ったものですが、各団体の施設の管理運営を含めた事業の分析評価については、おのおのの事務事業評価シートは示されていないため、評価基準や目標達成度が不明であり、市民への説明、公開に努める必要があります。

 中でも、2度にわたる全員協議会でさまざまに議論された、武蔵野文化事業団が管理運営する市民文化会館大規模改修に関して、芸術文化事業を企画実施する団体の評価と、施設の維持管理の評価との関係を整理する必要があることが明らかになっています。こうした公共施設の管理運営を行っている財政援助出資団体については、団体の果たすべき役割、存在価値と、各公共施設の維持管理評価とを明確にして、庁内の検討のみに終わらせず、市民の視点も含めた第三者評価にかけるべきではないでしょうか。

 また、現在議論となっている市民文化会館の大規模改修のように、施設の長寿命化のために一定の改修の必要性と相応の財政負担はやむを得ないとしても、今後公共施設の維持更新を行う際には、ハード、ソフト含め、最適な方法の検討が求められると考えます。

 ことし工事が着工した新たなクリーンセンターでは、設計・施工・運営を一体としたデザイン・ビルド・オペレート、DBO方式を採用しました。その議論の過程においても、向こう20年間にわたるモニタリング、評価制度の重要性を指摘したところであります。

 こうしたことから、以下、市の考えを伺います。

 1、財政援助出資団体の今後のあり方に関して、第三者評価を行うことについて。

 2、説明責任を果たす客観的な評価シートの作成と検討過程の公開について。

 3、公共施設の維持更新に関する評価制度の公開、公共調達条例の策定等について。

 以上、異なる3つのテーマについてお尋ねいたしますが、これらに通底するのは、私たち市民社会の契約とパートナーシップというテーマであると考えております。そうした視点も踏まえて、御答弁お願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

○議 長(与座 武君)  暫時休憩いたします。

○午前11時52分 休 憩

○午後 1時00分 再 開

○議 長(与座 武君)  休憩前に引き続き会議を再開いたします。

○市 長(邑上守正君)  それでは、午前中にいただきました内山さとこ議員からの一般質問にお答えしてまいります。子どもの人権と男女共同参画施策、雨水利活用、財政援助出資団体の今後のあり方等についてでございます。

 まず、1点目の子どもの人権と男女共同参画施策についてということの御質問の1点目で、訪問や健診などを通じた保健センターの産前産後の親、子育て支援の現状と課題についてということでございますが、保健センターの産前産後の親、子育て支援としては、産前サービスとしまして、妊娠期の母子健康手帳の交付、妊婦健診、妊婦歯科健診、初妊婦とそのパートナーを対象としたこうのとり学級、支援の必要な妊婦を対象とした保健師、助産師の行う妊婦訪問などがあるというところでございます。産後は、生後4カ月未満の乳児のいる家庭を対象に、保健師、助産師がこんにちは赤ちゃん訪問を実施しているところでございますし、その事業を通じて育児不安や産後鬱などを初めとした相談に応じているところでございます。また、子ども家庭支援センター等の連携により、支援の必要な家庭については、早期に子育て支援サービスの利用につなげているところでございます。

 本市においては、母子健康手帳の交付数、あるいは乳幼児人口ともに増加傾向にございまして、対象者の増加に伴い、支援の必要な妊産婦、乳幼児もふえている状況でございます。さらに、核家族化により、地域で孤立した家庭が子育てしている場合や、育児困難や深刻な家庭の問題を抱えながら子育てしるケースも伺っている状況でございます。

 課題としては、現在、妊娠期から支援が必要な妊婦を早期に発見し、支援につなげることで養育困難や虐待等の予防を行うことが求められておるところでございますが、そのための関係機関との連携、調整の体制づくり、支援者等のマンパワーの確保、相談や支援につながるための妊婦等への周知方法などをさらに検討する必要があると認識をしてございます。

 次に、子ども家庭支援センターを中心とした子育て支援に関する各機関のネットワークの現状と課題ということでございますが、子育て支援ネットワークでは、庁内の組織だけではなくて、児童相談所や、あるいは警察などの外部の関係機関、あるいは民生・児童委員などと常に連携を図りながら子どもや保護者の支援に当たっているところでございます。

 家庭への支援につきましては、その家庭の状況を正しく把握し、各関係機関のできることを、それぞれ役割分担をしながら行っていくことが重要であると認識をしてございます。

 支援のために必要な情報は、子育て支援ネットワーク内では、各機関が当然のことながら守秘義務を負った上で情報交換できると児童福祉法でも定められており、日々、関係機関との情報共有や対応方法の検討を行っているところであります。

 平成24年度の実績でございますが、子ども家庭支援センターと支援センターの延べ活動件数は1万5,237件でございますが、そのうち6割を超える9,751件が関係機関とのやりとりでございました。特に乳幼児については死亡事故等のリスクも高いことから、支援が必要な家庭を早期に把握し、支援を行っていくよう努めているところでございます。

