平成26年武蔵野市議会会議録第8号 (第2回定例会)

○議 長(与座 武君)次に、平和施策等について、12番内山さとこ君。

(12番 内山さとこ君 登壇)

○12番(内山さとこ君)それでは、平和施策等について一般質問させていただきます。

初めに、新たなクリーンセンターとごみ削減に向けて質問いたします。

ことし4月、新たなクリーンセンターの建設工事が着工しました。焼却炉を3炉から2炉に、1日当たりの焼却能力は195トンから120トンに減少させ、新施設が稼働する平成29年度の減量化目標を、年間3万607トンに設定しています。この本会議場がある市役所の7階からも、今、更地になって赤茶色の土がむき出しになった、新たなクリーンセンターの建設予定地がよく見渡せます。昨日、クリーンセンターにかかわる一般質問が3名の方からされまして、久しぶりにクリーンセンターの質疑が交わされるかと期待をしたのですが、残念ながら私が期待していた内容ではございませんでした。

今、私たち議会が、新たなクリーンセンターに関して申し上げられることは、今始まったばかりの工事が、周辺の近隣の皆様の御理解を得ながら安全に進められ、そして予定どおり平成29年度、全武蔵野市民のごみ焼却の中間処理施設となるクリーンセンターが晴れて稼働する、それがまず第一の私たちの目標であり、それについて市民の皆様の御理解と御協力をいただくことだと思っております。

武蔵野市は10年前、家庭ごみの有料化導入に伴い、ごみの分別方法を変更し、資源にならないプラスチック類は可燃ごみとしました。一旦ごみの焼却量は減りましたが、リバウンドもあり、平成18年のエコセメント化施設が本格稼働した年に、二ツ塚最終処分場へ搬入する焼却灰を削減するため、1日1人当たりのごみ排出量を平均700グラムとする、ごみチャレンジ700に取り組み、スタートから3年で目標を達成することができました。そこでセカンドステージとして、チャレンジ600を宣言しましたが、平成24年度実績は676グラムと目標に及ばず、宣言から4年目を迎える今、実効性ある取り組みが必要になってきています。

こうしたクリアファイルを作成して、市民の皆様に、ごみチャレンジ600の啓発活動をしてきたことは、大変評価するものでございますが、昨年、事業系ごみの持ち込み処理手数料を改定するなど、焼却ごみの削減を進めてきたものの、平成24年度の焼却ごみは3万2,508トン。果たして3年後の新たなクリーンセンターの稼働までに、削減目標を達成できるのでしょうか。

そこでお尋ねします。全市民的課題であるクリーンセンター建設とごみ減量について、市民への周知、喚起は十分に行われていると考えますか。また、削減目標達成の見通しについて伺います。

2、単身世帯の増加やライフスタイルの消費行動の変化に伴い、生活する上でごみの性質も変化してきています。消費と廃棄との関係が、これまで想定していたものとは異なることが、先日の厚生委員会で報告されたごみ排出実態調査報告によって、浮かび上がってきたのではないかと思います。今回の調査はサンプル数も少なく、特に全世帯の半数を占める単身世帯については105軒中19軒で、ライフスタイルの違いによる消費行動と廃棄物の関係について、結論づけるには至っていません。今後のごみ減量に向けて、実態をさらに調査、分析し、新たな方策を立てるべきと考えますが、今後の取り組み方針について伺います。

3つ目に、新たなクリーンセンターについては、現在(仮称)エコセンターとしていますが、正式な名称は、いつどのように決定するお考えでしょうか。

4、2019年、平成31年完成予定の(仮称)エコプラザについては、環境啓発施設という以外は、具体的な施設の内容、運営主体や運営方法など詳細は決まっておりません。今後具体的な整備計画はどのような工程で進める予定でしょうか。

5番、周辺まちづくり整備に関する庁内推進本部の会議が設置されておりますが、その役割についてはどのように定義されていますか。また、(仮称)エコプラザの方針決定、周辺整備計画における課題整理と進行管理など、この庁内推進本部の会議で協議を進めるおつもりなのか伺います。

 次に、平和施策についてお尋ねいたします。

ことしは、戦時中市内にあった軍需工場、中島飛行機武蔵製作所が爆撃を受けてから70年となります。さらに来年は、太平洋戦争終結から70年の節目を迎えます。武蔵野市では、昭和35年に世界連邦平和宣言、昭和57年に非核都市宣言を内外に表明し、昭和61年の国連平和年には武蔵野市平和問題懇談会提言書で、自治体としての平和活動、国際交流活動、教育の3つの柱を立てて、平和の文化をはぐくんできました。

その後、しばらくの時を置き、平成22年に設置された武蔵野市平和施策懇談会におきまして、11月24日を平和の日とし、平和の施策を財源面で確保するための基金についてなど、提言を受けました。そして3年前、武蔵野市議会は、武蔵野市平和の日条例を全会一致で可決し、また平和施策の継続を財源面で保障するために、国際交流と平和のための基金とするよう条例改正をしたところであります。

正直申し上げて、3年前、平和の日条例を可決したときには、誰にとっても当たり前と思える平和を、すべての国民が願っていると信じておりました。まさか今のような、政府での集団的自衛権についての与党協議なるものがされるとは、思いも至りませんでした。私は、今回与党協議と言われているもの自体に、全く国民の意見が反映されていないばかりか、民主主義の手続を逸脱していると思っております。今、この70年の節目に、武蔵野から、自治体から、平和の具体的な取り組みを進めていくということが、どれほど大事なことなのかと思いつつ、原稿を書いておりました。

 そこでお尋ねします。

1つ、戦争非体験世代が国民のおよそ8割を占めるようになり、戦争の体験者が高齢化する中で、新たな世代へ平和な世界を受け継ぐことは、ますます重要な課題です。70年の節目を迎えることし、市としてどのような取り組みを行う予定でしょうか。

先日、吉祥寺北町にお住まいの昭和4年生まれの、大野田の福祉の会などで活動されている男の方に、お話を伺ってきました。ちょうど11月24日、その日は、自分が勤めていたというか、学徒、勤労動員されていた横河電機の電休日、木曜日だった。それで境の中学校に登校した帰り、お昼ごろ、空襲のサイレンが鳴って、慌てて家に飛び帰った。その後中島飛行機で被害があった、亡くなった方が出たということを知ったとお話しになりました。

そしてお住まいのある目前の第四中学校は、市長の母校でもあります。御承知のように、当時中島飛行機の青年学校として使われていた跡でございます。その青年学校に通っていた人というのは、その昭和4年生まれで私にお話を語ってくださった方と同年代、高等小学校に通って、12歳で出て、14歳、15歳ぐらいです。それが中島飛行機の飛行機エンジンを製造するに当たっての技術的な訓練を受ける、そういう青年学校だった。今まさに第四中学校に通っている中学生と同じ世代の子どもたちが、戦争の兵器をつくるために駆り出されていたという現実を聞いてまいりました。

2点目に、一昨年行われた被爆地長崎市に中高生を派遣するなどの青少年の平和交流派遣事業、これは若い世代に平和を語り継ぐ上で意義深い事業です。『武蔵野から伝える戦争体験記録集』のその2には、青少年平和交流団に参加した中学生3名の作文も載っています。一部御紹介いたします。

「長崎に行く前は、戦争のことを知る手がかりは、本やテレビのほかに祖父母の話しかありませんでした。また、テレビでしか見ることのなかった平和式典については、式典の司会、献水や献水の採水を小・中・高校生が担当していることに驚きました。

東京より平和への関心がまち全体として高く、特に戦争を体験していない学生にまで平和への意識が高く、式典の多くの場面で活躍していることに感心しました。実際に被爆を経験された方たちも、私たちの世代が大人になるころには、もうお亡くなりになっていることでしょう。私たちはその方々にかわって声を上げていく必要があります。でなければ、この惨劇の存在が忘れ去られてしまうかもしれません」。

今後も次世代へ平和のとうとさを語り継ぐ、こうした若い世代の交流を継続、発展すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。

3点目に、憲法平和手帳について。私は昨年11月の一般質問で、子どもたちの意見も聞きながら進めるよう提案しました。『子どもとおとなの日本国憲法』(復刻版)のように、誰にとっても何年たっても通用する、普遍的なものが望ましいと考えますが、その後の進捗状況を伺います。

4点目に、平和を願う市民の関心は高く、活動も活発に行われています。特に例年8月、11月には、市民主催の平和に関する行事が行われています。かつて、昭和49年から10年間、教育委員会主催の武蔵野市夏季市民講座が開催され、毎年夏には中央公園で市民平和集会が行われていたと聞きます。その後、市民平和のつどいが市民の手によって開催されるようになり、ことしは8月9日に実施される予定です。11月24日が武蔵野市平和の日とされてからは、この日を中心に平和月間のように市民企画がたくさん催されています。市がこのような市民活動の支援を行うことで、草の根の平和への取り組みが広がると考えますが、いかがお考えでしょうか。

5点目に、昨年、都立武蔵野中央公園の拡張が決まり、この3月には、東京都の整備計画が示されました。今から25年前、ちょうど6月開園した中央公園は、公園計画に対する市民の関心、要望が強く、本整備までの期間は市が管理し、自由に利用できる広場として暫定利用されてきました。こうした経過を踏まえ、現在のような原っぱ公園と言われる自由広場が広がる設計となりましたが、今回拡張される1.1ヘクタールの区域は、整備計画では樹林ゾーンと位置づけられています。