 課題につきましては、家庭への支援には関係機関との密接な連携が必要でございますので、現在も行っておりますけれども、各関係機関とともに、人の異動などがある中で、その密接な関係を維持し続けることが重要と考えているところであります。

 子育て支援ネットワーク全体で毎年定期的に行っている各機関の代表者によるネットワーク会議や、あるいは実務担当者による実務者連絡会議等を通じて、各機関の顔が見える関係を保ちながら、引き続き支援を進めていきたいと考えております。

 相談事業やアウトリーチ機能を通じた教育支援センターに関する現状、課題は、後ほど教育長より御答弁いたします。

 次の保育所、学校等、教育機関での子どもの人権に関する取り組み、権利侵害と救済に関する取り組みについて、保育のほうは私から、学校等の教育機関に関しては、後ほど教育長から答弁いたします。

 保育所では、例えば平成20年3月に保育所保育指針が告示され、保育所は子どもの最善の利益を考慮し、福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場となるよう努めることがより強く求められるようになった。そういう背景もございますが、本市におきましても、これまでも子ども施策の推進を市政の優先施策として位置づけておりまして、平成22年3月の第三次子どもプラン武蔵野を受けて、公立保育園を子ども協会へ移管するに当たり、市における保育内容の水準を定めた武蔵野市保育のガイドラインを改めて定めることといたしたところでございます。

 平成20年3月にまとめられた武蔵野市保育のガイドラインでは、子どもの幸せを第一に考え、子どもの利益が最大限尊重されるよう、子ども自身のニーズを重視した施策を展開し、すべての子どもたちの健やかな育ちを大切にすることを第一に掲げております。現在、市内認可保育園においては、日々の保育において、武蔵野市保育のガイドラインでまとめられたことを共有し、実践をしてきているところ、このように認識をしてございます。具体的には、各認可保育園では、利用者の人権の擁護、虐待の防止のため、保育士倫理綱領を日々目にする場所に掲示をするなどして啓発に努めるとともに、各園において研修を行ってきているところでございます。

 次に、コミュニティセンターや図書館などの公共施設での子どもの人権に関する現状と課題。私からはコミセンについてお答えします。図書館については教育長から後ほど答弁いたします。

 コミュニティセンターは、小・中学生にも多く利用されておりますが、その施設の規模や内容、立地条件、そして地域特性がさまざまであるため、それぞれの利用決まり、利用時間だとか利用方法についても独自に定められており、多様な内容となっているところでございます。全般的に、おおむねの傾向につきましては、例えば小学生の利用時間、おおむね5時から6時までのところが多いようであります。中学生は午後6時から7時までのところが多いようであります。高校生以上は大人扱いとするところが多いということでございます。部屋を借りる場合は申し込み、利用について、子どもだけでは受け付けず、保護者の承諾ないしは同伴とするところが多いようであります。学習室、プレイルーム、ホール、サロン、読書室等は、子どもたちだけでも自由に利用できるところが多いようであります。コミセンの中で、体育室が3カ所ございますが、いずれも子ども専用の時間帯を設けているということでございます。これらの取り扱いは、長年コミュニティセンターで管理運営していく中で定められたもので、状況に応じて変化をしているようであります。

 一方で、子どもたちの利用のマナー、騒いだり、ごみを散らかしたりとか、備品などを壊したりといったような問題もあって、頭を悩ませているコミセンもあると伺っております。利用のマナーが向上していくことで、使用の決まりも柔軟な方向に変化していくことは可能であるのではないかなと思っています。子どもというのは一市民でもあると認識しておりますが、今後とも、一市民でもある子どもの人権に配慮しながら、公共施設の利用促進を図っていきたいと、このように考えております。

 次に、男女共同参画の視点における人権侵害の現状と課題、子どもの虐待防止施策についてということでございますが、第三次男女共同参画計画に合わせて配偶者暴力対策基本計画を策定しておるところでございますが、DVは夫婦間の問題だけにとどまらず、子どもに対する虐待であるとも指摘をされているところでございます。子どもに対する虐待を防止するためには、家庭環境の安定が大事でございまして、家庭内の役割分担や働き方の見直しなどを含めて、男女共同参画の視点が欠かせないものと認識をしております。また、交際相手からの暴力であるデートDVも人権侵害でございますので、若年世代からの啓発が重要であると考えております。今後も女性に対する暴力をなくす運動の取り組みやデートDV防止出前講座を実施、暴力を廃絶し、人権を尊重するまちづくりを目指していきたいと考えております。

 次に、子どもプランにおける子どもの人権、男女共同参画の認識と各施策への反映について、あわせて、全市的に子どもの人権を位置づける体制づくりについて御答弁申し上げます。