昨年12月からことし1月まで募集されたパブリックコメントは、52通、75件で、うち中島飛行機跡や史跡に関する意見は30件、最も多く寄せられました。都の対応方針として、「御意見を参考に、旧中島飛行機の変電室跡と言われる建物の位置なども考慮した説明板等の設置などについて、地元市とも協議の上検討してまいります」とあります。

もともとの開園時から中央公園一帯が中島飛行機武蔵製作所跡であったことなど、歴史的経緯は東京都も承知しています。拡張区域の一角に残る旧変電所の建物については保存せず、東京都は新たに平和を語り継ぐモニュメントを設置する方向のようですが、今後実施設計に際し、市として歴史的経緯を踏まえた検討をされるよう、また、市民関係者に理解、協力を得られるよう、東京都に働きかけていくべきと考えますが、御所見を伺います。

最後に、景観まちづくりと井の頭恩賜公園100周年についてお尋ねいたします。

1つ目に、今年度予算で景観まちづくりの展開における景観形成の指針となるガイドラインづくりなどを予定していますが、基本とする考え方、策定方法、今後のスケジュールの見通しなどについて伺います。

2点目に、2017年、平成29年、井の頭恩賜公園開園100周年に向けて、現在実行委員会が活動を進めているところです。実行委員会メンバーでもある市としては、東京都の景観重要都市公園である同園一帯は、景観まちづくり事業を展開する上でも景観への配慮が必要と考えます。昨日の一般質問の冒頭でも市長は、井の頭公園は最大の景観資源とおっしゃっておりましたが、御所見を伺いたいと思います。

3つ目に、東京都の景観計画では、大規模建築物等の建築等に関する景観形成指針として、明治神宮外苑聖徳記念絵画館周辺など4つの地区に、眺望の保全に関する景観誘導指針が設けられています。現在、神宮外苑一帯の景観を破壊する規模と意匠や法的適合性の問題が指摘されている、新国立競技場建設計画の見直しを求める意見が大きくなっているところです。都市計画の専門家としての市長の御所見をお聞かせいただきたいと思います。

以上、壇上での一般質問を終わります。よろしくお願いいたします。

○市 長(邑上守正君)それでは、内山さとこ議員の御質問にお答えしてまいります。

平和施策等についてということでございますが、大きな御質問、まず第1は、新たなクリーンセンターとごみ削減に向けてということで、1点目で、市民への周知、喚起は十分に行われたか、また削減目標達成の見通しというお尋ねでございます。

ごみ問題、これは武蔵野市の大きな課題の一つでございます。また、クリーンセンターも、実に地域の皆様方の協力のもと、今日まで万全な稼働ができてきたと思っております。さまざまな場面で、ごみ問題、あるいはクリーンセンターの情報を提供しているところでございますが、市報においても、昨年12月には、「環境負荷の少ないまちを目指して、ごみの減量を進めましょう」という見出しで特集を組んで、市民に多くのことを伝えた経過もございますし、6月1日号、先日配布をさせていただきました、市報むさしのの私の市長コラムの中でも、「新クリーンセンター建設とごみ減量」というタイトルで、現在の取り組みの状況と、さらなるごみ減量への協力の呼びかけをしているところでございます。

またあわせて、年2回全戸配布をしておりますけれども、武蔵野ごみニュースというものもございますが、それにおきましても、新クリーンセンターの特集、あるいは減量に対する呼びかけを行ってきた経過もございます。

さて、平成29年度稼働予定の新しいクリーンセンターにおいては、ごみの焼却量を3万607トンといったような削減目標を掲げておりまして、何とかそれに向かってごみ減量を図っていかなければいけないということで、大きく呼びかけておりましたところ、平成25年度実績で実は3万トンをクリアしております。2万9,983トンということでございます。

これは壇上で御指摘いただきましたけれども、事業系ごみの料金アップということもあって、それがかなり抑制されたということもあって、一どきに目標達成をしてしまったということではございますが、しかし、これでよしとせずに、やはりごみ減量は必要な、環境にも大切なことでございますので、さらにごみ減量は呼びかけていきたいと思っております。

2点目で、今後のごみ減量に向けて、実態をさらに調査、分析し、新たな方策を立てるべきということでございますが、今回のごみ排出実態調査により、家庭ごみの排出実態が再検証されまして、今までごみが多い原因と想定しておりました、例えば小規模事業者のごみの量だとか、あるいは単身者のごみの量が多いのだろうといったような仮説がございましたけれども、必ずしもそれがそうではなかったことも明らかになってきました。またそのごみの量はなぜ多いのかというのは、さまざまな複合的な要素が絡むであろうという結果もありましたが、得られたデータをさらに分析して、必要な対策を今後も研究していきたいと思っております。

今後は、現在改定作業中の一般廃棄物処理基本計画の中で、この調査結果をもとに、ライフスタイルと消費行動の変化をとらえたターゲットを絞り込んで、新たなごみ減量施策を盛り込み、ごみ発生抑制、減量に向けた啓発事業の再構築を進めていきたいと考えております。

3点目で、新たなクリーンセンターの名称を、仮称でエコセンターとつけておりますけれども、正式な名称はいつかということでございますが、新クリーンセンターの稼働は平成29年4月を予定してございます。再編計画もございますので、エコセンターは仮称ということでございますが、正式名称につきましては、28年度中には決定したいと思っておりますが、決定方法などについては今後検討していく予定でございます。

そして次に4点目で、(仮称)エコプラザについての具体的なこれからの検討の内容ということでございますが、関連する(仮称)エコプラザの整備につきましては、今後、市として具体的な施設内容、運営主体、運営方法などの整備計画を決定していく予定でございます。エコプラザにつきましては、単にごみ減量のみを考える施設ではなくて、できますれば環境全般、エネルギー、水循環、緑、ごみ減量などを考える、全市民的な施設、これを目指していきたいと思っております。

そのため、庁内でワーキングを設置し、一定程度の条件を整理した上で、説明会や意見交換会、あるいはパブリックコメントなどで市民の意見を聞きながら、また周辺整備協議会がございますので、協議会の意見を聞きながら、検討を進めていきたいと思っています。今年度はベースとなります基礎的な調査をし、条件を整備した上で、具体的には27年以降に、基本的な考え方をまとめていきたいと思っています。

5点目に、庁内推進会議が設置されているがその役割について、また、(仮称)エコプラザの方針決定、周辺整備計画における課題整理と進行管理などといったようなことでございますが、周辺整備における課題整理は、周辺整備協議会の提言を踏まえて整理した上に、都市マスタープランに位置づけました、クリーンセンターを核とする周辺のまちづくりに合致した整備の方向性を、庁内推進本部で決定していきたいと考えているところでございます。エコプラザにつきましては先ほどの答弁のとおりでございます。

次に大きなお尋ねの2点目で、平和施策ということでございますが、ことしは武蔵野市が空襲を受けて70年目を迎えるという節目でもございます。さらなる平和への取り組みを進めていきたいと思いますが、基本は現在でも動いております平和事業実行委員会の皆様方と協力をしながら、年間を通じての平和施策を企画、運営、実行していきたいと考えております。

先月も憲法月間記念の行事として、5月17日にスイングホールにおいて、講演と映画のつどいを実施させていただきました。「ベアテの贈りもの」ということで、大変よい取り組みの一環ではなかったかなと思っております。

今後は8月に夏季平和事業として、市役所ロビー、プレイスにおいて、戦争資料の展示など、また11月には、平和の日関連のイベントを予定していきたいと思っておりますが、現在詳細につきましては、平和事業実行委員会において検討いただいている状況でございます。そのほか今年度は、市の平和事業を紹介し、憲法をより身近に感じてもらうための、仮称でございますが、平和憲法手帳作成を行っていく予定となっております。

2点目で、一昨年行われた被爆地長崎市に中高生を派遣するなどの青少年の平和交流派遣事業は、今後もどうかということでございますが、一昨年行いました長崎市への青少年の平和交流団は、非核都市宣言30周年を記念しての事業でございました。平和記念式典に参列するとともに、被爆の実相や平和のとうとさを学ぶ、青少年ピースフォーラムに参加をしてもらいました。

その参加をした交流団の報告も、11月の平和の日事業において行っていただきまして、その成果を発表いただいたところでございます。その報告を聞いても、やはり実際に被爆地に行くという、さまざまな実相を学ぶことは、青少年にとっても平和を考える大きなきっかけになってくるのではないかなと思っておりますので、この被爆地への派遣というのは有意義なことだと思っております。

来年度は、世界連邦宣言自治体協議会の事業等もございますので、それらの事業を活用して、長崎市等にも、また再度送っていきたいなと思っておりますので、今後検討を進めていきたいと思っております。

3点目で、憲法平和手帳についてのお尋ねでございます。予算の概要でもお知らせをしているところでございますが、本市の平和への取り組みを紹介しながら、さらに憲法をよりわかりやすく、身近に感じてもらえるような形で作成をしていきたいと思っております。今後、平和実行委員会でも意見をいただきながら、検討していきたいと考えております。

4点目でございますが、市民活動の支援から草の根の平和への取り組みが広がると考えるが、御所見をということでございます。市では非核都市宣言平和事業実行委員会、再三御説明しているとおり、この実行委員会を中心に、年間を通じての事業を行っているところでございますが、平和については多くの市民が関心を持っておられますので、これからもこのような事業を継続していきたいと思っています。