 本市では、第三次子どもプランの理念において全児童対策を掲げており、すべての子どもたちの健やかな育ちを大切にすることを基本的な考えとしているところでございます。現在策定中の第四次子どもプランにおいても現プランの理念を継承し、子どもの持って生まれた能力や個性を尊重し、子どもの育ちを最優先することを念頭に進めており、子どもの人権を尊重する視点を前提として、各施策、事業の検討を進めているところであります。

 また、子ども・子育て支援新制度においても、ワーク・ライフ・バランスは推進の両輪と位置づけられており、このプランでは子育て環境の充実による生活と仕事の両立支援により、男女共同参画社会の実現を目指していくことを前提としておるところであります。先ほど子ども家庭支援センターの取り組みについてお答えをしましたが、子どもの人権を守る意味でも、子ども家庭支援センターを中心とした子育て支援ネットワーク全体での支援に引き続き努めてまいりたいと、このように考えております。

 次に、大きなお尋ねで、下水道総合計画と雨水利活用の推進についてということでございますが、下水道総合計画の水収支に関する進捗状況と目標達成に向けた見通しについてということでございます。雨水の利活用については、都市化の進展で、下水道処理能力を超える雨水が下水道に流入することにより発生する都市型水害による被害を軽減するには、従来の治水対策では不十分であるという背景から進められてまいりました。

 平成24年10月に雨水利活用条例を制定し、個人住宅における雨水浸透施設の設置促進にも取り組んできたところでございます。平成25年度の下水道総合計画の改定に当たり、水環境の保全、創出の観点から、現在の水収支を試算し、見える化を図るとともに、具体的な数値目標を示し、雨水の利活用を推進しようと考えているところであります。

 現在の水収支の状況は、昨日も他の議員からの御質問にお答えしておりますが、降った雨の約52%が下水道に流入している状態であり、目標数値としては、現在の流出係数は0.52であるものを、20年後に0.44、30年後には0.40にしようとするものでございます。これはかつて井の頭駅が湧水で満たされていた昭和20年代の流出係数でございまして、これを目標に、水環境の循環を進めていこうと考えています。

 具体的な達成方法としましては、民有地における雨水浸透施設の設置、公有地における雨水貯留浸透施設の設置、あるいは透水性舗装の整備などを積み重ねてまいりたい。全市的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。

 次に、まちづくり条例に基づく雨水浸透施設及び貯留施設の設置状況ということでございますが、大規模な集合住宅や宅地開発行為による雨水浸透施設は、まちづくり条例により設置を義務づけているところであります。平成25年度末の状況は、雨水貯留施設32カ所、約6,000立法メートル、雨水浸透施設としては雨水浸透ますが910個、雨水浸透トレンチ約3,650メートルが設置されています。今後も、まちづくり条例のもと、必要量の指導と設置をお願いしていきたいと考えております。

 次に、公園、市民農園、学校等における雨水貯留タンクの設置と活用についてということでございますが、武蔵野市雨水利活用懇談会から雨水の利活用における雨水貯留タンクの有効性が示されておりますが、なかなか設置が進んでいないのが現状でございます。これまでは雨水貯留タンクのPRを目的に、公共施設である学校やコミセンを中心に設置をしてまいりました。今後は、公共施設における雨水貯留タンクの設置を進めるとともに、水の学校で雨水の利活用について考えるなど、普及に向けた効果的なPRや個人向けの助成制度の拡充について、さらに研究を進めていきたいと考えております。

 次に、公共施設の活用と市民への啓発、まちづくり全体としての雨水利活用の推進についてというお尋ねでございます。公共施設の活用と市民への啓発については、さきに述べたとおり積極的な設置を進めているところでございますが、さらに効果的な啓発については検討していきたいと思います。雨水をためたり浸透させることにより、ゆっくり雨水を流すことが水環境の改善に寄与し、都市型水害を軽減するなど、安全・安心な都市づくりにつながることから、積極的に推進すべきと考えているところでございます。

 平成26年3月に成立した雨水利用推進法は、雨水を貴重な資源として有効利用することを促し、近年の気候変動による集中豪雨の頻発を踏まえて、下水道や河川の洪水を抑えることを目指すこととしているように、本市においてもまちづくり全体として雨水利活用を推進すべきと考えております。

 次に、大きなお尋ねで3番目でございます。財政援助出資団体の今後のあり方と第三者評価制度についてということでございます。

 1点目、財政援助出資団体の今後のあり方に関して第三者評価を行うことについて、2点目、説明責任を果たす客観的な評価シートの作成と検討過程の公開について、あわせて御答弁申し上げます。第五期長期計画において、財政援助出資団体に関する将来像の検討を掲げたところでございますが、それを受けまして、平成24年5月に武蔵野市財政援助出資団体あり方検討委員会を庁内に設置し、2年間かけて財援団体のあり方について検討を進めてまいりました。

 1年目は財援団体の経営状況、事業状況についての調査分析を専門業者に委託をし、外部の専門業者から見た各財政援助出資団体の課題と今後の方向性について報告書にまとめたところであります。2年目は、各財援団体の課題見直しの方向性の検討を進めるに当たり、財援団体の見直しに関する基本方針を策定し、財援団体全体で150を超える既存事業について、事業の棚卸、事業の仕分け、数字の見直し、主体の再編、選択という手順で評価、分析を実施してまいりました。報告書には事業ごとに短期的課題、長期的課題、及び見直し案として整理をしたものでございます。なお、事業の評価分析は第三者の立場とも言える外部の専門業者の見解を踏まえて行い、また、各財援団体の意見も十分に聞きながら進めてまいりました。各財援団体が実施する事業については、モニタリング評価の際、利用者アンケートを実施しており、市民の視点による評価もされていると認識してございます。

 今後は、財援団体の統廃合などの主要な事項は調整計画策定において議論し、各事業の見直しに向けた具体的な検討は、評価シートの作成や検討過程の公開も含めて各財援団体において具体的な見直し方針を検討し、市とも調整の上、自主的な見直しを進めていくことになると考えております。市としては、引き続き財援団体を指導、監督する立場から、財政援助出資団体指導事務要綱に基づき財援団体の運営状況等のヒアリング、指定管理のモニタリングの評価を実施していく、このような取り組みを進めていきたいと考えております。

 3点目で、公共施設の維持更新に関する評価制度の公開、公共調達条例に関するお尋ねでございます。まず、公共施設の維持更新に関する評価制度の公開についてでございますが、維持については、劣化に対する保全、あるいは社会的ニーズの変化に合わせる改良保全の視点で、危険度、重要度、事故歴、劣化度などの評価を行い、優先順位を判断し、計画的に保全を実施しておりまして、適正な維持管理を行ってきたと、このように認識をしてございます。

 平成23年に武蔵野市公共施設白書をつくり、一部公共施設の維持更新の情報は公開しているところであります。ただし、公共施設にはさまざまな建物用途の施設があるため、その維持更新について、まとめて評価することはなかなか難しい状況でございます。現時点は、優先順位が判断できるレベルの評価制度をつくり公開することは難しいと考えております。ファシリティマネジメントに取り組む他の自治体でも、なかなか評価制度をつくることができない状況と伺っております。ソフト面も含めて最適な方法という御質問に対しましては、昨年3月に公表した公共施設再編に関する基本的な考え方にも示したように、今後はPPPなど、設置や管理、運営に関して民間との共同による施設整備も検討していく必要があると考えております。

 次に、公共調達条例の策定等についてでございますが、公共調達条例は、労働者の賃金に関する規定を持たずに、品質確保と適正な価格、労働者の安全衛生や福利厚生の取り組み、環境保全に関する対策や地域における社会貢献活動等についても規定しているのが特徴であります。国分寺市の公共調達条例は、労働者の賃金の最低額を定めることの規定を持ついわゆる公契約条例と認識をしてございます。

 本市では、品質確保と適正な価格については、適正な予定価格の積算に努め、著しく低い価格で入札があった場合には、最低制限価格制度や低入札価格調査制度により対応しているところであります。また、検査担当の客観性を確保し、公種別の専門的な知識のもと、適切な評価を行うことで、総合評価入札方式や工事成績評定を実施、よりよい公共工事の品質の確保に努めているところでございます。

 労働者の安全性や福利厚生については、工事受注者に対して、労働関係法令を守ることなどを特記仕様書に記入しております。現在施行中の総合評価入札方式において、企業の信頼性、社会性として環境配慮や社会貢献活動、労務単価等を評価項目に採用し、具体的に取り組んでいるところであります。

 今後の対応としましては、公共調達条例を含む公契約条例の制定について、今後も関係機関で開催するシンポジウムや公契約条例制定自治体の説明会などの参加を通じて、制定自治体の取り組みなどの情報収集及び動向を参考に、引き続き公契約の研究に取り組んでいきたい、このように考えております。

○教育長(宮崎活志君)  それでは、私のほうからは、大きな御質問の1、子どもの人権と男女共同参画施策についてのうちの3問でございますが、教育委員会の所管する部分につきましてお答えいたしたいと思います。

 まず、相談事業やアウトリーチ機能を通じた教育支援センターの子ども家庭への支援の現状と課題、また、若者サポート事業との連携についてのお尋ねでございますが、教育支援センターは、課題を抱えた子どもやその保護者に対して相談支援、訪問支援を実施しております。具体的には、第1に子どもの発達や性格、行動、学校生活等のさまざまな課題について、臨床心理士である教育相談員による面接及び電話相談支援を行っております。

 第2には、教育相談員が週1回派遣相談員として学校へ出向いて実施する子どもや保護者等への相談支援を行っております。

 第3には、家庭や学校、地域など、子どもを取り巻く環境が子どもにとって好ましい影響を与えるようになるための調整役として、社会福祉士であるスクールソーシャルワーカーが訪問支援を含めた家庭、学校への支援を行っております。