とりわけ、市内には旧中島飛行機武蔵製作所があったということから、また、空襲により多くの犠牲者が出た、そういう歴史もあったことから、市民にも、そのようなことをこれからもつなげていきたいと思っております。

過去においても、恒久平和を願い、二度と悲惨な戦争を繰り返さないために、非核都市宣言、そして世界連邦宣言などを議会においても議決いただいたという経過もございますが、今後も平和を願う市民の皆様とともに、さまざまな平和事業を展開していきたいと考えております。

また、戦後70年を経過する中で、戦争体験をされた方が高齢化しているということも、現状では課題としてありますので、戦争の悲惨さや平和の大切さを次の世代に継承していくためにも、多くの市民や団体の協力を得ながら、継承事業についても取り組みが必要だと思っております。

また、市が主催をします平和事業だけではなくて、平和に対するさまざまな市民レベルでの活動もございますので、それらの皆様方と連携をこれからもとりながら、また、必要があれば、団体の皆様方が行っておりますさまざまな平和事業についても、どのようなことが支援が可能なのかも検討していきたいと思っております。

5点目で、都立武蔵野中央公園の拡張計画に関するお尋ねでございますが、実施設計に際し、歴史的経過を踏まえた検討をするよう、都にも働きかけていくべきではないかということでございますが、御案内のとおり、都営住宅の跡地が都立武蔵野中央公園としての拡張が決まったところでございます。平成25年10月に、公園審議会に整備計画が諮問され、12月には中間のまとめを公表されて、広く都民意見の募集が行われたところでございます。

また、その際に本市に対しましても意見照会がございまして、その際、本市からは4項目を添えて、1月の時点で回答しているところでございます。

概要は、1点目は、本市が掲げる水と緑のネットワークの拠点として、魅力ある公園づくりをしてほしい、生物多様性にも配慮した公園づくりをしてほしいということ。

2点目は、都の提案されている樹林増に当たっては、武蔵野のイメージを伝えるような雑木林、あるいは屋敷林などのイメージも配慮してほしいといったようなことを言ってございます。

3点目として、当該地の過去の歴史を踏まえて、場所性を重視するとともに、平和のとうとさや戦争の悲惨さを次世代に伝えていく拠点となるよう整備をお願いしたい。

4点目は、拡張区域につきましては、広域避難所としても位置づけられていることから、防災施設の導入とともに、多世代の利用を可能とした良好なコミュニティ空間としての整備をお願いしたい。
このような4点を市として要望した経過もございます。

中間のまとめに関しまして、意見が52通、75件という壇上での御指摘のとおりだということでございますが、その中でも、中島飛行機武蔵製作所と空襲に関する説明板の設置、記念碑が欲しい等の意見に対しましては、都からも、御案内のとおり、「御意見を参考に、旧中島飛行機の変電室跡と言われる建物の位置などを考慮した説明板等の設置について、地元市とも協議の上検討してまいります」と回答をいただいておりますので、本市としましては、そのような回答も受けておりますので、都とも協議をするとともに、私どもが要望いたしました要望事項についても、今後も強く働きかけていきたいと考えております。

次に、大きなお尋ねの3点目で、景観まちづくりと井の頭公園100周年というお尋ねでございますが、まず1点目で、今年度の景観まちづくりに関するガイドラインの策定についてということでございます。

景観ガイドラインの基本とする考え方は、既に都市マスタープランに位置づけをしております、景観まちづくりの方針を基本に、エリアごとの景観まちづくりの将来像、あるいは技術的な基準、実現に向けた取り組みを定める方向としているところでございます。

策定方法につきましては、市民の景観に関する意向調査等を実施いたしまして、エリアごとの将来像などについて、市民の意見を参考に策定していきたいと考えております。

策定スケジュールは、今年度と来年度の2カ年をかけて策定する予定で進めておりますが、今年度は市民意見を参考に、ガイドラインの骨格となる、エリアごとの将来像をまとめる予定としております。来年度は、将来像を踏まえ、技術的基準、実現に向けた取り組みを検討し、ガイドライン案を取りまとめ、パブコメ等を行い、検討する予定でございます。

なお、具体的な市民意見の聴取方法については現在検討中であります。関係団体等へのヒアリングなのか、ワークショップ、あるいは意見交換会なのか、最善の方法を検討していきたいと思っています。

2番目で、井の頭公園の100周年に向けての景観への配慮ということでございますが、まず100年実行委員会の動きの中でも、大きく「水と緑の再生」、それから「公園を核とする街の賑わいの創出」の事業を2つの柱として、事業展開しているところでございます。

昨日の他の議員からの御質問でもお答えしておりますけれども、やはり井の頭公園で培われてきた豊かな景観資源をこれからも残すべき、さまざまな事業を展開すべきと、今検討を進めているところでございます。