 第4は、不登校児童生徒が通級する適応指導教室の指導員による相談支援や家庭訪問支援、これらなどがございます。

 子どもの抱える課題は多岐にわたっておりまして、特に身体、生命にかかわる事例が後を絶たない現状において、民間を含めさまざまな機関が相談や支援を行っております。子どもたちの課題を解決するために、さまざまな機関がいかに効果的に連携していくかが今後の課題でございます。

 今年度始まりました若者サポート事業につきましては、教育支援センターも事業推進会議の一員となっておりまして、新たな支援の担い手として必要とする方への情報提供等を行ってまいります。

 次に、学校での子どもの人権に関する取り組みについてお答えをいたします。教育委員会では、基本方針1の第1番目に人権尊重の教育の推進を位置づけております。この方針のもと、市内すべての学校では、年度当初に作成した人権教育の全体計画と年間指導計画に基づき、日々の教育活動全体を通じて人権尊重教育に取り組んでいるところでございます。

 各学校では、いじめや虐待の問題など、子どもの人権侵害につながるさまざまな問題を大変重要な課題としてとらえ、子どもたちの人権を救済するために、きめ細かな組織的な対応を充実させているところでございます。

 具体的には、いじめにつきましては、7月に策定いたしました武蔵野市いじめ防止基本方針を踏まえ、子どもたちが互いを尊重し合う集団をみずからつくり出すことでいじめの未然防止を図るとともに、早期発見、早期解決に向けた生活指導の充実を教員研修の中でも重要課題の一つとして取り上げております。

 また、虐待につきましては、早期発見に向け、スクールカウンセラーや市の派遣相談員と連携し、日ごろからの丁寧な指導と理解に努めております。そして、児童相談所や子ども家庭支援センターとも連携し、発見後の迅速で確実な組織的対応を行っております。今後とも家庭や地域、関係機関と緊密な連携を図り、子どもたちの人権が十分に守られるよう取り組んでまいりたいと思います。

 次に、図書館等公共施設での子どもの人権に関する現状と課題についてお答えをいたします。武蔵野プレイスを含め図書館は、年齢、性別、障害の有無を問わず、すべての人に対して開かれた施設であり、子どもに対しても大人と同等のサービスを行っております。図書資料の閲覧、貸し出し、利用登録、図書の予約やリクエスト、レファレンスなどのサービスが、保護者の同意、同伴なしで受けることができます。したがって、多くの子どもたちが毎日やってまいります。特に青少年の居場所として、武蔵野プレイスの地下2階はたくさんの青少年でにぎわっております。主な対象は中高生でございますが、開館して3年がたち、リピーターも多い状況でございます。

 プレイスの地下2階は、主に青少年の居場所のほか交流や活動の拠点としても利用されておりますが、中にはスタッフとの触れ合いを求めてくる子どもたちもおります。過去には虐待等の深刻な人権侵害の問題に悩む子どもをスタッフが発見し、児童相談所につなげたケースもございました。今まで相談することができなかった青少年にとって、貴重な相談の機会になっているという現状もございます。

 課題といたしましては、職員の研修は実施しておりますが、児童福祉士や教育相談の専門家が配置された機関ではございませんので、対応が難しい面もあり、現在は子ども家庭支援センターとの連携を強化しているところでございます。

○12番(内山さとこ君)  ありがとうございます。大変よくわかりました。

 再質問を、まず雨水の利活用からお尋ねしたいと思います。壇上でも申し上げたように、水の学校という大変新しい先進的な取り組みをされているところで、私は、水の学校の第1回の講演会にも参加させていただきましたけれども、今回、水の学校を企画実施されているNPOの雨水市民の会、そのまだ前進の段階だったときに、20年ほど前になるのですけれども、私も東向島のほうにお邪魔しまして、路地尊なども案内していただいたことがあります。当時、天水尊という雨水タンクを復旧する足がかりになって、開発された徳永さんという方にも案内していただいたときに、実は雨水というのは塩素消毒もされていないので、大変きれいで、お茶を立てて飲めるのですよというお話をして、実際にそういう活動もされているということを印象深く覚えております。

 この20年の間に雨水タンクは大変改良されて、今では随分使い勝手がよくなっていまして、メーカーでもたくさん出ています。武蔵野市では、中型の150リットルを境で上限3万円と5万円の助成をしていると思いますが、例えば200リットル3万円のタンクでも1,000器つければ、2分の1の助成額で1,500万円の予算ですが、各御家庭に200立法メートルが貯留できるということです。ということは、その御家庭でそれだけ雨水を有効利用されて、節水にもなるし、環境にも優しいし、時には防災用にもなるということで、私は、この雨水を利活用する各御家庭の取り組みというのを、今回の水の学校を開校したのと同時に進めるべきだと思っています。

 武蔵野市では、例えばコミュニティセンターでも御協力いただいているということですけれども、下水道課は今環境部になっておりますので、環境基本計画の中にも施策としてきちっと雨水の利活用ということを位置づけていただいて、農業ふれあい公園とか、また、テンミリオンハウスなどでも、一戸建てのところがほとんどですから、雨どいから水を取りやすくなっていますので、ぜひそういうところにも広げていただいて、雨水の利活用をまちづくり全体として取り組んでいただきたいと思いますので、それはぜひ御答弁いただきたいと思います。

 それと、まちづくり条例に基づいて、着実に事業者の方には施設整備に御協力いただいているということなのですけれども、例えばこれからマンションが老朽化するに伴って、建てかえなども将来予測されるわけですが、墨田区ではマンションなどの施設の地下貯留槽というのを雨水の利活用のために設けることに助成をされているということなのです。公共施設はもちろんのこと、そういった大規模な施設で雨水を利用するということは、先ほど申し上げた国技館の例が大変いい例なのですが、とても効果的だと思いますので、そういったことも視野に入れて、今後、まちづくりに取り組んでいただきたいと思います。

 ふと思ったのですけれども、防災用と言えば、ちょうど今消防署が建てかえられていて、北町のほうは無理にしても、今後、吉祥寺のほうで建てかえられるに当たって、東京都とよくお話をされて、そうした消防署での雨水の利活用なども設計の中に考慮していただけないのか、ぜひお話をしていただけたらと思っています。いかがでしょうか。

 それと、財政援助出資団体と第三者評価の件なのですけれども、確かに長い時間をかけて、財政援助出資団体の今後のあり方について一定の方針が示されたと思うのですが、その御苦労というのか、その辺は市民には知る機会がほとんどないなと思っています。ぜひ、それは何らかの形で、これから調整計画が策定されるに当たって、さまざまな機会があると思いますので、市民の議論に耐えられるような、そうした情報公開に努めていっていただきたいと思います。

 それと、公共事業の入札ですとか事業の評価については適正に行って、また、終了後の工事評価も厳正に行っているということではあると思っています。ただ、それも市民には伝わらないわけなのです。こう言っては何ですが、言われのない疑惑のようなことを投げかける方も時にはいらっしゃって、そうではないことをきちんと御説明するのも私どもの義務でありますが、それにつけても、やはり情報公開をするということがあって初めて納得される部分もありますので、ぜひ、公共事業の調達と事業評価への制度については、さらに研究を進めていっていただきたいと思います。

 御答弁の中にあった国分寺市の例は、確かにおっしゃるとおりなのですけれども、条例があったから適切な評価が進むということがイコールではないというのも理解するのですが、先ほどの市民にわかりやすい、公開されるということを考えれば、その条例の制定ということも重要な手法の一つだと思っています。やはり不正行為や不良、不適格な事業者が武蔵野市の事業に入ってこないというようなことをきちっと担保するためにも、第三者の審査会を設けるということもまた一つの手法であると思います。その辺も含めてぜひ御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○市 長(邑上守正君)  それでは、再質問についてお答えをしてまいります。

 雨水の利活用に関しましては、議員御指摘のとおり、私も全くそのとおりだと思っておりますし、雨水利活用条例はそれを進めるための一つの制度となっておりますので、この条例を根拠に、地下の浸透だけではなくて、雨水を有効活用していく視点も不可欠だと思っておりますので、雨水の利用も含めて、利活用について、これから全市的に取り組みをさらに進めていきたいと思っております。

 それから、当然のことながら、大規模建築物、マンションの再整備等につきましても、これはまちづくり条例で雨水の流出係数の抑制等は指導してございますので、敷地内に浸透ます、あるいは貯留施設の設置について指導しておりますので、これも引き続き指導をしていきたいと思っています。あわせて、吉祥寺消防署の建てかえの際にどうかということでございます。既に設計が終わっているようでございますので、また、これに限らず、武蔵野市だけではなくて、公共的な施設には率先して雨水の貯留施設タンクなどもつけていただきたいと思いますので、引き続き協力をお願いしていきたいと思います。

 財援団体等のPRが足りていないのではないかという御質問でございますが、とかく財援団体イコール外郭団体と言われますと、余りいいイメージが実は伝わっていないという状況ではないかなと思います。武蔵野市におけます財援団体は、それぞれ市民サービスを先端的に市民の現場で市民とともにサービスを提供している団体でございますので、その役割は大きいものであるのではないかなと思いますが、なかなか知られていないとすれば、もう少し財援団体の位置づけを含めて、事業も含めて、市としてもPRを進めていく必要があるのではないかなと考えるところでございます。

 あわせて、公契約に関するお尋ねでございますが、当然のことながら、御案内のとおり、市としては適正な執行をしておるところでございますが、いろいろな課題が指摘される中で、公契約条例等の必要性につきましては、引き続き他都市の事例などをよく見ながら研究をしていきたいと思いますし、第三者の目というのを、どうやって、いつの時点で考えていくかにつきましても、今後よく検討していきたいと思っています。