景観まちづくりの観点としましては、井の頭公園は吉祥寺にとって、武蔵野にとって、あるいはこの地域にとって、かけがえのない大切な資源だと認識をしているところでございます。区域から申せば確かに、池というのは三鷹市域には含まれますけれども、しかしながら武蔵野市のさまざまな景観資源につながる大きな拠点としてとらえておりますので、今後井の頭公園も、大切なこの地域の資源としてとらえていきたいと思っております。

とりわけ吉祥寺におきましては、商業地とこの緑豊かな公園との調和を配慮した環境整備を、これからも行っていく必要があると認識をしているところでございます。

最後に、東京都景観計画に絡んでのお尋ねでございますが、明治神宮外苑の新国立競技場の計画における所見ということでございます。昨日もオリンピック施設の見直しをということで、舛添知事からの発言がありました。どの程度の見直しか、この新国立競技場が含まれるかどうかということもわかりませんが、新国立競技場に関する東京都景観計画の適合要件、法的適合性などにつきましては、東京都の景観施策の中で行われておるところでございますので、私としては首長として所見を述べる立場にはないと思います。

また、正確な資料、正式な資料を持ち合わせていませんので、詳細なコメントはちょっと難しいのですが、マスコミ報道等、あるいはホームページなどを拝見する中では、今後見直しもあるということであれば、基本的には新国立競技場建設に当たっては、その計画地周辺は、豊かな魅力的な神宮外苑一帯の良好な景観地でございます。東京を代表するような景観地でございますので、その景観を保全していく、維持していくという視点も忘れてはならないということだろうし、また、今回予定されております、新国立競技場はもちろん、オリンピックのメーンスタジアムでもございますが、その後、五、六十年と使う施設と認識をしておりますので、オリンピック以降も、この地域のシンボル的な施設であり得ることから、そのような視点でも、景観デザインも十分に配慮すべきではないかと考えているところでございます。

○12番(内山さとこ君)最後にお答えいただいた景観のことから、まずお尋ねします。市長としてコメントすべきでないという、慎重なスタイルであるとは思うのですが、やはりこれまで都市計画の専門家や建築家の方々から指摘されてきた、法的な適合性とか、それと聖徳記念絵画館周辺一帯の景観というものを全く破壊するような建築が、このまま強行されるということは、私たち都民にとっても本当に後悔してもし切れない問題だと思っておりますので、引き続きこの件は、見直しを求めていく立場で、私は臨んでいきたいと思っています。

風致地区ということでの問題も指摘されておりますが、今、御答弁にあったような、東京都としてのオリンピック施設を今後整備していく上で、当初よりも見込みを大きく上回って、基金4,000億円では全く足りないということが、知事の発言として報道されているところで、新国立競技場については国の事業ということですけれども、一体となって2020年の東京オリンピックに向けて整備を図っていくものでありますから、私たち都民にとっても重大な問題であると思います。

こうしたオリンピックという名のもとに、東京の歴史性を踏みにじるような、全く周囲にそぐわない、景観を破壊するような建物をどんどん建設していくことを、今とめなければ、本当に将来の50年先、60年先に禍根を残すと思っております。

それで、そうした景観の資源を損なわないという意味では、本市の重要な景観資源である井の頭公園、この周辺一帯も、これから景観まちづくりを武蔵野市で進めていく上でも、重要な問題だと思って質問しているのです。

昨日も若干、吉祥寺南口かいわいのお話が出ましたけれども、井の頭公園から見る空、桜や青葉が茂る、あの公園一帯で見上げる空、あれはとても憩いの地として重要な景観でして、もちろん既に建設されているマンション等についてはいたし方ないとはいえ、今後武蔵野市として、井の頭公園100周年に向けて、周辺のまちづくり、景観を損なわないまちづくりを進めていく上で、やはりこれは近隣の商業者たちにも御理解をいただかなければいけない問題ですが、市長はどうお考えでしょうか。

昨日、期待と心配という両方の言葉を述べられておりましたが、私は都市間競争ということを口にされる皆さんは、井の頭公園を擁するこの吉祥寺が、井の頭公園の景観なくして都市間競争に勝てないということを御理解いただきたいと思っているのですが、いかがでしょうか。
それと次に、冒頭のクリーンセンターの件でお尋ねいたしますが、平成25年のごみ量が2万9,903トンとおっしゃったのでしょうか。目標の3万607トンをクリアできたという、うれしい報告を聞けたわけなのですが、以前に家庭ごみの有料化を導入した当時も、翌々年にはリバウンドがあったこともあります。一旦事業系の持ち込みごみが、武蔵野市では減ったとしても、総量としての発生抑制につながっているのかという問題もありますので、また回り回って持ち込みがふえることも考えられ、また、武蔵野市は今、人口が14万人を超えたということで、これからの人口構成を考えると、世帯構成ですとか、20年先、30年先のライフスタイルの変化を考えると、今からごみの減量を具体的に図っていく取り組みが、新たな発想で求められていると思っていますので、その辺も考慮した今後の追跡調査と対策を検討していただきたいと思っています。さらに御答弁があればいただきたいと思います。