○12番(内山さとこ君)  市長も意欲を持って取り組んでくださるということですので、雨水の利活用、東の墨田、西の武蔵野と言われるぐらいに、10年後ぐらいになってほしいなと本当に希望を持っておりますので、よろしくお願いします。

 それから、財政援助出資団体や公共調達条例などの件なのですが、市長がお答えなったように、今後、PPP、パブリックとプライベートのパートナーシップを活用して、一定、市が関与しつつ、公共サービスを民間に提供していただくということになれば、なおのこと、その評価というところが重要になってきますので、ぜひそこは意欲的に取り組んでいっていただきたいとお願いしておきます。

 それで、一番最初の質問の子どもの人権にかかわるところなのですけれども、さまざま関係機関、市の内部で9課にまたがっていますが、それと外部の関係機関に至っては、もちろん保育所や、幼稚園や、それから子育て関連施設、コミュニティセンター、たくさんの方がかかわっていらっしゃると思いますし、児童相談所や警察といった機関も連携しているということで、おおむね武蔵野では制度のすき間にこぼれ落ちてしまわない、そういう子どもや家庭をつくらない取り組みをフェース・トゥ・フェースでつくっていっていただけていると思っております。7月の中旬にも、東京都内での所在が不明であるというお子さんについて発表されたときに、武蔵野でも1名という数字があって、ちょっと私も驚いたのですが、そちらについても、先ほど御答弁があったような関係機関のネットワークで適切に対応されていってくださっていると理解しておりますが、それでよろしいでしょうか。

 あと、特別な配慮を必要とする子どもや家庭についてのアプローチ、なかなか難しいと思うのですが、事件などが起きないように心がけていっていただけると思いますが、ひとり親家庭への経済的な困窮が著しいという指摘がされていて、さきに発表された国民生活基礎調査でも、子どもの貧困率、2012年で16.3%の中でも、ひとり親家庭については54.6%という数字が出ております。以前にも、経済開発協力機構の中で、34カ国の中で日本は最悪ということなのです。今でも、ひとり親の中でも母子家庭の平均所得が二百数十万という中で、やはり特別な配慮を必要とするひとり親家庭、特にそうした経済的困窮ですとか、男性のひとり親の場合は、子育ての支援について、関係機関が協力していただいて取り組んでいただくように重ねてお願いをしておきます。

 それと、教育長から、いじめ防止の基本方針を出されて取り組んでいるお話もありまして、おとといですか、私も自宅に帰りましたら、子どもが学校から持ってきたプリントの中に1枚入っておりましたが、それについて全く何のことだかわからないというような顔をしていたのが、ちょっと困ったことだなと思っております。

 今回、子どもの声をいじめ防止の基本方針の中に入れていただいたのが武蔵野らしさであるということであれば、ぜひそこを子どもたちにもしっかりと伝わるように、なぜいじめがいけないのかということは、あなた自身の存在、あなた自身の人権が傷つけられてしまうこと、そして、それと同じように他者の存在、人権を傷つけてしまうことがいじめなのだと、これから理解を促していただけると思うのですが、それにつけても、自分自身の存在を肯定できる、子どももそうですし、ドメスティックバイオレンスに悩んでいる被害者側の方もそうなのですが、自分の人権というものが認識できなくなってしまうということが非常に共通していることだと思うのです。

 いじめ防止の基本方針を出されたことで、学校内でもそういった啓発活動に取り組んでいただけると思うのですけれども、1つ御紹介すると、東京の弁護士会では、人権と少年法に関する特別委員会というのが活動していらっしゃいまして、いじめについての出張授業というのも公立学校で行っています。多摩地域ですと国分寺市で、全小・中学校で行っているそうなのです。また、八王子でも多くの学校で行われていて、学校の先生方からは、ふだん子どもたちと身近に接している教師よりも、かえって、現場の子どもたちの声も人権救済センターの相談などから、実態をよくわかっている弁護士さんが学校に来てされることで、非常に子どもたちにとってもよいとおっしゃっています。ぜひ、そういったことも関係機関の連携の中に一つ加えていただくということも、今後、検討していただきたいと思います。いかがでしょうか。

○教育長(宮崎活志君)  まず最初に、確認でございますが、先ほど議員がおっしゃった、所在不明のお子さんが1人いたということですか。ちょっとその何がって聞こえなかったのです。よろしいですか。申しわけありません。こちらの範囲かどうかわからなかったところで、申し上げました。

 まず、今のいじめ防止基本方針でございますが、今御紹介いただきましたように、武蔵野市の基本方針は、これまでさまざまな法律もできましたし、条例もできましたし、東京都が条例をつくっておりますので。それから、さまざまな通知文などもあって、大人の側ではそれについての取り組みの筋道といったものはほぼ尽くされているというところから、それらをなるべく簡潔に表現して、武蔵野が強調したい順番で5点としてお示しし、それに何よりも子どもたちの中に実現しなければいけないことでございますので、いじめ防止ということが子どもたちの中で実現するように、子どもたちの声を一体としてお示しする形で基本方針をお示ししたわけでございます。