それと、エコプラザと周辺整備につきましては、やはり今、周辺整備の協議会の中でお話しいただいている意見などが、具体的にどこでどのような過程で整理、そして実現していくのかということを、構成メンバーの方たちも極めて心配をしながら、今協議されていると私は思っているのです。エコプラザというものは、全市的な環境啓発施設として今後整備されていくということで、エコプラザをどうしていくのかということと、新たなクリーンセンター周辺の整備については、どういうメンバーで、具体的に何を考えていかなければいけないのか。

ここのきちんとしたすみ分け、整理を行っていっていただきたいと思いますが、それは今回庁内の推進本部のほうでも、防災安全部と市民活動担当部長が新たに加わったということで、大変これは重量級の体制と思っているのですけれども、しっかりとその辺の進行管理が市民にもわかるような、そういう検討をしていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

まずそこまで。

○市 長(邑上守正君)私たちはこれから、景観ガイドライン等の策定を進めていきますが、その中でもやはり、エリアとしての吉祥寺地区の中でも、井の頭公園というのは極めて大切な景観資源だとは思っております。

ただ、井の頭公園の景観に関しては、本市だけではなくて三鷹市も当然かかわってまいりますし、公園自体は東京都ということでございますし、その景観の資源のレベルから言うと、一自治体を超えた、東京都レベルの景観のいろいろな考え方が必要ではないかなと思っておりますので、もちろん私どもは井の頭公園の景観を守るべく、さまざまな検討を進めてまいりますが、それについては東京都、あるいは三鷹市とも連携をして進める必要があろうかと思っておりますので、今後必要な意見提案、協議をさせていただきたいと思っています。

2点目で、クリーンセンターは、昨年度はたまたまそういう事業系ごみの料金アップということもあって、一どきに目標達成が図れましたけれども、御指摘のとおり、リバウンドということもあり得ますので、安定的になるまでは、ごみ減量の呼びかけがさらに必要でしょうし、昨年度、ごみの分析調査を行いましたけれども、今後もそういう分析をさらに進めながら、必要な、あるいは可能な対策を考えていきたいと思っております。

エコプラザにつきましては、基本的には周辺整備協議会等でもさまざまな議論をいただいているところでございますが、庁内推進本部でも周辺協議会とのやりとりを進めながら、現時点では庁内推進本部で基本的なことは決定していくと。市民の皆様方から御意見を聞きながら、また専門家の皆様方からも御意見をいただきながら、決定をしていくということでございますが、その決定過程の中でも、市民のさまざまな参加の場面も今後とも考えていきたいと思っております。

○12番(内山さとこ君)クリーンセンターについては、昭和59年に現在のセンターが開設される以前から、市民参加の過程を踏みながら、建設を決定し、運営してきたという経緯がございますので、これをきちんとこれからも継承していただくと。参加と協働の哲学を貫くという、かつて、今は亡くなりました委員長からの御発言もあり、私はそれを重く受けとめて、その哲学を継承していっていただきたいと思っております。

それで、平和施策についてなのですけれども、今、市長から御答弁もあったのですが、私はやはりちょっと平和施策について弱いと正直思っているのです。憲法平和手帳の作成ということは、今回トピックスではありますけれども、何度も申し上げるように、子どもたちとともに、子どもたちにも通用するようなものを、私は考えていっていただきたいと思っています。

それについては、今年度、全小学校の全生徒向けに教育委員会が作成した、「武蔵野市のいま・むかし」いう副教材が参考になると思っています。内容は6章立てで、そのうち中島飛行機武蔵製作所と戦争中の武蔵野市の人々の暮らしとして、当時の製作所の全景と、現在の周辺の様子についての航空写真を載せて、わかりやすく説明が加えられています。私はこうした教材を、きちんと次世代へ平和を語り継ぐ上で、現場でも活用していただけるものと期待していますが、これらはどういう経緯で作成、そしてまた現場でどのように活用を期待されているのかも、できればお尋ねしておきたいと思っています。

ぜひ、壇上で申し上げましたように、『子どもとおとなの日本国憲法』にあるような、憲法の全文が子どもにもわかりやすく、そして武蔵野市で取り組んできた案内板の設置などの事業が、どこにどのように地図の上でわかるように記載されて、そして今の暮らしと昔とが重なり合わさるような形の、そうした憲法平和手帳というものをつくっていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