 そのためには、実は今年度4月から各学校では、どうしたらそういうことを防ぐことができるか、また、そういうことが生じないような人間関係をつくっていけるかといったことを、子どもたち自身に考えていただくという活動を展開していただいております。その中から生まれた言葉を、こちらのほうで利用させていただいているところもございます。これは以前にもお答えしたところでございますが、中学校での当初の集団づくりとしての武蔵野ガイダンスプログラムも、そういう形で互いの権利、人権を尊重し合うような、そういう世界をつくるということで、集団づくりのテキストとして先生方に配付したわけでございますが、その方針どおり、子どもたちの中に、互いを尊重する、そういう人間関係をつくり出していくという取り組みを進めているところでございます。

 今、東京の弁護士会ということでしたが、いじめに関するワークショップを出張して行っていただいているようなところがあるということで、そういうところも御検討をということですが、各学校でいろいろなアイデアがあったり、いろいろ連携先も出てまいります。子どもたちの中からいじめというものをなくしていくためであれば、いろいろな活動をぜひやっていきたいと思っておりますので、今後もそうした範囲に入ってくるのではないかなと思っています。

○12番(内山さとこ君)  ありがとうございます。ぜひ御検討いただきたいと思います。

 それと、教育長の御答弁の中にあった武蔵野プレイスの件なのですけれども、子どもたちが主体で利用できるということで好評だと思いますし、それから、コミュニティセンターの中でも、市役所のすぐそばですが、けやきコミュニティセンターなどでは、小学生や中学生でも、一番最初に保護者の方に確認をすれば子どもたちで借りられるというようなこともあると聞いていまして、そういった、やはり子どもたちが主体性を持って、先ほど市長もおっしゃっておりましたが、子どもたちも一市民でありますので、社会の構成員として活動できる場が確保されることで、御指摘のあったようなマナーの向上ですとか、人間関係がより深まっていくのではないかと思いますので、そういったプレイスや一部のコミュニティセンターの取り組みをぜひ取り入れて、各公共施設での子どもたちが、自分たちが主役となって活動できる、そういう取り組みに広げていっていただきたいと思います。御答弁があれば伺いたいと思います。

 それと、子どものいじめの件で言いますと、よく「は・な・し・て・み・な・よ」というのですが、子どもたちの相談電話のカードなどを子どもは学校から持って帰ってきますけれども、男女共同参画の第三次の計画では配偶者の暴力対策基本計画にもなっているということで、その中には、新たに女性相談カードという取り組みも今後実行することが書き込まれています。先ほど市長にお見せしましたのは、ウィメンズプラザと内閣府が発行しているものですけれども、そういったものが、他の自治体の公共施設の女性用のトイレですとか、そういったところには必ずと言っていいほど置いてあります。それが、ちょっとしたきっかけで、もしかしたら自分はDVの被害者かもしれないという気づきになるのです。先ほどお話のあったようなデートDVに関する講座などを、今、市民団体に委託して大学などで行っているということで、これは一歩、二歩前進しているなとは思うのですけれども、さらに取り組みを進めていっていただきたいと思いますが、それもぜひ御答弁いただきたいと思います。

○市 長(邑上守正君)  子どもの人権に関する再質問の中で、プレイスで行われているような子ども主体のさまざまな取り組みということを他の公共施設でもというような御意見でございますが、コミセンはまさに全世代の施設ですから、どなたが優先ではなくて、全世代が使うということが前提で考えなければいけないのではないかなと思います。現状を見ると、とかく子どもの利用を制約しがちかなと思いますけれども、子どもの視点で、利用する際のさまざまな取り組み方ということも、これは各コミセンでも今後よく検討いただければなと思っております。

 また一方で、DVの相談に関するいろいろ状況を御紹介いただきましたけれども、1つは、相談につながるような仕組みというのを我々も考えなければいけないし、ハードルを下げて相談しやすいような環境づくりということも、これからも進めていかなければいけないと認識をしておりますので、さまざまな関係機関の皆様方と協力して、そのような取り組みを進めていきたいと思っています。

○12番(内山さとこ君)  要望ですが、子どもの人権も男女共同参画も条例が目的ではないのですが、しかし、条例というのは、市民社会においての構成員の方々同士の約束事だと思うのです。その約束事をきちっと誰にもわかるようにすることで、先ほど申しました、今回、パートナーシップが通底する問題だと言ったのは、例えば子どもと大人のパートナーシップとか、女性と男性、そういう性を超えた人と人とのパートナーシップをきちっとこの武蔵野では大事にしていくよ、あなた自身も私も大事にされるパートナーだよと、それが条例の非常に重要な部分だと思いますので、ぜひ、これからの条例、この人権という問題にしっかりと取り組んでいただくように要望しておきます。