それと、来年度に向けて、青少年の平和交流事業も検討していただけるということで、大変私はありがたいと思っています。ぜひ今後、単発的なことではなく、非核平和宣言の節目ですとか、戦後70年の節目ですとか、そういったこととも関係してくるのでしょうけれども、継続して、邑上市長と長崎の田上市長との友好的な関係が今後、武蔵野と長崎と、市と市と、自治体としての友好関係に発展できるような、将来子どもたちが語り継いでいけるような、そういう事業に発展させていただきたいと思っております。それはいかがでしょうか。

○市 長(邑上守正君)エコプラザに関しましては、御指摘のとおり、クリーンセンターの歴史を振り返れば明確なように、参加と協働の理念を貫いて取り組んできた経過もございますので、エコプラザについても多くの市民の皆様方の参加を得ながら、検討を工夫していきたいと思っております。

平和施策に関して、「武蔵野市のいま・むかし」、これは小学校のほうで副読本で作成されて、活用いただいているものと認識してございますので、それは各小学校の授業の中での参考になるものだと思っておりますので、引き続きそのようなものを通じて、武蔵野市のさまざまな戦争の歴史、あるいは平和の取り組みも伝えていただければなと思っております。

その憲法平和手帳の中に、例えば平和案内説明板の位置につきましても、現在案内板がすべて予定されたところにつけ終わっているわけではないので、その時期的な問題もあろうかと思いますけれども、どういうところが戦跡の資源があるということは、そういう手帳の中にも掲載できたらと思いますが、私のイメージでは、手帳ということを言っておりますので、コンパクトなサイズで、持ち運びが容易なものを考えておりますので、そこに大きな図面というのはなかなか難しいかもしれませんけれども、何か工夫して入れられればよいなと思いますので、今後よく検討してみたいと思います。

それから、子どもたちの平和交流につきましては、1つは今行っております海外への派遣交流というのも、1つは平和の視点があると思っておりますので、ことしもラボックなり中国なり、子どもたちの派遣を予定しておりますけれども、平和という視点でも交流を深めていただきたいと思っております。

またあわせて、長崎市への派遣ということも、一昨年の経験から、なかなか価値あることだと思っておりますので、今後も機を見て行っていくということもありますが、あわせて恒常的に行っていくことも可能性として考えられますので、よく検討していきたいと思っています。

○12番(内山さとこ君)よろしくお願いいたします。それで、何より大事なのは、私は何度も子どもたちと言うのですけれども、やはり戦争の歴史を語り継ぐだけではなく、なぜその戦争が起き、なぜそうした空襲がこの武蔵野にあり、それはなぜ起きたのかということを考えることが大事だと思っていて、それはやはり私は教育の力が大切だと思っています。

何度も申し上げるようですが、小・中学生がこれから平和ということを大事だと、それは理屈ではなく大事だとわかるようにもしていただきたいのですけれども、ぜひ教育現場で先ほど御紹介しました、この「武蔵野市のいま・むかし」、こういった副教材も活用しながら、実際は被害に遭った歴史を語り継ぎながら、実はその被害に遭った人たちは、戦争を遂行するための戦闘機づくりに駆り出されていた、それに乗って兵隊が戦地へ赴き、爆撃し、相手の国民にも被害を与えた。

戦争とは誰の利益にもならない。いつも戦火で被害を受けるのは、立場の弱い子どもや女たちだと、私がお話を伺った方も嘆いておられました。ぜひ、教育の現場でもその点を踏まえて、戦争のない社会、平和を語り継ぐということの大切さを、先生方も子どもたちに教えていっていただきたいと思います。

それと、中央公園の件なのですけれども、東京都のほうに意見を上げていただいたとおり、その3点目でおっしゃっていた場所性というのを大切にして、平和を次世代へ語り継ぐ、何かしらモニュメントというものをつくっていただきたい、これは市として強く協議の場でおっしゃっていただきたいと思っています。墨田区の横網町公園内にある東京大空襲の犠牲者を祭っている記念碑も、あれは東京都の事業として、都議会での付帯決議をもとに、大勢の都民の方々が寄附を募って、あの地に築かれたものでございます。あそこのデザインは、中高生たちに春夏秋冬のデザインを募集して、記念碑の周りに花壇が広がっております。そういった取り組みもぜひ参考にしていただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。

○議 長(与座 武君)内山議員に申し上げます。前段の部分は、事前通告で教育委員会に投げかけていませんので、御意見、御要望として聞かせていただきました。

 後段の部分、お答えができるのでしたら。

○市 長(邑上守正君)拡張部分の整備設計についてはこれからだという認識でございますので、今まで要望してきた内容も踏まえて、今後よく東京都と協議をしてまいりたいと思っています。

○議 長(与座 武君)暫時休憩をいたします。

○午前11時52分 休 憩